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「2015年 暴走する世界経済と日本の命運」 2014/11/22
三橋貴明
アマゾンにおけるこの本の書評がよくまとまっているので転送します。
これを読めば大体内容がわかり、実際に読んだのと同じような知識が持てます。
アマゾンの書評は面白い。
勿論この本は日本の将来を見通す上で重要なので買って読んでみようと思ってます。
その時も予め骨子がわかって居るととても読みやすく早く読めます。
書評を読んで置くとそういう効果もあるからなるべく読むようにしています。

(見出し)
「内容紹介」
グローバリズムの拡散により、世界は分裂と混乱へと向かい始めた。
ウクライナ問題での新たな米ロ冷戦、欧州での反ユーロ派の台頭、イスラム国の勢力拡大、スコットランドやスペインでの独立運動、香港や台湾での反中国デモなど、各国で対立が激化。
 日本では、財政均衡主義による2014年4月の消費増税で景気はリーマン・ショック時をこえるほどの大幅後退、実質賃金は上昇するどころか下落が続いている。
 その景気対策としてまたぞろ新自由主義派が「規制緩和」を叫んでいる。しかし規制緩和も消費増税同様、日本をさらなるデフレに叩きこむ最悪の政策なのである。

 本書は消費増税による日本再デフレ化を警告してきた著者が、アメリカが拡散したグローバリズムによってアメリカ自身が没落し、世界で新たな対立を生み出した構図や、グローバリズムと対をなす新自由主義財政均衡主義が世界経済を混乱に陥れている状況をわかりやすく解説。

そして2015年に日本と世界に何が起こるのかを完全予測!
(書評を引用開始)

投稿者 リュウ 投稿日 2014/11/26

形式: 単行本
世界情勢を概観する上で、有益な書籍である。

アベノミクスの欺瞞、ロシア情勢、アメリカの一極体制の崩壊、
袋小路のEU、グローバリズムの終焉、中国情勢。

内容は非常に多岐に渡る。一般常識を敷衍した構成である。
しかし、数字とグラフを使った明快な解説により、すぐに頭に入ってしまう。
言葉の定義に対する真摯さ、数字の動きから物語が見えてしまう想像力。
この二つが、三橋氏の最も傑出した才能だと思う。

歴史の転換点と言われる昨今。
確かに、世界情勢は日に日に不安定化している。
世界各地で、様々な問題が噴出。平穏な時代は終わりを告げた。

各国の問題は一見、個別の事象に見える。
だが、問題の根底には、共通の根が存在しているのである。

その根の部分は、本書にすべて提示されている。
代表的なものは、以下の3点であろう。

1. 覇権国(アメリカ)の現実主義への移行 (覇権国の衰退)
2. グローバリズムからナショナリズムへの転換 (現象の転換)
3. パラダイムシフト(思想の転換)

注意すべきなのは、上記の1〜3は、すべて連動しているということである。
上記の事態が進行することで、世界各国に様々な問題が喚起される。
ゆっくりと静かに、波紋のように広がっていくわけである。

要するに、アメリカという覇権国の弱体化に伴い、我々は、
現象面と思想面の両面において、転換を余儀なくされるという話である。

現在のアメリカは、現実主義への移行を模索している。これは周知の事実だ。
防衛面を例にとると、アメリカの方針転換に伴い、日本は以下のような影響を受ける。

1. アメリカのオフショア・バランシングへの移行
2. アメリカの東アジアにおけるプレゼンスの縮小
3. 中国が東アジアにおける覇権獲得をしかける
4. 東アジアの秩序が不安定化。各国の自主防衛の強化が進む

これは、本書の7章で語られる「中国問題」と密接に関連している。
中国の直面している課題として、以下の2点を強調しておきたい。

a. アメリカの東アジアにおけるプレゼンスが縮小しているという好機
b. 不動産バブルの崩壊、自然環境の悪化に伴う、中国国内の情勢悪化

上記の二つのイシューに対して、同時にアプローチするため、
中国は日本との "適度な衝突" という戦略を選択したのである。
これが、一連の「尖閣諸島における中国侵攻」に関わってくる。

1. 中国国内の秩序悪化を誤魔化したい
2. 東アジアの覇権を拡大したい(日本を侵略したい)

中国が日本と「ワザとらしい衝突」を繰り返すのは、計算しつくされた戦略である。

実際に戦争が起きてしまうと中国側も困る。
したがって、ウイルスのような侵略手段をとっている。
注意すべきなのは、これは、アメリカの国益とも矛盾しない点である。
今の日本は戦略面において、中国に全面的に敗北している。

こういった情勢変化は、防衛だけではなく、国民経済にも大きな影響を与える。
将来的には政治面においても、大幅な修正を迫られることになるだろう。

現象面の変化は、思想面にも大きな影響を与える。これも忘れてはいけない。
例えば「イデオロギーに基づく理想主義的な世界観の崩壊」である。

今の40代の言論人は、旧世代に比べて、プラグマティズムに優れている。
議論は地に足がついたものであり、身近な例が多く、数字や分析が大量に引用される。
そして、上世代のイデオロギー的な思考(結論不変の議論)を軽蔑する。

すなわち、イデオロギーからプラグマティズムへの転換が起きているのである。
(ドグマティズムによる思想支配の終焉)

ここに、朝日新聞をはじめとする旧マスメディア凋落の本質がある。
朝日新聞が凋落する土壌は、すべて整っていたわけである。
そして、勘の良い人間ならすぐに分かると思うが、
この時代潮流は「戦後体制の崩壊」に直結しているのである。

本書の6章では「グローバリズムナショナリズムの対立」について描かれている。
これは現象、国益の対決というだけではなく、思想の対決でもある。
この戦いはロシアvsアメリカの対立(2章)、EU加盟国間の国益の衝突(5章)につながる話である。

グローバリズムという思想が単なるイデオロギーに過ぎない以上、
覇権国の弱体化と共に、ナショナリズムが喚起してくるのは想像に難くない。
思想の転換が、グローバリズムの崩壊を強烈に後押しするわけである。
我々は元来、祖国を愛している。これは、普通のことなのである。

そして、こういった思想の変化は、学問や政治にも決定的な変化を促す。
個人的に推測しているのは、主流派経済学の変容である。
政治に対する発言力についても、何らかの修正を迫られることになるだろう。

本書は、中野剛志氏の『世界を戦争に導くグローバリズム (集英社新書)』と同様、
現代を正しく理解する上で、有用な書籍である。
中野氏の書籍が、精密な分析を通過した理論書だとすれば、
三橋氏の書籍は概説書であり、現実主義者の提言ということになるであろう。

しかし、両者の問題意識は同一である。
その根底には「グローバリズムと現行思想の崩壊」に対する強い確信があるのである。

この書籍を読んでいる世代は、おそらく、歴史的な転換に遭遇するだろう。
それが不幸なものか、知的興奮に溢れるものか、それは分からない。
だが、日本人として、先進国の一員として、真正面から向き合っていこう。
(引用終了)

(私のコメント)
世界の現象は決して単発なバラバラなものでなく、互いに影響し合った過去から未来への流れだ。
だから何時もその流れを俯瞰して見ておくことが必要だ。
その意味でこういう高い所から現在の潮流を眺める本がとても有益だ。
上記の書評の中にあるように「戦後体制の崩壊」「ドグマティズムによる思想支配の終焉」が現在だとすれば、
ドグマの始まりは16世紀あたりから始まっている事になる。
又、宗教の影響を考えれば紀元前にもさかのぼってしまう。
その影響まで考えると切りがなくなるが、取り敢えず近くの話をすれば「戦後体制の崩壊」ということになるのだろう。
戦後体制とかドグマの終焉とか言われても何だかよくわからないが、要するに共産主義マルクス主義の崩壊の事から始まっているのだ。
マルクス主義の対抗馬は「新自由主義」で、共産主義国家崩壊後、1990年代から現在までそれが全盛を極めているのだが、
これがダメだということが分かってきた。
こんな時代に我々は生きているのだ。
なお、世界の流れの要素にはもうひとつ軍事的な側面があって上記のような経済面だけで語れない部分もある。
この三橋さんの本では経済面だけの記述のようだが、いろいろな側面から時代を見てゆく必要がある。
最後に「思想の転換」という点だが、これは案外実際社会に影響の大きいものなのだ。
上記の本では「現実主義」への転換が行われるだろう、と予測しているが、
時代が混乱した時は現実主義や実証主義的な思想に戻ってゆくのだろう。
これからどういう思想が出てくるか注意深く見てないといけないが、既存のマスゴミでは発見出来ないのではないか。
我々庶民もネットなどで広く情報を収集して次に来る時代に対応しないといけないだろう。

 

(私のコメント終)