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1606-11-967-6/16メルマガブログ転送英国EU離脱国民投票

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2016年04月20日(水) 笠原敏彦 現実味を帯びるイギリス「EU離脱」という悪夢のシナリオ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48655
2016年05月16日(月) 笠原敏彦 EU離脱残留か、近づく審判の日
〜イギリスはなぜ「自傷行為」に向かうのか?
(私のコメント)
歴史は今、転換点ですね。
観察者としては何かわくわくする。
ただし、歴史というものはいつも転換点だ、という。
転換するカーブが緩いかきついか、の違いだろう。
このカーブがどの程度か、ということは後にならないとわからないのだが、今回の英国の国民投票の結果は相当大きい。
もし英国のEU離脱が決まったら100年か又は数百年に一回の転換だろう。
簡単に言えば、グローバリズムからナショナリズムへの転換だ。
別の観点から見れば、金儲け主義から金以外の価値観幸せへの転換だ。
江戸の庶民は貧しいが清潔で生き生きと楽しそうだ、というのが外国旅行者の観察だった。
英国の庶民もこのような幸せの方が良いと気付き始めたんじゃないか。

金儲けというのはそれはそれでよいのだが、欠点はマクロ的に社会の格差をもたらすことだ。
転換点に来た分かれ道の行先は格差のある社会がいいか、格差のない社会がいいか、という選択肢も背景にあるだろう。
実は、格差のない社会というのは究極的には共産主義が目指したものだ。
そして、私有財産の禁止などという極端に走ったから共産主義はつぶれ、それは良くない、自由社会がいいんだ、ということになった。
だが、更にその自由社会は弱肉強食の格差社会とそれに伴う道徳的頽廃と腐敗で、今行き詰まりを見せている。
英国のEU離脱の投票はその行き詰まりを打開する方向を示すものだ。
このブログでは英国の庶民がこういう投票をするに至った理由を東欧からの移民がネイティブなイギリス人の生活を脅かしているから、という。
我々から見ると、東欧の白人もイギリス人も同じ白人だが、彼らからすると相当違うらしい。
文化が違う、というのは日本人と朝鮮人の違いと同じで、相当大きな違いを社会にもたらすようだ。
アメリカも東欧移民が1900年代に入ってから沢山入ってきて、相当軋轢をもたらしたようだ。
アメリカで蔓延した日本人排斥も、下層階級に甘んじる白人の新移民がこの国は俺たち白人の国だ、という考えから起こしたものだ。
今、イギリス人も自分たちの文化が破壊され、格差と腐敗の広がる社会に耐えられなくなってきたのだろう。

(私のコメント終)

 

(要約して引用開始)

2016年04月20日(水) 笠原敏彦 現実味を帯びるイギリス「EU離脱」という悪夢のシナリオ

 

(前略)
イギリスは6月23日、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を行う。
(中略)
本稿では、国民の怒りの背景にあるイギリス版「政治とカネ」の実情とともに、パナマ文書が浮き彫りにするイギリスの「後ろめたさ」について論じたい。

(中略)

しかし、国民感情は全く別の話だ。イギリスでは近年、カネにまつわる醜聞で政治家への信頼が地に落ちている。
(中略)
そして、国民を唖然とさせたのが、2009年に発覚した国会議員ほぼ総ぐるみの「経費流用スキャンダル」である。

イギリスでは元来、国会議員富裕層が奉仕的に行ってきたという経緯があり、政治家の不正や汚職は少なかった。上院議員には現在も報酬はなく、必要経費が支払われるだけである。それだけに、このスキャンダルがイギリス国民に与えた衝撃は大きかった。その嘆きを端的に示したのは、エコノミスト誌の次の表現だろう。

「過去1世紀、イギリスは多くのものを失った。帝国、軍事力、経済的なリーダーシップ。それでも、我々は世界で最善の議会を持っていると考えていた。だから、スキャンダルは大きなショックだった」
(中略)

リーマンショック前は、庶民にとってタックスヘイブンは耳にはしても、別世界のことだったはずだ。しかし、欧米を中心に、ギャンブルのような金融取引で破綻した銀行は税金で救済され、そのツケは、増税社会福祉削減などで庶民に回わされた。イギリスでは、キャメロン政権が2011年に日本の消費税に当たるVAT(付加価値税)を17・5%から20%に増税していたという経緯もある。

国民の課税逃れへの目が厳しくなり、富裕な政治家、エリート層、大企業にとっては都合の良い面もあったタックスヘイブンを放置できなくなったのである。

(中略)

国民投票とはあまり関係ないが、パナマ文書で露わになったイギリスの「後ろめたさ」についても触れておきたい。

(中略)
海外領土というのは、旧植民地の中で独立を望まず、今もイギリス国王の代理人である「総督」が国家元首を務める地域である。とは言っても、総督の役割は儀礼的なものであり、海外領土は自治を行っている。イギリスは「管理」するという立場だ。

イギリスはまた、マン島ジャージー島などの王族領を持つ。王族領も自治は行うが、外交・防衛はイギリスに依存している。

これら海外領土や王族領の多くがタックスヘイブンなのである。

ロンドンのシティは、米ニューヨークのウォールストリートと並ぶ世界の二大金融センターであり、シティには約250の外国銀行が拠点を構える。シティの国際的地位の高さは、このタックスヘイブンを含む海外金融ネットワーク網と決して無関係ではないだろう。

(中略)
国際通貨基金IMF)は12日に発表した世界経済見通しで、イギリスのEU離脱は「欧州と世界に深刻なダメージを与える」と警告している。フランスの有力紙ルモンドは「世界の目にはイギリスの離脱はEUの終わりと映るだろう」とまで書いているという。

(中略)
それでは、キャメロン首相はなぜ、この危険な国民投票を実施せざるを得ないのか。その背景と意味、結果が欧州、世界に与える影響については次稿で取り上げたい。

(引用終)
(要約意訳して引用開始)
2016年05月16日(月) 笠原敏彦 EU離脱残留か、近づく審判の日

イギリスで6月23日に行われる欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の動向が世界の一大関心事となっている。

国際政治、経済合理性の視点で判断すれば、イギリスがEUを離脱することは「自傷行為」のように思える。それでも、フィナンシャル・タイムズ紙が5月8日時点でまとめた各種世論調査の平均値は残留支持が46%、離脱支持が43%と拮抗している。
(中略)

離脱の結果が出た場合、フランスやイタリア、オランダなど他のEU加盟国でも国民投票実施のドミノ現象が起きかねない。そうなれば、アメリカのパートナーとして戦後の自由主義体制を支えてきた欧州の国際社会での影響力は一層低下し、世界のパワーバランスは中露などリビジョニスト(現状変革)国家が望む方向へ傾くことになるだろう。

今回の国民投票は、イギリスがEUに残るのか去るのかという次元の問題に止まらず、その結果に懸かる命運はかくも大きいのである。

ここで一つの疑問が沸くのではないだろうか。

キャメロン首相はそもそも、なぜこの危険な国民投票に打って出る必要があったのかということだ。

キャメロン首相を国民投票に向かわせた背景を簡潔に説明するなら、それは、イギリスが良くも悪くも、欧州の「異端国家」だと言うことである。

前回の拙稿「現実味を帯びるイギリスの『EU離脱』という悪夢のシナリオ」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48471)では、タックスヘイブン租税回避地)の利用実態を暴露したパナマ文書でキャメロン首相の課税逃れ疑惑が浮上したことが離脱派に追い風となっていることを指摘した。国民の政治家不信を増幅させ、残留派の「顔」であるキャメロン首相の信頼を大きく低下させたからである。

イギリスの事情を国際潮流に位置づけるなら、アメリカ大統領選でも顕著な「孤立主義」「脱グローバリズム」「反エリート主義」と通底するものがある。

余談ではあるが、市場主義経済の普及により世界のグローバル化を牽引してきた米英両国、二つの“アングロサクソン国家”で政治・社会潮流が共鳴しているのは興味深い。コントロール不能になったグローバル化の激流が逆流し、その家元である両国の国家基盤を揺さぶっているという構図のように思えてならないからだ。

キャメロン首相が国民投票を約束したのは2013年1月だった。

当時はユーロ危機と移民急増により、イギリス国内の反大陸欧州感情に火が付いたときだ。与党・保守党の欧州懐疑派はEU離脱国民投票を求める動議を提出し、EU離脱と反移民を掲げる右翼政党「英国独立党(UKIP)」が党勢を拡大していた。

少々説明が必要なのは、イギリスにとっての移民・難民問題の核心とは、昨年欧州で噴出したシリア難民を中心とした難民危機とは別ものであるということだ。イギリスにとってより深刻なのは、EUが2000年代に入って中東欧へ拡大しことに伴って急増したEU域内からの「欧州移民」なのである。

ポーランドルーマニアなどEU域内からイギリスへの移民は、2004年~2015年までの11年間で100万人から300万人へと3倍に増えた。

EUには国境を越えた自由移動の原則があるから、イギリスはこうした欧州移民を制限することができない。そして、欧州移民は自国民と平等に扱う義務がある。だから、移民と雇用や公共住宅の確保などで競合する労働者、低所得者階層を中心に、イギリスでは急速に反EU感情が高まってきたのである。

キャメロン首相は2010年の政権発足時に移民の規模を「年間数万人」に押さえると約束したが、昨年の純移民増は36万人にも及ぶ。桁外れの公約違反である。

欧州移民の急増は、反EU派のイギリス国民にとって、国境管理という主権をEUに移譲したことに伴う「国家の無力さ」「将来への不安」を身近に感じさせる事態なのである。
とは言っても、これは反EU感情を引き起こしている現象面のエピソードに過ぎない。イギリスの対欧州関係を考える際、より重要なのは、イギリスと大陸欧州を分断する精神的なフォルトライン(断層線)の深さである。

やや誇張すれば、イギリス人にとって大陸欧州とは歴史的に悪いニュースがやってくる震源であり続けてきた。20世紀を振り返るだけでも、二つの世界大戦、全体主義共産主義という巨大な脅威にさらされ続けた。国民的な「負の記憶」はどこの国でも中々消えないものである。

(中略)

イギリスと大陸欧州の溝はかくも深い。そして、党内に多くの欧州懐疑派を抱える保守党にとってEU問題は、その対応を誤れば党の分裂を呼びかねないアキレス腱であり続けてきた。

実際、サッチャー首相もメージャー首相も欧州問題への対応が引き金となり、首相の座を追われている。

キャメロン首相の国民投票実施の決断には、事態がコントロール不能になる前に反欧州感情のガス抜きを図り、保守党内の欧州懐疑派と国内ポピュリズムの増殖の芽を摘むという狙いがあったのである。

その判断には、EU残留か離脱かという大きな問題は国民投票などで明確に決着を付けなければ、問題が尾を引き続け、イギリスを不安定化させるという強い懸念があったはずだ。

そして、当時の首相には国民投票を無難に乗り切れるという皮算用があった。イギリスは1975年にEC離脱の是非を問う国民投票を実施しているが、この時は残留支持が67%だったという結果も残っている。

しかし、キャメロン首相のシナリオは大きく狂うことになる。その一因は、約100万人ものシリア難民らが欧州に押し寄せた昨年の難民危機と、過激組織「イスラム国(IS)」に関与するホームグローン(欧州生まれ)テロリストによるパリとブリュセルでの大規模なテロである。

これらの出来事は、「開かれた国境」という理想を掲げるEUの危機対処能力、統治能力の低さを白日の下にさらけ出した。その影響で、イギリスを含む欧州各国でポピュリズム政党の伸張に拍車がかかっていることはご承知の通りである。

近年、「民主主義の赤字」という言葉を耳にするが、その最たるものがEUの統治機構である。超国家組織であるEUでは、選挙の洗礼を受けていない官僚が巨大な権限を握り、政策やルールを決めている。イギリスのみならず加盟各国で以前から、非民主的なEUへの反発が強まっていたのが実情である。

現在のEUの混迷は、「民主主義の赤字」に有効な改善策を取ってこなかったことのつけだとも言えるだろう。


(中略)

世界第5位の経済規模を持ち、欧州最大の軍事力を持つイギリスが実際にEUを離脱した場合の影響については様々な警告がなされている。

経済開発協力機構(OECD)は、イギリスの2020年の国民総生産(GDP)は3.3%減少するという試算を打ち出している。イギリスの大手企業の経営者ら200人は連
名で「離脱はイギリスへの投資を妨げ、雇用を脅かす」と訴えている。国際通貨基金IMF)は「欧州と世界の経済に深刻なダメージを与える」と警告している。イギリスに進出する日本企業は1000社に上るといい、そこへの影響も必至だろう。

さらに、2014年に独立の是非を問う住民投票を行ったスコットランドで再び独立機運が盛り上がるかもしれない。

EU側からも「イギリスなしではEUはより官僚的になり、欧州の安全保障も不安定になる」(ショイブレ独外相)という不安の声が漏れる。EUの市場経済化を推進してきたイギリスが抜ければ、EUの経済政策はより保守的になるだろう。

国民投票は、戦後70年の欧州の歩みを問うものでもある。


(後略)

 (引用終了)