三橋貧乏神と君子豹変

新世紀のビッグブラザー三橋貴明ブログ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/page-2.html
(見出し)
「経済大国」

(引用開始)

 

(前略)
 
さて、三重県と言えば伊勢神宮ですが、神宮のお宮の建設技術は、弥生時代から継承されてきたという、物凄い技術です。
 

 なぜ、1500年以上も昔の建築方式が、現在の日本で「現役」なのか。当たり前ですが、二十年ごとに式年遷宮を繰り返してきたためになります。
 

 一人の宮大工は、一生に二回、式年遷宮を経験するといわれています。一度目は、先輩の大工から「教わり」、二度目は後輩に「教える」わけです。一時の中断を除き、式年遷宮が連綿と続けられてきたからこそ、弥生時代の建築方式が「現役」などという、物凄い状況になっているわけでございます。

 

***(中略)
別に、建設分野に限った話ではありませんが、現在、日本で働いている国民の技術が若い世代、次世代に継承されなければ、全ては途絶えます。具体的に書いておくと、建設分野であれば、我が国が、
 「高層ビルを自国では建てられない」
 「大きな橋を自国では架けられない」
  国に落ちぶれるという話で、簡単に書くと「日本の発展途上国化」になります。
 

 若い世代に現在の技術、技能、ノウハウ、スキル等を継承するためには、当たり前ですが、該当の職で働いてもらわなければなりません。どれだけ学校で勉強しようが、既存のマニュアルを読み込もうが、本質的なノウハウ等は働かなければ決して蓄積されることはないのです。
 

 バブル崩壊前までの日本は「経済大国」と呼ばれました。「経済大国」と名付けたのが誰なのかは分かりませんが、まことに本質を突いた呼び方です。
 

 「経済」の意味は、いまさらですが「経世済民」です。すなわち、国民を豊かにする政治のことこそが「経済」の意味なのです。とはいえ、もちろん経済とは政府のみを対象にしているわけではなく、民間企業が、
 「国民の需要を満たし、雇用を創出し、現在の技能等を進化、発展させながら継承する」
  ことを実現していたこともまた、「経済大国」の証というわけです。
 

 現在、派遣社員契約社員などの「非正規雇用」が増え、若者に技能が継承される機会が減ってきています。「国の借金」でも「人口減少」でもなく、
 「既存の技術、技能、ノウハウ等が毀損し、継承されていない」
  ことこそが、真の意味で日本の「経済危機」なのです。
というわけで、現在の日本政府は「若者に技能等を継承し、日本の発展途上国化を防ぐ」ための政策を推進しなければならないのですが、実際には真逆の道を突き進んでいます。特に、安倍総理が塩崎氏を厚生労働大臣に据えたことは、決定的と言えないこともありません。
***(中略)

経営者に対する罰則の文面に間違いがあり、審議されずに廃案となった労働者派遣法改正案について、塩崎厚生労働大臣は再提出の意欲を見せています。
 

 しかも、塩崎氏は自民党内の「外国移民受入派」の筆頭株です。その「彼」が、厚生労働大臣
 

 現在、日本はバブル期まで蓄積した虎の子の供給能力(=経済力)を毀損し、経済大国の座から滑り落ちつつあります。そして、大本の問題を認識せず、的外れな構造改革とやらで事態を深刻化させているのが、残念ながら現在の安倍政権なのです。
 

 もちろん、
 「だから、日本はおしまい」
  という話では全くなく、問題を正しく把握し、その時点で適切な政策を打つべき。政府が打たないなら、国民が政治に声を出すべきという話です。
 

 塩崎氏の厚生労働大臣就任により、問題を早期に顕在化するのは確実なので、ある意味で「正しい解決」への道筋をつけるチャンスかも知れません。
 

***(後略)

 

(引用終了)

 

(私のコメント)

>塩崎氏の厚生労働大臣就任により、問題を早期に顕在化するのは確実なので…

つまり塩崎氏は貧乏神なのですよ。
容姿も学歴も経歴も文句つけようのない人なんだけど、その人がいると何か組織がダメになっていく。
こういう人は大会社などによく巣食っています。
昔で言えば井上準之助近衛文麿宮沢喜一なんかがそんな感じの人だ。
安倍さんの親友だそうだが第一次内閣で失敗しているのに懲りてないんですね。
貧乏神が官房長官じゃダメになるのはあたりまえだ。
こういう人たちってのは理想論から演繹して立派なことを言うので騙されてしまうのでしょう。
桜討論で田村さんが安倍さんは草莽の士だ、東大出などの勉強秀才でない所が良いと言ったが、
私も賛成だ。

では、塩崎貧乏神と安倍草莽の違いは何処だろう。
まあ色々あると思うが、私は間違いや失敗した時の対応の仕方じゃないかと思う。
秀才は自分に自信があるから間違っても現実のほうが間違いだと思ってしまう。
また失敗が少ないから失敗した時の対応方法が訓練されていない。
そうそう、朝日新聞を見たらそれが正しいとよく分かるでしょう。
それに比べ非秀才はよく間違えるから間違った時の対応方法を知っている。
それと、失敗した時の挫折感も味わうから同情心も養成される。
人に失敗はつきものだから間違えたと思ったら直ぐ直せばいい。
だから草莽の士の方が時間がかかっても粘り強く目標に到達できる。
安倍さんが長期政権を目指すなら失敗を直ぐリカバリーしないといけない。
気がついたら直ぐ直すことが出来ないと長く続けられない。

ところで、株価がジワジワ上がっているが、その原因は年金が買っているからだそうだ。
だが、私はこの秋にもしかすると「消費税増税延期と補正予算が来る」と密かに考える人が
出てきたからじゃないのかと思っている。
あくまで根拠なき仮説だが株価が16000を越えたら面白い仮説になるんじゃないか。
ま、あえて根拠を言えば12年11月から株価が上がったが、
これは当時安倍さんのいう経済政策が正しかったから期待して上げたのだ。
つまり経済政策が正しければ株価はあがるのだ。
そこで株価が上がるのは経済政策が正しいことが行われるだろうと考えたからだ、と逆に考えたわけだ。

我々は見事に騙されたのだが、ここに来て又騙し返しても一向に構わないのだ。
昔から「君子豹変す」と言うからね。
安倍さんが草莽の士ならそれを知っていると思う。
そして景気さえよくなれば塩崎貧乏神も退散し、財務省の勉強秀才の失敗もカバーできる。
彼らも天皇の大御宝だから、庶民は尻拭いしなくちゃなんない宿命だ。
さて、安倍さんが君子かそうでないか、草莽の味方かそうでないか、
分かるのはもうすぐですね。

 

(私のコメント終)