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新世紀のビッグブラザー三橋貴明ブログ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/

(見出し)
「飢えるアメリカ」

(引用開始)

(前略)
ところで、労働参加率と言えば、アメリカの労働参加率が下がっています。
 『米雇用情勢、重要なのは「労働参加率」
 
(前略)労働参加率(生産年齢人口に占める労働力人口)は62.9%と、6月の62.8%から上昇した。
それでも、前年同月の63.4%を下回っている。
実際、労働力人口はこの1年間の月平均増加数が約2万8000人で、
人口の伸びから示唆される12万人と大きな差が開いている。
  失業率が急速に低下してきたのは、まさにこのためだ。(後略)』
 

 

 要するに、最近のアメリカの雇用改善(失業率低下)は、
労働参加率が低下したことに起因しているのではないか、という問題です。
生産年齢人口の失業者が労働市場を離れ、非労働力人口となってしまうと、見かけの失業率は押し下げられます。
 

 最近、日本の失業率が3.5%から3.7%に悪化しましたが、
これは非労働力人口から労働人口に移った人が多かったためで、
「良い意味の失業率上昇」と言っていいでしょう。非労働人口から労働人口に移ったからといって、
職を得られるとは限りません。その場合、彼、彼女は失業者となり、失業率を押し上げます。
 

 人手不足や有効求人倍率の上昇により、「働く気になった」日本人が増えてきているわけです。
結果的に見かけの失業率が上がったとしても、これは騒ぐべきではありません。
 

 

***(中略)
フィーディング・アメリカの調査報告書によると、食事の支援を受けている成人の五分の一が
大学に通っていたとのことです。
また、6%が大学またはそれ以上の学位を取得。
 

 調査対象の半数以上が、いわゆるワーキングプアでした。
働いてはいるものの、貧困から抜け出すだけの賃金を得ていないという話です。
 

 すなわち、実質賃金が低いのです。
 

 繰り返しますが、日本は現在、人手不足の状況にあります。
ということは、政府が余計なことをせずに「放っておく」ことで、
市場原理により実質賃金は上昇するはずなのです。
(労働規制はむしろ強化し、正規社員を雇用することのインセンティブを作るべきだと思いますが)
 

 それにも関わらず、安倍政権は消費増税で景気を叩き落とし、
さらに労働規制の緩和(派遣拡大など)、労働時間規制の緩和(いわゆるホワイトカラーエグゼンプション)、
さらには外国移民受入と、実質賃金を引き下げる政策ばかりを推進しています
(没りましたが、配偶者控除の廃止も同じです)。
 

 結果的に、数年後、十数年後の日本で、数百万、数千万の人々が「飢餓」に苦しむことになる可能性を、
否定できますか? 安倍総理
 

 太平洋の向こうに「悪しきケーススタディ」があるわけですから、素直に彼の国を反面教師として、
賃金主導の成長を志向することこそが、現在の日本にとって正しい「成長戦略」なのです。

 


***(後略)

 

(引用終了)

 

(私のコメント)

>最近のアメリカの雇用改善(失業率低下)は、労働参加率が低下したことに起因しているのではないか…


「イエレン議長は22日、ワイオミング州ジャクソンホールで開催されたシンポジウムで講演し
「雇用は予想以上に回復してきたが、労働資源の活用は著しく不十分だ」と指摘した。」

イエレンさんは判っているようですね。
国のエリート指導層が現実で動くか理念で動くか、の違いでしょう。あるいは演繹的か帰納的か、
の違いでしょうか。
いずれにしろ日本のエリートは現状把握も駄目だし、現状から出発する考えもない。
もしあるなら三橋さんと考えが一致するはずだ。
なぜ日本のエリート指導層は財政再建などという現実離れした話を信仰するのか。
数日前「バイトマンと魔物」と言うお話があったが、正に魔物が指導層に取り付いているようだ。
まず、この魔物の正体を暴くことが今の日本にとって緊急課題じゃなかろうか。
中野さんは何処の国のエリート層も劣化しているからだ、と言う。
また、彼らは付き合いが狭く、小さな仲間内で固まっているから変な信仰に走るのだ、ともいっている。
大東亜戦争の失敗を引き合いに出すまでもなく、国のエリート層の失敗は取り返しがつかない。
いくら庶民が頑張っても取り返えせないのだ。
イエレンさんもまだ未知数だが、少なくとも現状から出発している点で好感が持てる。
理念で割り切るのではなく、現状と悪戦苦闘するつもりなのですね。
彼女のような魔物に取り憑かれていない(と思われる)指導者を日本も作らないといけません。
安倍麻生も秋葉原で演説聞いて、そう言う指導者だと思ったが、見事に騙された。
イエレンさんだったら今の日本の財政再建や消費税の現状をどう考えるだろうか。
いずれにしろ、日本は悪魔祓いならぬ魔物払いをまずやらないとどうしようもないと思うが如何でしょう。


(私のコメント終)