1703-3-1187-3/3メルマガブログ転送ウィグルイスラム反乱

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)3月3日(金曜日)
         通算第5206号 <前日発行>

(見出し)
ISが中国でのテロを呼びかけるヴィデオを作成
  初めてウィグル語で「イスラム戦士よ、復讐に立て」と鼓舞

(私のコメント)
これは相当大きなニュースだ。
イスラムがシナで暴れるとシナ共産党はてこずるだろう。
過去のシナ王朝も辺境から起きる宗教的な集団の反乱に倒れた。
但し、それが直接的なものでなく、それから何十年もかけて王朝交代が起きた。
また、共産党は一種の宗教政党だから、イスラムのような宗教的なものは同じカテゴリーだから許容できない。
徹底的にどちらかが倒れるまでの戦いになるだろう。
どちらが勝つか、というと当然イスラムだ。
なぜならシナ庶民が共産党を信仰していないし、揉めても共産党にはついていかないだろう。
だからと言ってシナ人がイスラムの見方をする、ということもないだろうが。
シナ人からすれば、食わせてくれなければ王朝交代させるだけで、共産党も例外でない。
問題はウィグルだけでなく、北京や上海などの都会にもイスラムは沢山いる、という点だ。
宗教が厄介なのは彼らが自発的に動くことがあることだ。
組織的に動くのでないから把握するのが難しい。
彼らが都会で何らかの行動をゲリラ的にやると、かなりの動揺が起きるだろう。

それから、見方を変えると、シナは歴史的に西側が弱いのだ。
シナ大陸というのは西から東に向かって低くなっている。
だから、昔から兵を動かすのは西から東に動かす方が有利だ。
川も西から東に流れるから船も西から東に早く動く。
(参考)

『早(つと)に白帝城(はくていじょう)を発(はっ)す』李白

朝辭白帝彩雲間

千里江陵一日還

兩岸猿聲啼不住

輕舟已過萬重山

(読み方)
朝(あした)に辞(じ)す白帝(はくてい)彩雲(さいうん)の間(かん)

千里(せんり)の江陵(こうりょう)一日(いちじつ)にして還(かえ)る

両岸(りょうがん)の猿声(えんせい)啼(な)いて住(や)まざるに

軽舟(けいしゅう)已(すで)に過(す)ぐ万重(ばんちょう)の山(やま)

【通釈】(「NHK漢詩をよむ」63年4月~9月より引用。)

  早朝、朝やけの雲のたなびく白帝城に別れを告げて三峡を下り、

  千里も離れた江陵の地に、たった一日で帰っていく。

  その途中、両岸の猿の鳴き声が絶え間なく聞こえていたが、

  それに耳をかたむけるうち、私の乗った小舟はもう、

  いくえにも重なった山々の間を通り抜けていた。

【解説】上記「NHK漢詩をよむ」によれば、西暦725年、李白25歳のときこの詩を作られています。李白は裕福な商人の家庭に生まれ少年時代は古代中国の蜀という国(四川省がある辺り・省都成都)で過ごしています。

http://takaban.seesaa.net/article/410968596.html

 

毛沢東は政権を取ってすぐチベットを侵略し、チベット人を虐殺し、漢人に置き換えたのはシナの弱点を知っているからだ。
ウィグルが揉めるとシナの西側にはイスラム国家が沢山あるからそれらの関係も悪くなるだろう。
そうすると、今シナ共産党南シナ海に出ようとしているが、両側から敵が来ることになってしまう。
メンツからすればどちらも捨てられないから、2正面作戦になってかなり疲弊するだろう。
シナ王朝もこんな具合にあちこちに反乱がおき、それを叩いているうちに疲弊して時間はかかるが倒れる、ということを繰り返してきた。
シナ共産党も当然こういうことは百も承知だから手を打ってくる。
ISには石油密輸や武器提供など相当援助しているからその筋から工作するのではないか。
上記のニュースを余り過大評価できないが、それでも歴史的にみると大変興味深い記事だ。

(私のコメント終)
(引用開始)

 ISが中国でのテロを呼びかけるウィグル語のヴィデオ(28分番組)を作成し、ISに加わったボランティア戦士らに「ウィグルへ帰れ、中国の弾圧に抗して復讐戦に立ち上がれ」と戦意を鼓舞する作戦にでていることが判った(ウォールストリートジャーナル、多維新聞、いずれも3月2日付けI.

 とくにこのヴィデオが初めてウィグル語での放送であり、新彊ウィグル自治区における中国共産党の血の弾圧に「イスラム戦士よ、復讐に立て」と鼓舞したところにポイントがある。
(おまけ)
世界史から抹消されている二つの帝国
  だから世界史はつまらない暗記学問として人気がないのだ

  ♪
宮脇淳子『日本人のための世界史』(KADOKAWA)
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 世界史の教科書がおかしい。
 ま、日本史の教科書がまるでおかしいから、世界史教科書がまともであったらへんなことになるのだが、歴史を解釈する大事な視点が異なると、欧米の改竄史観が、日本史でも世界史でも、応用され、ただしい歴史観は片隅に追いやられるか、消される。
 世界史から消された「二つの帝国」がある。
 真実をしれば、世界史の真実が見えてくるのだが、その前に簡単な序説として、たとえばコロンブスのアメリカ大陸の前にカリブ海にいた先住民族の歴史はどうなるというのか、英国人探検家がヴィクトリア瀑布を発見したと言うが、ずっと以前から当該地区には先住民が暮らしていた。
 コロンブスジェノバ鄭和艦隊の海図をみて、大航海を思い立った。だからコロンブス大航海時代の先駆者という西欧歴史学評価は、あまりに西欧先制主義である。
 マルコポーロは日本が黄金の国であると世界に吹聴した。マルコポーロ甘粛省に一年以上留まっているが、日本に来たことはなかった。
 消された文明はマヤ、インカ。。。。シュメールも、スキタイも詳しいことは判っていないし、ホメーロスの歴史は、シュリーマンがトロイの遺跡を発見したことによって、神話ではなく、本当の話であることがようやく判った。

 世界史の教科書から消された「二つの帝国」とは、モンゴル帝国と日本が世界史のプレイヤーだった「大日本帝国」である。
 「戦前の西洋史と東洋史はいちおう、それぞれ古い時代から近代に至るストーリーがあり、話の辻褄も合うものでしたが、それを合体させた戦後の世界史は、西洋史と東洋史を年代ごとに輪切りに並べた」(中略)。このため「人気がなくなった」。
 しかも「現在の世界史のもとになっている、戦前の西洋史、東洋史そのものにも大きな問題があります」と宮脇淳子氏は最初に言う。
 「現在の中国やロシアは、十三世紀にはモンゴル帝国の一部でした。ドイツやハンガリーもモンゴル軍の侵略を受け、モンゴル軍はもう少しで、ヨーロッパ全土を征服する」筈であった。
つまりモンゴル軍はウィーンまで行っていれば、いまごろ西欧は学校でモンゴル語を教えていただろう。
 ちなみにシベリアの語源であるシビルは鮮卑である。鮮卑は隋、唐を開いたが、漢族ではない。
 こうした真実の歴史が消されたのは、中国にとってもロシアにとっても、インドも、イランもモンゴル軍に占領された事実を隠したいからで、とくに日本の歴史教科書にいたっては「戦後の日本は自らの視点で歴史を構築することなく、他国から言われたものを世界史として受け取ってきたからです。中国や韓国にとって大日本帝国の位置づけはつねに悪であり、世界の主要プレーヤーではありません。だからこそ日本人自身も」、自虐的史観の罠に嵌ったのである。
 したがってモンゴル帝国大日本帝国という二つの帝国が、「人類の歴史にほんとうに大きな役割をはたしたにもかかわらず、いまの世界史では無視されています」と宮脇氏はまとめるのだが、歴史の真実を私たちは、そろそろ知っておく必要がある。

 

(引用終了)