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ブログ「実業の世界」
(見出し)
「沈みゆく大国アメリカ、オバマケアと日本の保険制度」
(孫引きでラジオの番組を紹介している。
話をしているのは堤未果と言う人です。
この人は「沈みゆく大国アメリカ」という本を書いている。
この人の本は3冊読んでいるが、大変面白い。
そこで、このラジオ放送の内容をテキスト化してみた。
でも、文字ではわからないと思うので、なるべく放送を聞いて欲しい。)
(引用開始)
***(前略)
現在のアメリカは次の2つに要約される。
1.国全体が株式会社化する状況。
2.その株式会社が寡占化して全体の1%の支配が強まる。
株主が独占的に儲かる形で会社が運営され、独占的に発展している。
株主のために、雇用は安いコストのアルバイトしか雇わない。
株主や会社幹部は超高額の収入、従業員は派遣社員や非正規雇用で限りなく貧困化する。
株主は更に儲けようとして、儲かるように国の法律を変えようとする。
その為、政党や議員に献金して政治を動かす。
マスコミもカネで支配し、世論を都合のいいように動かす。
そうすると、国全体が株式会社のように成り、会社の下に国があるような形になって、ごく少数の資本家の支配下となる。
小数の資本家で構成される1%が頂点にたつぴラミッド型の国が出来上がる。
組合は解体され、今まで国を支えていた中流階級が下の落ちて消えてゆく。
中流層が中抜けして貧困層が増加している。
こういう状態なのに、新しく施工されたオバマケアがこれを加速させている。
但し、日本の国民皆保険とは基本的なところが違う。
日本は社会保険で国が取扱っているが、アメリカは商品として会社が保険を売っている。
商品としての保険と日本のような社会保障としての保険制度とは全く違う。
アメリカは教育や農業、食料、刑務所など本来商品化してはいけないものを次々に商品化してきた。
ウォール街の金融資本家がその商品で大儲けするパターンが次々と起きている。
医療も金儲けの対象にしている。
健康保険が商品だとどう違うか。
各人の保険がどの程度医療をカバーしてくれるかそれぞれみな違う。
医者は治療の前にどんな保険に入っているか聞いて、それにそって治療しないといけない。
そうしないと医者の自己負担になってしまう。
原則は保険でカバーしない分は患者の自己負担だが患者が拒否すればもらえない。
会社は治療内容をチェックしてなるべく治療費を値切るので良い治療もできず、会社との交渉で疲れてしまう。
医者にしわ寄せが来て医者が廃業するようになり、それが問題になっている。
保険が商品で第一に株主が儲かることが前提だから、保険料はとても高い。
安いのもあるが、それはカバーする病気が少ない。
具体的にアメリカでの大都市では盲腸炎で200万円くらい掛かる。
それでちょっと重い病気になると、破産してしまう。
親や子供がガンになったりすると悲惨な状態に陥る。
オバマは「病気で破産するような人のいる国ではいけない」
と改革を約束して大統領になった。
2010年にオバマケア国民皆保険法律が成立した。
保険を買って加入しないと罰金を取られる。
オバマケアは良い制度を取り入れた。
今までは病気の人は保険に入れなかったが病気でも保険に入れるようになった。
ガンでもエイズでも保険会社は断れない。
また、収入が低い人は政府が補助を出して加入させることにした。
さらに、保険会社が支払う医療費には上限があったがそれを撤廃した。
逆に加入者が支払う自己負担分には上限を儲けた。
このように触れ込みが良かったので民主党左派を中心に絶賛された。
共和党は反対したが、反対理由は内容のことでなく、
そもそも特定の商品を強制的に買わせる事は自由の原則に反する、と言う趣旨だった。
ところが、保険会社は株式会社だから上記のような良いこと尽くめでは儲からない。
そこで、保険会社は保険料は倍額となった。
また、薬が定額だったのだがそれが撤廃された。
薬の値段が極端にあがり、薬だけは自己負担にして会社負担から外した。
貧しい人は国が保険料を支払ってくれるから皆喜んでいた。
だが、貧しい人を医者が見ると財源がないなどと言って6割くらいしか払ってもらえない。
医者にしわ寄せが来てしまい、医者が貧しい人の治療を拒否し始めた。
つまり、保険証は配ったが実際に治療してくれる医者がいない状態になった。
だが、保険会社は今まで無保険だった何千万人という貧しい人たちが保険に加入し、
国が保険料を支払ってくれるので大儲けで会社の株価はうなぎのぼりだ。
また、薬の値段も青天井になったので製薬会社の株も上昇した。
こうして、オバマケアは1%の支配層をますます潤す結果となった。
国民の大多数の中流の人はどうなったか。
保険料は倍になったので、その負担からますますワーキングプアが増えた。
つまり、中流階級から貧困層に転落してしまった。
オバマケアは保険会社と製薬会社を大儲けさせ、中流国民は貧困層になり、貧困層は治療を受けられず、
医者はどんどん廃業してゆく結果となった。
なんでこのようになったかといえば、オバマ政権に保険会社の重役が入り込み、この制度を作ったからだ。
アメリカは政府に会社の重役が政策立案者として入り込む制度がある。
これを「回転ドア」という。
議会に対する信頼感は10%しか無い。
政治不信がアメリカ人の間に蔓延している。
1%の資本家は民主党と共和党両方に献金してどちらが政権をとっても影響力があるようにしている。
国民は選挙によって世の中を変えることは出来ないのだ。
1%のアメリカ人の資本家はグローバル化しているから次のターゲットは日本になる。
日本は保険が発達しているから市場としては非常に魅力的だ。
日本の有識者会議の議事録を見れば「自己負担を6割にすべき」などと発言している。
発言者はアメリカ人の保険会社の人だ。
テレビの情報は完全に支配されているから見ていると洗脳されてしまう。
パソコンもそのまま見ないで検索することが重要。
本を読んでもいい。
ポイントは法律が改正されることなので、衆議院や参議院の法改正をチェックする。
地元の国会議員に質問するなどして圧力を掛ける。
国会議員は少ないので手が回らず、知らないことが多い。
(以下省略)