三橋欧州統合地域独立1409-15-511-9/21メルマガブログ転送

新世紀のビッグブラザー三橋貴明ブログ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
(見出し)
「揺れるヨーロッパ」

(引用開始)

 

(前略)
 
 改めて考えてみると、今回のスコットランドの独立問題は、
 「ロンドンのグローバリズムに対する、スコティッシュナショナリズムに基づく叛乱」
  だったのか、それとも、
 「連合王国ナショナリズムグローバリズムにより破壊された結果、国家解体としてのスコットランド独立騒動」
  だったのか、何とも言えないところです。


 もしかしたら、双方の要因があるのかも知れませんが、いずれにせよ安易に、
 「スコットランドの独立は、スコティッシュナショナリズムの発露だ」
  などと書くことはできない「胡散臭さ」がありまして、結局、わたくしは賛成とも反対とも書くことはできませんでした。まあ、そもそも他国人がスコットランドの独立について好き勝手なことを言うのはどうかと思いますが。
 

 「連合王国」のスコットランドの独立が阻止されたと思ったら、今度はスペインのカタルーニャ独立問題が火を噴きました。
 
(中略)

カタルーニャ州は、バルセロナを含むスペイン屈指の富裕州です。09年に勃発したユーロ危機以降、カタルーニャ州の住民は中央政府の財政について、不当に分担させられると怒りの声を発しています。
 

 中央政府ソブリン危機(国債などの債務不履行の危機)なども、国家にとっては一種の非常事態です。つまりは、戦争や大規模自然災害と同じということになります。
 

 非常事態が発生した際に、国民同士で「助け合い」の精神を発揮するのが、本来のナショナリズムです。
 

 例えば、日本は独自通貨国です。独自通貨国である以上、自国通貨建てのソブリン債国債)の債務不履行など起きえません。とはいえ、政府が通貨発行権をフルに発揮し、国債を買い取っていくと、確かにインフレ率は上昇するでしょう。国民は「インフレ税」という形で、政府の債務の処理の負担を負うことになるわけです。(もっとも、別に書くまでもないですが、現在の日本はデフレである以上・・・という話なのですが)
 

 それに対し、スペインはユーロ加盟国です。ユーロ加盟国は金融政策の権限をECB(欧州中央銀行)に委譲しているため、通貨発行権は各国の政府にありません。ソブリン債の危機が迫ったり、あるいは国債金利が急騰した際に、中央銀行国債を買い取らせることはできないのです。
 

 となると、スペイン政府はソブリン危機の際に、各州や各国民に「実質的な負担」、具体的には増税財政支出の削減という形で負担を負わせる必要があります。インフレによる負担は国民が平等に背負いますが、財政による負担の重さは各州、各地域、各国民でバラバラにならざるを得ません。(そういう意味で、公共事業などの財政支出も、各地域を比べると効果がバラバラになります。だからこそ、政治家は「安全保障強化」などについてしっかりと国民とコミュニケーションをとり、特定の地方を重視する理由等について説明しなければならないわけです)
 

 カタルーニャ州が、中央政府ソブリン危機の負担を「他の州よりも重く負わされた」結果、独立の声が高まったとなると、金融政策を他機関(ユーロの場合はECB)に委譲するというユーロのシステムそのものが、ナショナリズムを崩壊させる「因子」を含んでいるとしか説明のしようがないわけです。
 

 これは率直に書いておきますが、スペイン王国にとって最善の道は、ユーロとEUから離脱し、国民経済を国民の手に取り戻すことです。
 

 ところが、現実には王国のユーロ・EUからの離脱よりも先に、国内のナショナリズムが希薄化し、経済危機により遠心力が働いてしまっています。そして、このままカタルーニャ州が独立すると、「別の国」としてユーロやEUに加盟することになるわけです。ユーロを構成する各国が、各地方に解体されていけば、いずれは現在のように、各国のナショナリズムにより政治経済がにっちもさっちもいかない状況は解消されるかも知れません。
 

 そういえば、スコットランド独立はも独立後は「独自にEUに加盟する」と言っていました。将来的に、ユーロやEUが各国ではなく、「各地域」の集合体になるとしたら・・・。
 

 真の意味での「欧州合衆国」が誕生するのかも知れません。各地域のナショナリズムが勃興した結果、グローバリズムの実験であるユーロが勝者となるわけでございます。
 

 そう考えたとき、今回のスコットランド独立騒動や、カタルーニャの独立運動を、単純に「ナショナリズムの発露」として捉えるのは、危険であると思えてならないわけです。

***(後略)

 

(引用終了)

 

(私のコメント)

>真の意味での「欧州合衆国」が誕生するのかも知れません。各地域のナショナリズムが勃興した結果、
グローバリズムの実験であるユーロが勝者となるわけでございます。


三橋さんのおっしゃる「真の意味の合衆国の誕生」とは、加盟国の各地域が小さくなることにより、ユーロに頼らざるを得ず、中央政府の権限が強まるから、という意味かと思います。
しかし、いくら各地域が細かく独立し、通貨統合しても合衆「国」は難しいのではないのか、と私は思います。
なぜなら国家に絶対必要な「同胞意識」がないからです。
連合王国スペイン王国内の同胞意識も希薄なのにギリシャなんかと同胞意識なんてあるわけないでしょう。
彼らは軍事や通貨などはイギリス又はEUに丸投げして福祉などのいいとこ取りしたいだけのように見える。
こんな甘い独立志向じゃ、EU側も嫌がるでしょう。
グローバリズム、民主主義、国家主権のトリレンマ理論から言うと、
各地域は国家主権を放棄し、グローバリズムと民主主義を取るようだ。
そうすると強力なEU政府が必要になるが、果たしてそれが出来るだろうか。
各地域共言語習慣が違うから帝国主義的な強い軍事力をもった強権的な政府でないと難しい。
例を上げれば、シリア、ロシア、シナ、などのように反政府自国民をどんどん殺せるようでないといけない。
EU側も勿論そんなことは望まないから、まあせいぜい固まってもインターナショナル程度だろう。
何処の地域だって民主主義まで手放したくはないでしょう。
となると、各地域はイギリスやスペインの元の鞘に収まっていくのが順当な話ではないか。
今度のスコットランド投票の結果は、三橋さんの言う「最善の道」である英国のEU離脱が見えてきたと思う。
この私の結論と正反対なのが、浅公さんの「ナショナリズムからグローバリズムは必然 」という考えですね。
私は「必然」ということでなく当面現状から見てそういう結果がより良い方向だろう、と考えるだけですけどね。
そもそも歴史を「必然」と捉えるのは共産主義新自由主義に共通する思想です。
両者はよく似ている、と言われるがこの辺も似ていますね。

両者とも歴史を見通す力を持っていると過信し、つまり自分は神だ思う傲慢な理性主義です。
この歴史必然を唱えた共産主義ユートピアは20世紀を通じ実験され1億人の犠牲者が出ました。
恐らく新自由主義も今正に実験中だが、恐らく失敗し同じような犠牲者が出るんじゃないか。
浅公さんやお仲間の財務省、安倍麻生、黒田竹中などは新自由主義をご神体として崇める狂信者で、
狂信者という点では共産主義者と同じだと認識したほうが真実に近いと思う。

また、浅公さんは「国連の勝利」を夢見ているようだが、それは世界が単一の帝国主義的支配下に置かれる、ということで共産主義が夢見たことでしょう。
また、近年ではそのグローバリズム理想主義はアメリカのブッシュが中東で失敗したものです。
アメリカも自由と民主主義イデオロギーと軍事力で世界共通標準を夢見て中東に押し入り殺して歩いたが、あれは浅公さんの夢と同じです。
浅公さんはブッシュのネオコン共産主義と同じ世界観を持っているわけです。
「歴史の必然」「世界政府」などという人達はロベスピエール以来何度も理性主義理想主義で大虐殺をやってきたのですね。
浅公さんから分かるのはこういう狂信的な人たちが今日本で政権を取っている、ということです。
そういうことなら三橋さんのいうことなんか聞く耳持たずでしょう。
その上保守を偽装するから騙されやすいですね。
こういう自分の頭脳を過信した狂信的な人たちがTPPや増税を推進しているわけです。
(と言っちゃ安倍さんに悪いというなら、
ハイエク共産主義に反対したから、新自由主義を保守だと勘違いしているのかもしれない。)
だから、彼らからすれば、消費税増税で国民を騙すなんかはちょろいもんですよ。
彼らは恐らく5兆円くらいの補正予算を組んで10%増税はやるでしょうね。
浅公さんのご意見を聞くと彼らがポルポト毛沢東のような狂信的な人たちなのだ、
説得の余地はない、と言う認識で立ち向かった方が正しいように思われますね。

(私のコメント終)