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本の紹介
中野剛志さん著「富国と強兵」
第一章貨幣と領土


(私のコメント)
最初の第一章に貨幣とは何か、という項目があるのでそこを要約二回目。

(前回の要約)


1.我々の使っている貨幣は基本的に「借用金証書」だ。
各個人が経済活動をするのにそれぞれが借用金証書を書いていたのが、それでは面倒なので貝殻とか金(きん)を用いた。
だから、常識では金(きん)は貨幣だと勘違いするが、基本的には「借用金証書」なのだ。
金属貨幣はその内在する金などの価値とは関係がないのだ。

2.借用金証書は誰でも発行できるが、「信用」がないと相手が受け取ってくれない。
そこで、国家が各個人の「信用」を代位して貨幣を発行している。
国家が発行する貨幣は「税金」と「司法」という裏打ちで信用力を貨幣に与えている。
「税金」という意味は国家が税金を国家が発行した貨幣で受け取ることで、信用力をつける。
誰か知らない人から貨幣を受け取っても国が受け取ってくるのだから安心だ。
そして「司法」は貨幣によって起きる債権債務関係の最終的整理を国が行うことで、取引に安心が生まれる。
3.経済学では物々交換から貨幣が発生したと説明するが、それは歴史学者から否定されている。

今の日本の東大や一ツ橋の経済学者は皆間違っている。
それらの教え子が財務省や日銀、マスゴミなどにえばっているから日本経済はダメになるのだ。

 

(私のコメント終)

 

(引用開始)
(引用p67)
1.銀行預金も貨幣の一種だ。
銀行というものは、皆が貯金したカネを貸出している、と一般常識的に皆思っている。
だが、それは間違いで、銀行は元手の制約はなく、潜在的に無限に貸し出しできる。
貸し出しは、貸し出す相手方の口座の金額を増やすだけの作業だけのことなのだ。
制約があるとすれば借り手の返済能力だけなのだ。
資本主義経済が発展したのはこのメカニズムがあるからだ。
2.現在では日銀のような中央銀行が各国に存在するが、この中央銀行と各銀行の関係にも誤解がある。
つまり、中央銀行は各銀行の融資などをコントロールしている、と信じられているが、それは出来ないのだ。
ところが、経済学の教科書ではこの誤った通俗的な考え方が記載され、教えられている。
実際は銀行が貸し出しを行い、それにつれて中央銀行への準備預金を増やすのだが、
教科書では、準備預金を増やせば貸し出しが増える、と逆の説明がなされている。
国家が関与する信用(借用金証書)を貨幣と考え、会社などの需要に応じて貨幣が供給されるのが現実だ。
だが、主流派経済学の教科書では貨幣を所与のものとして扱う。
天動説と地動説の論争のようなことが、現在でも行われているのだ。
3.現代の貨幣と資本主義は国家が中核として存在することで成り立っている。
国家は領土を存立の基盤としているが、貨幣は領土や国家を越えた国際的な存在になった、という議論がある。
だが、ドルのような国際決済通貨の存在は貨幣が国際化したのでなく、貨幣が国ごとに異なるからこそ必要になったものだ。
国内決済通貨としてのドルを国内で流通させる国もない。
国際通貨ドルの価値を支えているのはアメリカという派遣国家の権力だから、貨幣が信用貨幣だという証拠にもなる。
この脱国家的な貨幣論も貨幣の本質を見誤ったために起きた幻想だったのだ。
4.現在の主流派をなす経済学は商品貨幣論又は金属主義という誤った貨幣観を抱いてきた。
そのために主流派経済学は、脱国家貨幣論と同じように、壮大な幻想の体系だったのだ。
金属主義は物々交換の効率の悪さを克服するために物としての金属貨幣を交換物として導入した、と考える。
この学説によれば、市場経済を物々交換と同等に見なしているから、貨幣は商品の一種に過ぎず、
信用貨幣と言う現実の貨幣は存在しないということになる。
5.有名な「セイの法則」は「供給は需要を生み出す」と言い、作られたものは必ず消費される、と言うものだ。
この考え方では過剰生産や不況や失業といった事態は生じない。
これは限定された条件下の物々交換の世界においてだけ成り立つ。
また、債務不履行も存在しない世界であり、そうなると信用貨幣は必要がないことになる。
貨幣の機能の1つに「価値貯蔵」というものがあるが、これは将来何が起こるかわからないという不確実性に備えるものだ。
しかし主流派経済学は、取引において一切の不確実性がないものとしたから、不確実性を前提とする「価値貯蔵」の機能が貨幣にある、ということを説明できない。
主流派経済学は日常的な時間の観念や不確実性を無視することによって、経済現象を数学的に処理することに成功した。
数学的分析こそが科学であるという通俗的な科学観強く訴え、大きな影響力を持った。
しかし主流派経済学が想定する世界は貨幣が存在し得ない世界なのだ。
主流派の経済学者たちはアダムスミス以来200年以上にもわたって、貨幣についての正確な理解を欠いたまま、物々交換経済の幻想を前提に、理論体系を組み上げてきたのである。
我々に必要なのは主流派経済学を破棄し、正しい貨幣概念を基礎とした経済理論を手に入れることである。
それを目指したのがケインズだったのだ。

 

 


(引用終了)