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逝きし世の面影

 

(見出し)
アメリカが抱える『文明化の使命』。マニフェスト・デスティニーの呪縛。

(私のコメント)
もう一度アメリカという国を研究してみよう。
少し古いが下記のブログは短くよくまとまっている。
キーワードはマニフェストディスティニーだ。
このアメリカ合衆国の領土拡大の合言葉は次の二つの思想に裏打ちされている。
一つはプロテスタンティズムで、アメリカという国は宗教国家なのだ。
アメリカの独立宣言は神との関係で自分たちを規定しているからイランのホメイニイスラム革命と同じなのだ。
そして、同じく神により最も新しい進んだ国として認められている、と考える。
ということは、他のすべての国は遅れた野蛮な国でアメリカが教化すべきと神が命じているということになり、始めに書いたキーワードになるわけだ。
もう一つはアングロサクソン文明で進化論で科学的(神でなく)に証明された最新最高の文明と考えている。
アングロサクソン文明に滅ばされたり、植民地化される文明は遅れた淘汰されるべき文明だ、ということになる。
だから、南アメリカで原住民を虐殺しても、進化論という科学で証明される自然の摂理だから止むおえないものと考える。
そういう歴史的背景はポリコレの激しさに逆作用しているのではないか。
この記事の卓見は次の部分だ。
「アメリカは『共通の過去』を持っていないために『共通の未来』についての意志を欠くと『昔の民族的アイデンティティ』へと突然、
逆行してしまう。」
共通の未来とは要するに敵がいないとまとまらない、ということだ。
ポリコレは外敵でなく、アレルギーや膠原病のように自己の中に敵を作ってしまっているのではないか。


(私のコメント終)


(引用開始)


(見出し)
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逝きし世の面影
政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る
拡大するアメリカ、マニフェスト・デスティニーの呪縛
2009年02月01日 | 宗教
アメリカが抱える『文明化の使命』。マニフェスト・デスティニーの呪縛。

アメリカが何故アフガニスタンイラクに介入するのか。?
9・11事件や対テロ戦争だけから今日のアメリカ流の事件や物事が出発するのではなく、そ
の底流に有るブッシュ・ジュニアの文明観にまで迫ってみよう。
マニフェスト・デスティニー(Manifest Destiny)とは、アメリカ合衆国の持つ、有る特徴的な傾向を典型的に表す標語。
一般的には西部開拓を正当化する為に作られたとされる。
「明白な使命」や「明白な運命」あるいは『明白な天命』などと訳出される。
簡単に言えば19世紀中葉以降のアメリカ合衆国で流行した膨張主義を示す語。

『西へ西へ』

1845年、『デモクラティック・レビュー』という雑誌の7月号にニューヨークのジャーナリスト、
ジョン・オサリヴァンが『併合』(アネストぜーション)と題する論文が掲載された。
この論文には、
『年々増加していく幾百万の我が国民の自由と発展のために、神によって与えられたこの大陸に我々が拡大するという、
明白な天命(マニフェスト・デスティニー)の偉大さ・・・』
論文は、合衆国のテキサス共和国の併合を支持する目的で書かれたものだった。
しかしその後に合衆国の膨張を「文明化」・「天命」とみなして西部侵略を正当化する標語となっていった。
19世紀末に「フロンティア」が事実上消滅すると、
合衆国の帝国主義的な領土拡大(米西戦争や対メキシコ戦争、ハワイ併合など)を正当化するための言葉となった。
特に論文中の、『自由と発展』や『神によって与えられ』や『明白な天命』などの何気ない言葉が重要な意味を持つ。
アメリカ合衆国は長い歴史の末にこの地上に建設された人民主権を体現した理想国家で、
『世界へのアメリカの拡大は神から与えられた使命』として西漸運動や帝国主義的膨張を正当化していて、
マニフェスト・デスティニー』の呪縛はアメリカ人一般に広く定着していった。

『アメリカ思想の底流』『アングロ・サクソン文明とは何か』

当時の欧米社会で主流であった世界の歴史と文明を進化論的に解釈する『社会進化思想』(社会ダーウィニズム)の影響を受けていて、
アングロ・サクソン文明』こそが最高であり、その最高峰である『アメリカ文明』に世界を同化する事が進化であり、文明化と考える。
『社会進化論』とは、進化論の中の適者生存や自然淘汰の考え方を『文明』にも無理やり拡大解釈して、
遅れた劣った文明(アジア・アフリカの文化、文明)は、進化した優れた文明(西欧)に滅ぼされる事は科学的に正しい自然な事で、
アジアやアフリカの『植民地化』とは『文明化』の事であるとされていた。

アメリカ文明の基本は、聖書とキリスト教プロテスタンティズム)と共和制(民主制)で有り、
アメリカのキリスト教は『巡礼父祖』(ピルグリム・ファーザーズ)によって、
共和制は『建国父祖』(ファウンデイング・ファーザーズ)たちによる啓蒙思想による政治体制である。
アメリカで、宗教的な用語である『父祖』(ファーザーズ)はこの二組以外には使わない。
アメリカにとっては『文明化』(アングロ・サクソン文明)と『アメリカ化』と『キリスト教化』とは全くの同義語であり、
『巡礼父祖』とその影響とは『自分たちの国家を『神』との関係で理解しようとする』宗教的な伝統である。

『アメリカ革命』(アメリカ独立)

アメリカ独立戦争(1775年 - 1783年)はイギリス本国(グレートブリテン王国)と、アメリカ東部沿岸のイギリス領の13の植民地との戦争で、
日本でアメリカ独立戦争と呼んでいるものは、米国では 『アメリカ革命』(The American Revolution)と呼ばれている。
或いは、『革命戦争』(the Revolutionary War)と呼ばれている。
しかし何故か日本では、The Revolutionary Warや、American Revolutionを独立戦争と訳し、「革命戦争」や「アメリカ革命」にしない。

此れはフランス革命を『パリ祭』と意味不明(イデオロギー的に曖昧にする)に訳す、日本的な意識的誤訳の典型例のようにも思うが、
しかし、立場が反対の英国では、American War of Independence『アメリカ独立戦争』と呼ばれているらしいので、
日本側の呼称はイギリス読みということになる。

『アメリカ革命の特殊性』

アメリカ革命の特徴は、フランス革命や後のロシア革命の様な『反宗教的な革命』とは全く異なり、
1979年のアヤトラ・ホメイニ師を戴いたイランのイスラム革命と同程度に宗教的な動機付けの有る社会変革運動(革命)としての一面があり、
極めて宗教との親和性の有る革命であった。

それが最も端的に表現されているのがアメリカの『独立宣言』である。
独立宣言では、『譲り渡すことの出来ない権利』として自由と幸福追求の権利を明記するが、
その理由は『すべての人間は神によって平等に創られ』ているからなのです。
これ等の原理や表現はすべて聖書から引用されている。
神との関係でアメリカのナショナル・アイデンティティを理解し表現することこそアメリカ国民が最も『相応しい』と考えている。
そして進化の過程に有る各文明はこの物差しで計られ、
ピュリータンによって新しく建国された『アメリカン・イノセント』(アメリカの無垢)こそが最高であると判断される。

『宗教国家アメリカ』

アメリカ合衆国という国家は極めて宗教的意志を持った国で、
『歴史におけるアメリカの存在意義は何か?』という根元的な問いに答えない思想が、アメリカ国民に支持された事はない。
そして、その『存在意義』は極めて宗教的な価値観で語られる。
アメリカは『共通の過去』を持っていないために『共通の未来』についての意志を欠くと『昔の民族的アイデンティティ』へと突然、
逆行してしまう。

『普遍性(universal)、世界性(global)』

アメリカは元々、特殊性よりも普遍性を、地域性よりも世界性を評価する姿勢持っていたしアメリカ自身も其れを目標とし誇りにもしている、
と言われていた。
対して日本は『その逆の姿勢である』と言われ日本のアメリカ化(民主化グローバル化)が「良いこと」と何の疑いも無く信じられていた。
しかし「普遍」と呼ばれるものの多くは「大きめの特殊」に過ぎず、「世界」もまた「大きめの地域」に過ぎないケースが多い。
例えば、経済におけるグローバルスタンダードや新自由主義の様に、
大きめの特殊が、自らを「普遍」と称して小さい特殊を虐め排除し支配しているだけではないのか。

メイド・インUSAでしかないユニバーサルモデルやグローバル経済を世界中に押し付けている現在のアメリカ合衆国自身は、
決して普遍的(universal)でも世界的(global)でもない。
それらは単にアメリカ自身が描く自己宣伝、自己欺瞞に過ぎない。
真実の姿からは程遠い。
真実のアメリカ合衆国という国家は、人類史上稀にみる宗教国家(Theocracy=神権政治)で、普遍的でもなければ世界的でもなく、
偏狭で狂信的で特殊な、そして狭い地域エゴの国である
例えるならアフガニスタンを支配していた偏狭なタリバン政権の、
キリスト教バージョンの『相似形の国家である』と言われても仕方が無い側面を持っている。

 

 


(引用終了)