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 『三橋貴明の「新」日本経済新聞

     2016/11/2

「ニューヨークから生放送、サタデー・ナイト!!」
From 佐藤健志

 

(見出し)
「ニューヨークから生放送、サタデー・ナイト!!」
From 佐藤健志


2016年アメリカ大統領選挙も、
いよいよ11月8日の投票日が近づいてきました。


(私のコメント)
記事の中の下記は重要だ。
チャップリンの名言「悲劇はクローズアップ、喜劇はロングショット」
ではありませんが、笑いとは〈距離を置いて客観的に物事を眺める〉
ところから生まれるもの。」

笑いという感情の対局は怒りとか泣く、とか言うことになるが、それはクローズアップによって生まれる、ということだ。
何かにこだわって集中すると怒りとか嘆きにつながるが、客観的に見たり、離れてみれば、滑稽な感じが生まれる。
「上機嫌の練習」とは、自己客観視の練習でもある。
自分が今何を考えているか、チェック出来るように日ごろから練習することでもある。

今、トランプは急速に追い上げていて、大統領選挙の勝敗は混沌としているようだ。
この原因はヒラリーの私用メール問題をFBIが再調査する、と発表したからだという。
FBI長官は保身のために早々にこの問題を取り上げないことにしたのだが、部下の職員が反乱を起こして、突き上げたらしい。
部下の調査官たちは、国防省のインテリジェンスともつながっており、彼らはヒラリーが非常に汚い人間であることを良く知っている、という。
そこで、あんな人間が軍のトップに付いたら大変だ、という危機感を持っている。
それが、今度の再調査の発端の話なのだそうだ。
私用メールというのは、我々はどうして悪いのか、ぴんと来ないが、アメリカではそうでないようだ。
政府の幹部のメールや電話は全て公式に記録されており、私用メールを使って、つまり記録に残らない行動や発言は禁止されているらしい。
但し、それは原則論でかなり私用メールも使われている様だが、ヒラリーの場合はその内容がひどいものだったらしい。
それを発表すると、アメリカの国益を損なうので陸軍もFBIも知っていながら黙っているしかないので、現場はかなり怒っている。
そんな事が今度のFBI再調査の背景としてあるようだ。
副島という評論家は私的メールの内容を次のように言っている。
「ヒラリーが国務長官時代に、リビアカダフィーを革命で倒したが、その時カダフィーの持っていた武器弾薬をシリアの
反政府勢力であるISに100億ドル(一兆円)以上密かに横流しした。
今、反テロ戦争と言ってアメリカはISを空爆しているが、それを作ったのは実はアメリカだったのだ。
なぜ、そんなことをするかというと、ヒラリーは軍需産業から多額の献金をもらっているからだという。
つまり、敵を作ることによって軍需産業は敵味方双方に武器を売りつけられるので、敵が居ないと困るのだ。」

こういう汚いかねの亡者のようなしたたかな女がヒラリーの実像なのだ。
また、シナからも多額のカネをもらっているが、この事実を指摘されても平気の平左で、「もらったが、それが何か…」で押し通した。
これらから推定するとインテリジェンス(情報機関)が握る情報はかなり汚いものだろう。

下記の記事によれば、ヒラリーは自分のパロディーに笑い転げ、トランプは怒ったそうだ。
ヒラリーはしたたかな政治家だから、自己客観視が出来、こういう場合の最適な行動はどういうものか知っており、怒りという感情を押さえて行動ができる。
だが、それはあまりに優等生過ぎて鼻につくのだ。
怒るべき時は怒った方が良い。
トランプは自分に気に入らないパロディーなら単純に怒る。
人は相手が分かりやすい方が親しみが持てるし、安心できる。
落語で言えば、八五郎のような単純な方が面白いし、ヒラリー的人間はあまり落語に出てこない。
出てくれば、大工調べや唐茄子屋政談に出てくる大家のような悪役だろう。
ヒラリーは何をするか分からない、陰で何をやっているか分からない、信頼したらケツの毛まで抜かれそうだ。
トランプは粗野だが、単純で分かりやすい、とすればどちらを選ぶか
アメリカ国民はこういう優等生タイプでかつカネに汚い政治家にうんざりしているのではないか。

(私のコメント終)

 

(引用開始)
2016年アメリカ大統領選挙も、
いよいよ11月8日の投票日が近づいてきました。
ご存じの通り、大統領選のハイライトの
一つとなるのが候補者同士の公開討論会
今年は9月26日(現地時間。以下同じ)に1回目、
10月9日に2回目、
そして10月19日に3回目が行われました。

このほか10月4日には、
副大統領候補同士の討論会も行われています。

大統領候補の討論会については、ネットですべて見ましたが・・・
何というか、討論ではなく非難合戦ですね、これは。
まあ、一方の候補ドナルド・トランプですから、
ある程度は予想されたことだったものの、
ヒラリー・クリントンも回を追うごとに、
相手をこきおろすようになりました。

3回目にいたっては両者そろって、
司会者クリス・ワラスが問いかける論点をほとんど無視、
ひたすら自分に都合のいい主張か、
でなければ悪口をぶちまくるありさま。

ロシアがトランプ有利になるよう、
選挙に介入しているのではないかという話題になったときなど、
プーチンがあんたのことを評価するのは、
要するに操り人形がほしいからよ!!」(クリントン
「何言ってやがる、操り人形はおまえだ!!」(トランプ)
と、まるで小学生レベルのやりとりが展開されています。

かと思えば、トランプがやたらに鼻をすすることをめぐり、
コカインの副作用ではないのか?
なんてウワサが立つ始末。
常用者にありがちなことなのだそうです。

断っておけば、証拠はありませんよ。
トランプ本人は、「自分は酒も飲まないし、
非合法の薬物にも手を出さない」旨を繰り返し発言しています。

けれども、みずから薬物を乱用した経験がある
女優のキャリー・フィッシャー
(「スター・ウォーズ」シリーズのレイア姫を演じた人です)は、
「コカインのエキスパートとして断言するけど、絶対に副作用よ!」
とツイート!
https://mobile.twitter.com/carrieffisher/status/785298817860198400

しかもこれを、有力政治系サイト「THE HILL」が
記事として取り上げたりするんですね。
http://thehill.com/blogs/in-the-know/in-the-know/300287-carrie-fisher-trumps-sniffles-absolutely-from-cocaine

・・・これが世界的な超大国における指導者選びの内実とは。

アメリカのメディアに登場したコメンテーターたちが
「もはやこれはシュール」
「過去に例がないほど見苦しい討論会」
などと口々に語ったのも、無理からぬことと言わねばなりません。

そんな中、本物の討論会と同じくらい話題を集めているのが、
同国のお笑いバラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ
(略称SNL)におけるパロディコント。
SNLと言えば、オープニングのフレーズ
「ニューヨークから生放送、サタデー・ナイト!」で有名ですが、
ごていねいなことに、3回の討論会をすべてネタにしました。
1回目 https://www.youtube.com/watch?v=qO5YUQRDW2w&t=18s
2回目 https://www.youtube.com/watch?v=B7N5uGerUjQ
3回目 https://www.youtube.com/watch?v=bVLSR2-2Ipo&t=301s

女優のケイト・マッキノンがヒラリー・クリントンを、
そして男優のアレック・ボールドウィンドナルド・トランプを、
それぞれ演じているのですが・・・

素晴らしい。
まさしく抱腹絶倒。
とくにボールドウィンのトランプは絶品です。

あまりに出来がいいため、CNNニュースが
ドナルド・トランプ VS ドナルド・トランプ」と銘打ち、
実際の討論会とSNLパロディ版を比較したほど。
https://www.youtube.com/watch?v=7AKWh2jdJdo&feature=youtu.be

他のメディアでも
「100点満点」(ビジネス・インサイダー)
「完璧」(ローリング・ストーン)
「みごとにサカナにした」(USAトゥデイ)
と絶賛されました。

ヒラリー・クリントン本人まで、
1回目のパロディコントを見て以下のようにコメント!

アレック・ボールドウィンには感嘆したわ。
トランプをストーカーして、仕草をすべて
学んだんじゃないかと思った。(中略)
次の討論会で、彼とトランプのどっちが
出てくるか分からなくなるくらいね。
https://www.youtube.com/watch?v=hC0i8ZkONa0&feature=youtu.be

ヒラリーに扮したケイト・マッキノンの演技は、
「自己中心的で尊大な女」というクリントンのイメージを
戯画的に強調しているのですが、
これについても気にしていないようです。

いわく。

ケイト・マッキノンが杖をついて登場した(※)のを見たとたん、
あまり傑作なんで椅子から転げ落ちそうになったの。
彼女は、ただ私を演じているだけで、もう十分に笑えるのよ!
ホントにおかしいんだから! とはいえ今回は完全に脱帽。
(※)ヒラリーの健康不安説をネタにしたギャグです。

それどころかヒラリー・クリントン、SNLでマッキノンと共演し、
ついでにトランプの物真似まで披露したことがあるのですぞ!

2015年10月に放送されたコント
ヒラリー・クリントン、バーで大いに語る」がそれ。
https://www.youtube.com/watch?v=6Jh2n5ki0KE

ドナルド・トランプの人気が高まる中、
落ち込んだヒラリー(マッキノン)がバーでクダを巻いている。
で、「ヴァル」という名のバーテンが話し相手になるのですが、
これが本物のヒラリー・クリントン!!

そして、3分前後にこのギャグが来る。
ケイト・マッキノンのヒラリーがこう切り出すのです。

あたし、メチャめげてるのよね。
みんなドナルド・トランプの話ばかりしたがるんだもん。

するとヒラリー・クリントンのバーテンが答える。

ドナルド・トランプ? 
それって、いつも人の悪口ばかり言ってるヤツでしょう?
「(声色と仕草を真似て)ケッ、おめえらみんな負け組だぜ!」

これがけっこう上手い!!
マッキノン、バーの椅子から転げ落ちそうになりつつ、
「そっくり! そっくり!!」と喜んでいました。
そして話はこう続く。

バーテンのヴァル(ヒラリー・クリントン):
あんなのが予備選に勝てるの?
ヒラリー(ケイト・マッキノン):
勝ってくれなきゃ困るのよ。あいつはあたしが倒したいの。
叩きのめして、戦利品がわりにあの髪の毛(※)を、
ホワイトハウスの執務室に飾ってやるーーーーーっ!!!!!
(※)あれはカツラだと聞いています。

いやはや、やるもんじゃありませんか。
他方ドナルド・トランプは、
2回目の討論会パロディが放送されたあと、
次のようにツイートしました。

SNLの中傷コントを見た。
こんな退屈で笑えない番組なんかやめちまえ。
アレック・ボールドウィンの演技は最低としか言いようがない。
オレを落選させようとするメディアの陰謀だ!
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/787612552654155776?ref_src=twsrc%5Etfw

ボールドウィン、これをしっかりリツイートしたそうですが・・・

じつはトランプも、SNLに何度も出演しています。
あまつさえ、
「この番組に出るのは格別だよ。素晴らしい名誉だ」
と発言したことまであったりする!

で、またもや登場するのがCNNニュース。
SNLをめぐるトランプのツイートについて紹介したあと、
こんな指摘を行ったのです。

トランプは人に頭を下げることが絶対にできない男ですが、
その他にも、ほとんどできないことがあるようです。
彼が笑ったのを見たおぼえがありますか?
今回の選挙戦をめぐる映像を調べてみたものの、
笑っている様子は一つか二つしか見つけられませんでした。
https://www.youtube.com/watch?v=U8yhqE5l42k&feature=youtu.be

これは面白いポイントです。
チャップリンの名言「悲劇はクローズアップ、喜劇はロングショット」
ではありませんが、笑いとは〈距離を置いて客観的に物事を眺める〉
ところから生まれるもの。

トランプがほとんど笑わなかったり、
SNLのパロディコントにキレたりするのは、
距離を置いて客観的に物事を
眺められないことの表れではないでしょうか。
自分自身をネタにしたギャグで笑い転げたと語る
ヒラリーのほうが、やはり役者が上と評さねばなりません。

その意味ではわが国でも、
こういった鋭い時事風刺がもっとほしいところ。
政治家の度量を図る、いい尺度になると思いますよ。
ついでに言うじゃありませんか、笑う門には福来たる!
ではでは♪

 

(引用終了)