1612-2-1104-12/2メルマガブログ転送カエルの楽園
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読書普及研究所 本のソムリエ
http://www.mag2.com/m/0000094236.html
(見出し)
「カエルの楽園」百田尚樹、新潮社
⇒ http://amazon.co.jp/o/ASIN/4103364122/mag06-22/ref=nosim/
【私の評価】★★★☆☆(70点)
(私のコメント)
この本は本屋で立ち読みしただけで買わなかった。
どうせ、文庫本になるだろうから、それまで待ってもいいか、と思ってます。
買わなかったのはあまりに日本の現状が情けないので、暗澹たる気分になってしまうから。
しかし、こういう本が書かれるのはやはり時代が変化している証拠で、希望が持てる。
この本に関して下記の3つのブログとメルマガが面白い。
YOutubeにも作者本人の対談などがあるので、興味があれば見てください。
(私のコメント終)
(引用開始)
「カエルの楽園」百田尚樹、新潮社
⇒ http://amazon.co.jp/o/ASIN/4103364122/mag06-22/ref=nosim/
【私の評価】★★★☆☆(70点)
■ゆっくりと進行する危機に対応できずに
死んでしまう「ゆでガエル」
という言葉があります。
この本では、
「日本」を平和を愛するツチガエル、
「中国」を肉食のウシガエル、
「米国」を楽園を見守るワシに
たとえています。
もちろん「カエルの楽園」とは、
ツチガエルの楽園、
日本のこと。
・この国中のカエルが皆,
常に平和を願っている。
自分たちの幸せじゃなくて,
世界のカエルの幸せを願っている・・
世界がこの思想を学べば,
この世からすべての争いが消える(p41)
■カエルの楽園では、
ワシが見守っているため
平和が保たれています。
しかし、楽園の周辺地域では、
肉食のウシガエルが
カエルを食用にしていました。
そうした恐ろしい状況を
訴えるカエルもいましたが、
多くのツチガエルは平和思想が
平和を守っていると信じていたのです。
つまり、多くの平和を愛するウシガエルの
公正と信義に信頼して、安全と生存を
保持しようと決意したのですね。
・一,カエルを信じろ
二,カエルと争うな
三,争うための力を持つな(p169)
■結果して、多民族を信じ、戦いを避け、
戦う準備のできていないツチガエルは、
ウシガエルの食料となってしまいます。
そして、楽園といわれた国家は
消滅したのでした。
想定内で面白くありませんが,
「現実は小説より奇なり」
ということなのでしょう。
百田さん、
良い本をありがとうございました。
───────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・あんたのじいさんのじいさんの,
そのまたじいさんが一度だけ悪いことをしたのを,
あんたは永久に謝り続けるのか(p63)
・「しかしウシガエルを追い払わなければ,
この国は乗っ取られるかもしれないんですよ。
国を奪われたら,いずれは彼らに
食べられてしまう可能性もあります」
「考えすぎだ」(p137)
・争いは話し合いで解決できるのです。
力に訴えることを許してはいけません。
話し合いこそ,パナージュのカエルが
取るべき道です(p151)
・わたしは他のカエルを殺すくらいなら,
殺される方を選びます。
三戒を守って,黙って死んでいきます(p199)
・ツチガエルを食べたウシガエルは
三匹です。その三匹がたまたま間違いを
犯したからと言って,ウシガエル全部を
敵と看做すのは愚かなことではありませんか。
ウシガエルのほとんどは友好的なのですから(p230)
▼続きを読む
http://1book.biz/2016/11/16/post-3303.html
https://www.youtube.com/watch?v=PsnVDpRjIho
(引用終了)
(引用開始)
http://road-to-raoh.com/20160404-2/
ラオウを目指す羅王のブログ
超ネタバレ&超オススメ 「カエルの楽園」を読め! #937
2016年4月4日 by 羅王
【あらすじ】
大虐殺を逃れて奇跡の国ナパージュにたどり着いたアマガエルの物語。滅びた祖国とは違い、一見して完璧な国に見えるナパージュ。平和で肥沃で、カエルたちは決して争いをしない。しかし、よくよく見ると様々な問題があり、特に南の崖から侵入してくる天敵に頭を悩まされていた。この国では「三戒」と「謝りソング」が全ての平和の源だと考えられている。
【主人公】
ソクラテス:他のカエルによる虐殺を逃れてナパージュの国にたどり着いた主人公
仲間は親友ロベルト以外全員死亡。常に「それは本当に正しいのだろうか?」と自問自答するあたりがソクラテス。
ローラ:たぶん現代キャリア女性のこと
ナパージュの典型的メスガエル。国のためにオタマジャクシを産むなんてまっぴらだと思ってる。
【国、国民】
ナパージュ:たぶん日本のこと
「NAPAJ」をひっくり返すと「JAPAN」のため。カエルに必須の水は清く草も生い茂り、平和で豊穣。国は崖に囲まれて守られている。「三戒」、「謝りソング」が生まれて以来、一度も他国と争いになっていない。
ツチガエル:たぶん典型的日本人のこと
「三戒」を何よりも大事にしている。基本的には純朴で親切で平和を望んでいるが、「その昔、自分たちの祖先は残虐だった。だから我々も本性では残虐である」と信じ込まされている。普段は温厚だけれど、「三戒」や「謝りソング」に疑義を挟むと集団で凶暴化するカエルもいる。
ウシガエル:たぶん某大陸(人)のこと
「南の沼」で他の国のカエルを食いまくってる、巨大で凶悪なカエル。南の崖からたびたび登ってきて、ナパージュに侵入してくる。スチームボートがいる間は崖を登ってこない。百田さん勇気あるー。
ヌマガエル:たぶん某半島(人)のこと
親ガエルも含めナパージュ(=日本)生まれナパージュ育ちなのに、ナパージュが嫌い。ツチガエルと見た目がそっくりだが、ツチガエルに似ていると言われると猛烈に怒りだす。百田さん勇気あるー。
デイブレイク:たぶん朝日新聞のこと。「デイブレイク」=「夜明け」、もしくは「デイ(日)をブレイク(壊す)=日本を壊す」から。ナパージュいちの物知りで、大衆の心を掴んでいる。毎日朝晩、ハスの沼地にカエルたちを集めて、ナパージュがいかに最悪な国か、ツチガエルがいかに残虐なカエルかを、各種データを用いて講演をしている。「三戒」と「謝りソング」を大絶賛。逆らうヤツはリンチ。
スチームボート:たぶんアメリカのこと。
「スチームボート」=蒸気船=黒船の意味だと思う。ナパージュだけでなく、北の荒れ地、西の草地、東の森、南の沼をかつて統べていた巨大なワシ。昔ナパージュのカエルを沢山殺した。今はナパージュの東の岩山を第二の住処としていて、ナパージュを守っている。ただし、最近は老化により全盛期の体力がなくなり、反比例するように世界中に敵が増えているため、ナパージュはナパージュのカエルたちが自分で守るべきだと考えている。「三戒」の元々の作者。
ハンドレッド:たぶん百田さん本人のこと。ナパージュでは嫌われ者で、デイブレイクのことが大嫌いで、デイブレイクからも嫌われている。いつもボヤいたり他カエルの悪口を言っているひねくれ者で、しかしなんとなく言ってることは本質的だったりする。
ハンニバル:たぶん自衛隊のこと。「ハンニバル」とは、カルタゴ史上最強の将軍で、ローマ史上最強の敵の名前。同じくナパージュでは嫌われ者で、特にデイブレイクから嫌われているが、ハンニバルはデイブレイクに反論も攻撃もせず、ただひたすら来る危機に備えてトレーニングをしている。ウシガエルと唯一まともに戦えるツチガエル。
【政治家、政治家もどき】
プロメテウス:たぶん安倍首相のこと
ナパージュを治める元老会議の若き政治家。ウシガエルの侵入を具体的な対策で止めようと、「三戒」の破棄を提案する。「プロメテウス」とは、「先見の明を持つ者」という意味。ただし、「プロメテウスの火」となると、それは原子力などの人間の手には負えない科学技術のことを指すため、そういう危うさも安倍さんにはあるよということを言ってるのかもしれない。
ガルディアン:たぶん民主党(民進党)のこと
英国のリベラル紙「ガーディアン」をイメージしてるのだろうか。元老会議では徹底的にウシガエルとの対話を重視。「三戒」と「謝りソング」がある限り、絶対にウシガエルも分かってくれると言い張る。ナパージュが侵略されても、ツチガエルが食い殺されても、ただひたすらウシガエルとの対話を重視するブレない姿勢が好印象。実はヌマガエルの子孫。
フラワーズ:たぶんSEALDsのこと。頭のなかがお花畑、という意味だと思われる。凶暴で残虐なウシガエルと仲良くできる自信があるらしい。ウシガエルと一緒に歌い、友だちになれるんだとか。
【「カエルの楽園」を理解するための最重要用語】
「三戒」:たぶん憲法9条のこと。
1、「カエルを信じろ」
2、「カエルと争うな」
3、「争うための力を持つな」
の三部構成で出来ている。元々はスチームボート(=アメリカ)が作ったもので、本来は「スチームボート様を信じろ」、「スチームボート様と争うな」、「スチームボート様と争うための力を持つな」だったが、いつのまにか「カエル」にすり替わってナパージュの国是となっている。
「謝りソング」:たぶん過去に積み重ねてきた日本政府の謝罪のこと
ツチガエル(=日本人)が自身の祖先たちの過去の過ちを謝ることによって、世界の平和を願う歌。「我々は、生まれながらに罪深きカエル すべての罪は、我らにあり さあ、今こそみんなで謝ろう」と毎日広場で歌われている。ただし、具体的に何に謝っているのか、どのカエルも実際は分かっていない。
お分かりの通り、設定からしてかなりの辛口となっている。
***
さて、いくつか現代を風刺した面白いセリフが出てきているので、列挙しておく。現実世界で言うとあのことね、このことね、というのがあっという間に頭に浮かぶ。百田さんはこういうところ、ほんとに上手い。ああ、ただのコピペみたいになってきた。
①「理由もなしにカエルがカエルを食べるなどということはありえません。あななたちが言うように、ダルマガエル(=ソクラテスの仲間を虐殺したカエル)がアマガエル(=ソクラテスたちのこと)を襲ったというのが本当なら、それはあなたたちがダルマガエルを怒らせるようなことをしたからではないのですか」
②「もし、襲われたらどうするんだ?」
「襲われるなんてことはありません」
「どうして?」
「どうしてって、三戒が誕生してから、この国は一度も他のカエルたちに襲われたことがないんです。一度もです。これは三戒のお蔭以外のなにものでもありません」
「もし襲われたら、どうするの?」
「襲われたって争いにはなりません」
「どうして?」
「ぼくらが争わなければ、争いにはならないからです」
「たしかに争わなければ争いにはならないだろうけど、襲われたら、どうやって身を守るんだい?」
「ですから、教われないんですから、そんな話をしてもしかたがないでしょう。この国は三戒が誕生してから、一度だって他のカエルに襲われてないんですから」
③「わしらが平和でいられるのは三戒のお蔭にほかならない。それ以外にない」
「下の沼地にはウシガエルしかいないのですか」
「いいや、他のカエルたちもたくさんおるよ」
「彼らはウシガエルの沼の中にいて、無事に暮らしているんですか?」
「毎日、ウシガエルたちに食べられておるよ。風のない日は、ときどき彼らの悲鳴がここまで聞こえてくる」
「助けてやろうとは思わないんですか?」
「助ける?どうやって?それにわしらには関係ないことだ。余計なことをしてウシガエルを怒らせたりしたら、いいことはなにもない。ナパージュのカエルは、他のカエルたちの騒動には関わらないのだ」
④「仮にナパージュのカエルが本当にひどいことをしたとしよう。しかしたとえば、あんたのじいさんのじいさんの、そのまたじいさんが一度だけ悪いことをしたのを、あんたは永久に謝り続けるのか」
⑤「でも、争わなければ争いが起こらないというのは正しいんじゃないか」
「たしかに争わなければ争いは起こらない。ただ、その場合は争いとは呼ばず、単なる虐殺という」
⑥「ローラはいつか卵を産む?」
「そうね、多分産まないわ」
「どうして産まないの?」
「だって、大変なことばかりじゃない?卵を産んで何かいいことがあるのかしら?いいことがあればいくらでも産むわ」
「いいことがあるかどうかはわからないけど、君たちが卵を産まないと、この国の将来はないよ」
「ナパージュのために卵を産めと言うの?あなたは元老たちを同じことを言うのね」
「あたしたちは卵を産むために生まれてきたんじゃないのよ。産むのも産まないのも、あたしたちの自由でしょ。あたしのお腹は元老たちのお腹じゃないわ。そんなに産め産め言うなら、元老たちが産めばいいんだわ。産めるものならね」
⑦「ウシガエルたちに悪意がないとどうして言えましょう。彼らは非常に残忍で獰猛なカエルなのです。彼らは南の沼に棲む多くのカエルを食い殺しているのですよ。こんなことが許されますか」
「プロメテウス、南の沼はウシガエルたちのものだ。彼らがそこで何をしようが、彼らの自由である。しかし彼らもここナパージュでは、そんなことはできない」
「どうしてできないのですか?」
「ナパージュには三戒があるのを君は知らないのか」
「知っていますよ。けれども、ウシガエルの国には三戒はありません」
「それがどうしたのだ。君はいったい何が言いたいのかね」
「ウシガエルたちには、三戒を守る義務がないということです」
⑧「昨日、スチームボートに南の崖を守ってくれないかとお願いに行きました。すると、スチームボートからある提案を出されました」
「その提案とは何だ?」
「スチームボートは、自分がウシガエルを追い払うときにはツチガエルも一緒に戦うようにと言いました」
「それはならん!」
「そんなことをすれば、完全に三戒違反だ!」
⑨「わたしたちだけではとてもウシガエルは防げない。スチームボートに守ってもらうしか方法はない。そのためにはスチームボートと協定を結ぶしかありません」
「何度も言うように、それは三戒違反だ。何があっても三戒を破ることだけは許されない!」
「ナパージュが危なくなってもですか?」
「そうだ」
⑩「わたしたちにはもうあまり時間がありません。そこで、あと一回だけ会議を開いて、スチームボートと協力することを決めようではありませんか」
「一回では足りない!」
「では、何回会議をすればいいのですか」
「十分に話し合うことが大切だ」
「その間、ウシガエルたちが待っていてくれるのでしょうか」
「では、あと何回の会議で決定するのかについての会議をしよう」
「いい加減にしてください!」
⑪「しかし、ウシガエルたちが大量に南の崖を登ってきたら、わたしたちはどうやってそれを防ぐのですか?」
「簡単なことだ。話し合えばいい」
「話し合いですって?相手は凶悪なウシガエルですよ。話し合って、南の崖から降りてくれるんですか」
「同じカエル同士だ。話し合えば分かる」
「すると、ウシガエルの国で毎日彼らに食べられているカエルたちは、話し合いが下手くそなカエルということですか」
「そんなのは詭弁だ!」
⑫「皆さんの中にはウシガエルのことで必要以上に不安にかられているものも多いと思います。しかしそれは全くの杞憂です。ウシガエルには一切の悪意はありません。彼らはただ南の崖が珍しくて登ってきただけにすぎません。言うなれば、お客様です。本日、ウシガエルたちに向かって、『帰れ!』と罵声を浴びせたものがいると聞きますが、とんでもないセリフです。それはまったく非友好的な言葉で、ナパージュのカエルにふさわしくない態度です」
⑬「戦いに訴えるのは最も愚かなカエルのすることだ。賢明なるナパージュのカエルが取るべき道ではない。とことん話し合えば、必ず明るい未来が開ける」
「話し合いの結果、ウシガエルが南の崖を返さないと言えば?」
「それは話し合いが足りないのだ。お互いに納得いくまで話し合えばいい」
「では、もしウシガエルがそれ以上にナパージュの国に入ってきたらどうするのです?ウシガエルがナパージュのカエルを殺して食べたら?」
「それをやめてもらうように話し合うのだ」
・・・ダメだ、書いてて気持ち悪くなった。量よりも中身のせいで。。
まぁ、こんな感じです。ある種のよく練られた比喩は現実よりも強く現実を映し出すけれど、この本はまさにその典型だと言える。
ちなみに、現代日本とほぼ同じ設定の「カエルの楽園」だが、後半は少し変わっている。具体的には、アメリカに「もう9条あるからあんた要らねっす」と出て行ってもらい、自衛隊を解散したらどうなるか?について描かれている。
あとは読んでください。ぞっとします。百田さんが暗殺とかされませんよーに。
(引用終了)
(引用開始)
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百田尚樹 v 石平『「カエルの楽園」が地獄と化す日』(飛鳥新社)
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評者(宮崎)は百田氏の『カエルの楽園』というベストセラーを読んでいないので、本書を論ずる資格がないかも知れない。
当該書を石平氏は松江への講演旅行の途次、特急列車のなかで読んで感動し、
「侵略者」を前に「平和裡に話し合いを」「武力に武力で対抗してはいけない」などと嘯いているうちに、
自由を求めて逃げ込んだ先の「楽園」が巧妙に侵され、国民は虐殺されるという恐怖の物語にひやりと現実の日本を連想したという。
当該書は百田氏によれば27万部も売れた由。
石平氏が衝撃を伴うほどに『カエルの楽園』に感動した理由は、氏自身が中国からの帰化組であり、
つまり恐怖の侵略国家から逃げてきた楽園でホッとする間もなく、こんどまた侵略者の魔手に日本が巧妙狡猾に侵され、国民が虐殺されるのかという、身につまされる明日のシナリオだったからだ。
その箇所を読んだ直後から、中国が尖閣諸島領海に「軍艦」をいれてきた。寓話小説がリアリティを伴いだしたのだ。
ついに侵略序盤戦が始まったのだが、朝日新聞は『話し合いで』『安部が戦争を引き起こす』などと嘯いて、
中国の代理人のような論陣を張っていた。
そのうえ、ほかのメディアがちゃんと『中国軍艦』と書いたのに、朝日は「中国艦」としてお茶を濁した。
これでは侵略国家、軍事ファシスト=中国のイメージが希釈されてしまう。いや、意図的にそうしているとしか考えられない。
このふたりの対談のなかに以下のような発言がある。
百田 「中国人は二十一世紀になっても反日歴史教育のために、日本と戦争になって、あるいは日本の領土を占領したら、
躊躇なく日本人を殺せる人が多いという現実を我々は知っておくべきでしょうね」
石 「中国人民解放軍は国軍ではなく、中国共産党の私兵であり、数百発の核兵器を持っています。
もし日本が日米同盟の庇護を失い、米軍の核の傘を失ってしまえば、
中国軍人たちは東京や大阪に核ミサイルを撃ち込むことに何の抵抗感も感じません。日本に罰を与えるのは当然と思っています。
(中略)これで日本を消滅させることができる、というのが中国軍人の一般的な考え方です」
百田 「中国人は日本人に対する憎悪と恨みを学校教育やニュース報道、抗日ドラマなどで多角的に繰り返し教え込まれていますから、
いざとなればやるでしょう」
石 「チベット人の虐殺は典型的でした。チベット人は仏教徒で、誰の恨みも買っていません。寓話的に言えば、完全に羊なのです。
羊を殺すのはオオカミの虐殺です」
評者は、対談を読みかけた箇所で、(あ、これはカルタゴの滅亡を下敷きにしているな)と連想したが、はたして後半部で、
百田氏自身がカルタゴを語っている。そういえば、カエルの楽園の主人公はハンニバル。
さもありなん。
以前、評者も拙著『大国の興亡を論ず』(二見書房、絶版)のなかで、日本をカルタゴの運命に重ねて論じたことがあった。
ローマ侵攻直前まで、アルプスをこえて攻めていたハンニバルに、カルタゴ本国の議会は撤兵を命じた。ローマにあと一方で攻め込む段取りだった。
平和主義者が、妨害したのだ。
失意のもとに帰国したハンニバルは、ローマに通じたカルタゴの「平和主義者」によって、フェニキアに流され毒殺された。
似ている。武力に武力で対抗する自衛の権利さえも国内の敵、いや敵の内通者が妨害する現状に。
今日の日本に夥しくいる敵の内通者の跋扈をみれば、明日に迫る日本の危機が了解できるのである。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)11月11日(金曜日)参
通算第5083号
(引用終了)