本の紹介
「東大首席弁護士7回読む勉強法」

著者は山口真由さんという女性。
2006年3月に東大法学部を主席卒業、在学中に司法試験と公務員試験に合格、財務省に就職した。
勉強のチャンピオンだが、その目玉の勉強法とはテキストとなる本を7回読む、というやりかただ。
我々凡人にも参考になるだろう。


本の目次
・はじめに

第一章「頭がいい人がしていること」

第二章私の勉強ヒストリー1

第三章私の勉強ヒストリー2

第四章誰でもできる「七回読み勉強法」とは

第五章努力とやる気を持続させるメンタルコントロール

第六章なぜ学ぶ、何を目指す、自分と向き合うと見えるもの

(要約引用開始)

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第一章「頭がいい人がしていること」まとめ

*勉強は楽しいものではない。楽しくないからこそ勉強法と工夫が必要だ。
頭の良い人になれる最良の手段は勉強法を身に付け、それを繰り返す。

*目的目標には「根拠なき自信」が不可欠。
自分に自信を持つためには、失敗した時の対応が重要だ。
失敗した時のダメージコントロールをしっかりやってポジティブシンキングにもっていく。
失敗したときは「私って駄目な人間」というような、本質的な価値を下げるかのような考え方は一切しない。
マクロ的に本質的な自分については自信を持って、ミクロ的な具体的事例は反省して次に備える。
ただし、「履き違えた自信」「傲慢な自信」はよくない。

第二章私の勉強ヒストリー1
第三章私の勉強ヒストリー2

(この部分は著者の生い立ちからの経歴なので簡単に)

 

著者がポイントとして挙げているものを列記する。

1.勉強するにはモチベーションが必要だ。
自分より少し上の到達可能なライバルを設定して追いかけると良いモチベーションになる。

2.人生は辛いことがあるから楽しいので、苦もなく楽もない「ぬるま湯」人生なんてつまらない。

3.息抜きや友人との付き合いは基準を設けて行い、罪悪感を持たないようにする。

4.勉強hは「目的合理的」に行動する。
「目的合理的」とはマックス・ヴェーバーが提唱した概念で、ある目的を目指して最適な手段をとること。
これと対局にあるのが「価値合理性」結果がどうあろうと自分の信じる正義や信念などに準じて行動すること。
自分の今やっている勉強は「目的合理的」かどうか何時もチェックする。


第四章誰でもできる「七回読み勉強法」とは

7回読みは試験勉強や知識を身につけたいとき役立つ。
この方法のメリットは

1.一回一回が流し読みなので特に集中力は必要ない。
2.読むことは書いたり、聞いたりするよりインプットのスピードがはやい。
3.何時でもどこでも出来る。

7回読み勉強法は物事を理解するプロセスに沿っているので良い方法なのだ。
物事を理解するにはそれを知っていないとダメ。
実は「知らないことは理解できない」ものだから、本を最初からわかろうとして読んでも無理。

物事を理解するプロセスは「認知」→「理解」と言う順におこなわれる。
例えば初対面の人はまず相手を大雑把に認知して初めて個性を理解する作業に入る。
全体像から認知してソコから細部を理解してゆくのが自然なやり方なのだ。

具体的な7回読みの方法箇条書き、

1.一回分の目安としては300ページの本を1回30分から1時間でサラサラ読みする。
2.一冊をなるべく一気にまとめて読む。
3.速読でも無く普通に読むのでもなく、流し読みする。

4.7回読みの各回の間隔はそれほど時間をかけずに繰り返すと良い。
一日以内に7回繰り返せれば理想的。
一日一回一週間で読み終わるペースでもよい。

5.気負わずにやることが大切。
精神を集中してやる必要はない。
かえって苦しくなって逆効果だ。

6.七回読みは一冊の基本書を反復するので、基本書の選択が重要だ。
どの科目について「網羅性」が充分なことが必須の条件だ。
自分との相性も大切。

7.読んでいる時、重要ポイントを抑えようとか、読み方に濃淡を付ける必要はない。

8.頭の中に白紙のノートがあるとイメージする。
そのノートに目の前の本を丸ごと写しとることを目標にする。

9.各回のプロセスは次の通り。

9-1.一回目の読みは特に見出しを中心に。全体像を大まかに感じ取る。

9-2.二回目の読みは見出しが頭に入った形で流し読みする。全体の構成がわかる。

9-3.三回目も二回目と同じ繰り返しで、全体構成のぼんやりしたものを明確にしてゆく。

9-4.四回目は文章の中のキーワード(頻出用語)を意識して読む。

9-5.五回目はキーワードとキーワードをつなぐ文章に注意して読む。

9-6.六回目は答え合わせの感覚で今まで5回読んだキーワードの意味や関係を確かめながら読む。

9-7.七回目は頭の中のノートに大体本が写し込まれていると考えてそれを鮮明にしてゆく。

9-8.一回目から三回目は全体像の把握、四回目から五回目はキーワードの把握、
六回目と七回目はキーワードをつないで内容を把握する。

10.書くことは六回目以降の全体把握からキーワードの説明以降に組み合わせて行うと良い。
頭に入れた知識をアウトプットする練習も必要だ。

 

第五章努力とやる気を持続させるメンタルコントロール

誰でも勉強は辛い(つらい)から、それを上手なメンタルコントロールで最小限に抑える。

(内容を箇条書きする。)

1.勉強を始める時は当然つらいから抵抗がある。
この抵抗は「形だけ勉強」(机に向かって本を開く)で兎に角始めることで抵抗を乗り越える。
カタチから入るのはとても大切で効果がある。
勉強しなくちゃ、という罪悪感はマイナス感情で、ことさら勉強が嫌なものになってしまう。
2.程よいプレッシャーを自分にかけることは必要だ。あくまで程よい程度に留める。
3.細かく計画をたてるのは良くない。
なぜなら、計画建てるのに時間がかかること、建てた計画が守られることはないこと。
立てた計画が守られ無いと罪悪感が発生するが、罪悪感は絶対避けるべきだ。
予定通り行うのは以外に大変で、予想外の事が起きることもあるし案外むずかしい。。
スケジュール管理はやって当然だから自分を誉める事ができない。
勉強に不可欠な成功体験の積み重ねが出来ない。
逆に出来なければ減点で罪悪感からマイナスの成功体験を積み重ねることになる。
減点評価法だから止めたほうがいい。

(今日はここから)
4.細かい計画を建てない代わりに大雑把な次の試験までにここまでやる、という風に決める。
なるべく外部の締め切りなどにリンクさせると達成出来やすい。
5.勉強で細かい計画を建てない代わりに毎日の生活上のルールは細かく決める。
朝は6時に起きる、テレビは一日30分以内、等具体的定量的に決める。
大事なのはルールに抜け道を作っておくこと。
ある程度余裕をもたせたほうが守られやすい。
目標は勉強もそうだが自分で守ることが出来る、少し頑張れば出来る程度にする。
決めたルールが守れなくても「その代わり息抜きができた」とポジティブに捉えて罪悪感を持たないこと。
これから出来る事のほうが大事だ。
6.人間の集中力はそんなに長く続かない。15分位からいろいろ説があるが短いものだ。
人間はそんなに長い時間集中して勉強できない。
集中出来なくなった時どうするか、大方の人は休みを取るが、私の場合は兎に角続けることにしている。
集中出来ない時は或る器官を使い続ける時が多い。
例えば目などを使い続ける。そこで目が疲れたら耳にシフトする。
場所を変えたり、教科を変えたりするのもよい。
最後の気分転換はごはんを食べるとか、風呂にはいるとかどうせやらなくちゃなんないことをやる。
7.目標は勉強のモチベーションの為に最も重要だ。
目標は出来るだけ具体的に決める必要がある。
モチベーションを上げるには周囲の人々の祝福や賞賛がとてもおおきなパワーを持つ。
この力を借りることが重要だ。
但し、目標は少し頑張れば出来るものに限ること。

第六章なぜ学ぶ、何を目指す、自分と向き合うと見えるもの

いくら勉強しても必要でない知識は忘れていく。
過去の知識を維持することに拘る必要はない。
それより現在注力す分野でどんどん勉強して新しい知識を取り込んでゆく。
未知のものは怖いが知っていることは怖くない。
未知と既知の間を越えるものが勉強だ。
勉強のやり方を知っていれば怖いものはない。
勉強は小さくても前を向く力を与えてくれる。
勉強の力は明日の自分を求めて自分を前へ進めてくれる力だ。

 


(要約引用終了)

 

(本の紹介は今回で終了)