税金とは何か2応益税

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(前回「3-1税金とは何か」の要約)

「税金は政府の財源ではない。
あらゆる政府支出の真の財源は通貨発行権である。
その証拠に税金を徴収したらその場で紙幣を燃やしてしまっても少しも困らない。
日銀がそれに関係なく紙幣を発行して政府の仕事に使えばいい。」

「「税金は一般に行政サービスを維持するための国民が負うべき負担である」
という説明は全くの見当違いだ。」

政府は税金を取らず、貨幣を印刷して政府支出をすれば無税国家になるが、
大抵はインフレになる。

「税金はインフレを起こさないためのもの、ということに尽きる。
インフレになると賃金より物価の上昇スピードが早いので国民は窮乏する。
そこで、税金を取って貨幣を回収し、インフレを抑える。」

(前回「3-1税金とは何か」の要約終)

(見出し)

「3-2応益税という名称の不具合」
(要約引用開始・カッコ内は私の補足又はコメント)

 

1. 税は大きく分けて「応能税」と「応益税」に分けられる。
「応能税」は法人の利益や個人の収益にかけられるもの。
人の能力にかかる税金と言われている。
「応益税」は政府や自治体の行政サービスが物の価値を上げる便益の対価として課税される。

2.「応能税」は経済的に素材を負担する能力のあるものに対し担税力に応じて課される税金だ。
所得税法人税が代表的な例になる。
これは租税公平主義の原則ともなっている。
この場合の公平とは担税力を基準とした場合の公平である。
また、国民の経済格差を縮小する所得再配分機能も持っている。
(国民全体の公平性から言って、)担税力のないものには少ない税金を課す「累進課税」が良いと考えられている。
近代税制における基幹税は担税力を原資とする所得税である。

3.「応益税」はある特定の行政サービスの受益が特定少数に別格なものになっている場合、
公平を期すためにその特定少数者に行政サービスの対価として受益者負担に課税するものである。
例えば固定資産税は応益税の代表的な物だが、これは道路建設によって地主の利益が増大するために課税される。
従って担税力は無視される。
必然的に全て外形標準課税となる。
外形標準課税とは収益とは関係がない、ということを言っている。

4.税金にはすべて懲罰効果がある。
法人税は法人の利益の増大を懲罰する。所得税累進課税は大きな所得を懲罰する。
たばこ税や酒税はそれらの使用を懲罰する。
こうした税金の目的に加えて応益税は「公平さを会計標準課税によってさらに精密なものにする」という役割がある。
だが、現在「応益税」の課税理由は緩んでしまい、「行政サービスを回収する」と言っても、
その行政サービスが何か、説明できなくなっている。

5.消費税は「応益税」なのだが「消費者が消費物資を買う」ことにどういう行政サービスが存在するか、全く議論がない。
日本の学者官僚政治家たちは消費税が応益税である理由を説明できない。
社会保障費の財源になるから応益税だ」という学者もいるが、それなら税金全てが応益税になってしまう。
応益税と言う言葉自体が意味を成さなくなっており、名称を変更し「特別受益税」が妥当だろう。

6.政府は「税と社会保障の一体改革」ということで消費税ばかり増税の対象としている。
所得税累進課税強化が消費税より妥当と思われるが、それを消費税だけ宣伝している。
これは新自由主義者にとってはもともと消費税増税のほうに本来の目的があるからで、
「税と社会保障の一体改革」はこじつけなのだ。
お金には色が付いている訳ではないので社会保障の財源が所得税法人税増税で一向に構わない。
本当は、社会保障の基本の意味が弱者の救済なので財源は所得税の累進どの強化しか無いのだ。
社会保障の財源が受益者負担で、低所得者の税収でまかなわれるのであれば社会保障の意味はなくなる。
新自由主義累進課税を嫌い、人頭税的な税が正しいと思っている。
だが、担税力に関係ない人頭税は過去どの国でも必ず失敗してきた。
近くはサッチャー英国首相がスコットランド人頭税を導入して失敗している。
税金を取る側からすると、人頭税の方が徴収計算がしやすくて税収が安定的になるから導入したがる。
しかし、取られる側からすると、逃げ出すか暴動を起こすしかないような過酷な税なのだ。)

(要約引用終了)