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(見出し)

東京・青山の三菱地所「欠陥億ション」 ネットの書き込みで発覚、異例の販売中止に
2014/2/ 1 12:33 j-castニュース

(引用開始)

  三菱地所レジデンスが販売していた東京・港区青山の一等地に建設中の
超高級マンション「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」が、
工事の不具合が発覚して販売中止となった。

   その不具合というのが、「スリーブ」といわれる、
水道管などを設置するための「孔」が開いていなかったためというから、なんともお粗末だ。
三菱地所とともに施工を請け負った鹿島建設に配管設備を担当した関電工と、
「一流」の看板が泣いている。

 
・解約に「迷惑料」含め「3倍返し」

アベノミクス効果もあって、東京23区内ではマンションが売れに売れている。
そうした中で、南青山に建設中の超高級マンション「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」に、
欠陥があったことが発覚した。売り主は三菱地所レジデンス、
施工主は鹿島建設、関電工が配管設備を請け負っていた。

   物件は渋谷や六本木、広尾に近い、都心の高級住宅地。超一等地ということもあり、
最高価格3億5000万円、最多価格帯が1億4000万円台という、いわゆる「億ション」。

   ところが、欠陥が見つかったことで契約者への引き渡しは中止。
引き渡し予定日が2014年3月20日に迫っていたことから、
「合意解約のお願い」という異例の事態となった。

   販売された86戸のうち、すでに83戸が契約済みで、購入した人もあわてている。
中には現在の住まいの売却が決まっていたり、仮住まいだったりと、
別途急いで住まいを探さなければならないかもしれない。

   三菱地所は引き渡しの中止にあたり、1月25日、26日に説明会を開催。
お詫びして、欠陥が見つかった経緯などを説明した。手付金の返金などについても、
「こちらから契約解除をいうような状況ではなく、
手付金をお戻ししたうえで迷惑料として手付金の2倍をお支払する条件で、
合意解約をお願いしました」(三菱地所)と話す。

   「億ション」だけに、手付金は1000万円を超える。
これに迷惑料と実損分(仮住まいの家賃など)の一部が加算されるので、
契約者には3000万円を下らない金額が支払われる。

   現在、原因の究明が続いているが、
「原因の究明と是正工事に、少なくとも1年はかかりそう」。
販売再開の見通しは立たず、建物を取り壊すような最悪の事態も「ゼロではない」と話す。

設計図を「施工図」に落とし込む過程で「孔」がなくなった

   今回の物件の欠陥は、「スリーブ」といわれる、
配管設備のための孔が開いていなかったことにある。
具体的には、全部で6000あるはずのスリーブのうち、
1割にあたる600か所の孔がなかったり、位置が間違っていたりした。
そのうえ、配管を通そうと後から開けた孔が、
鉄筋を切ってしまった個所が見つかったという。

   スリーブは建設工程の比較的初期段階の工事とされ、
三菱地所は「通常では考えられないこと」と驚くが、「現時点でわかっていることは、
施工の段階で設計図を『施工図』に落とし込み、すり合わせる過程があります。
そこでの作業で、(孔が)なくなったようです」と説明。
この作業は施工主である鹿島建設が行っているため、「これから協議していきますが、
相応の責任は負ってもらいます」と話す。

   ただ、問題はそのことがわかったのが、
インターネット上にあったカキコミだったことだ。
カキコミを見た契約者が問い質したことで事実確認が始まった。

   三菱地所もその点を問題視しており、
「誰が書き込んだものなのかはわかりませんが、他者からの指摘でわかったことは事実。
今後、こうした建設中のチェック機能を強化する方策を検討していきます」と話している。

   一方、三菱地所は今回の事態を受けて、
施工中や販売中の物件のすべてで問題がないことを確認した。
ブランドイメージの低下も懸念されるが、「他の物件への影響はない」とみている。

 

(引用終了)

 

(私のコメント)

この話の問題点は工事にあたった個々の人間が気が付かないか、
気がついても何も言わなかったことだ。
ただその人たちが悪いというのではなくて、
そのような人を使った、またはそのような人にしてしまったのが悪いのだ。

通常は作っている人がおかしいと気付くはずだ。
配管の穴などというものは、定位置的なものだし、作っていればわかるはずだ。
それも、600個所も欠陥があるなんて、気がつかないとは考えられない。
おそらく下請け孫請けでアルバイトのような人間がマニュアル的に作業したのだろう。

恐らくコストを下げるために、仕事を誇りに思い大切にするような職人を排除したのだ。
どんなに賃金が安くても仕事にプライドを持っているようないわゆる職人が居ない。
また設計段階から設計図が変だと言うことをチェックできないのも
プロ意識が欠如していることを示している。

会社というのはえらい奴とか頭の良い人間だけで出来上がっているのではなく、
守衛さんや新人や女の子やいろいろな人から出来ている。
農業国家である日本はそれをよく知っているが、
個人主義的な西欧文明では組織が主人と奴隷の関係だから、
与えてられた以外の仕事はやらない。
だが、現場の下っ端の人が重大な欠陥に気がついて指摘することがある。
日本人はこういう集団の力を知っていて大切にした。
だから、昔は職場で運動会をやったり旅行をしたりして上下の意思疎通を図った。

これが日本企業の強みだったのだが、
欧米的な新しい型の経営方法としてマニュアルを中心とした個別的な管理に変わった。
この方がコスト的には良いのだが組織の良さは破壊されてしまう。
おそらくこのような荒れた無責任な人間関係の、
バラバラな個人が存在する現場がこのような結果を産んだのだろう。

インターネットに書き込みした人間はそれに気付いた工事関係者だろうが、
それでも良心的な人間も残ってたのだろうから、
まだましな方だったのだろう。

こういう事は日本社会の美風が衰退していくということなので、
今後もいろいろなところに現れて来るのではなかろうか。

鈴木孝夫先生の本にあるように日本の良さを認識して、それを世界に売り出すように
方向変換をしないといけない時期だ。

 

(私のコメント終)