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(見出し)

日経平均が20年ぶりに高値更新!広木隆が動画で解説
配信日:2017年10月11日
本日、日経平均株価は20,881.27円で取引を終え、20年ぶりの最高値(終値ベース)となりました。 過去20年の最高値はアベノミクスが始まった後の20,868.03円(2015年6月24日)でした。

当社チーフ・ストラテジストの広木隆が今後の日経平均の動きや相場展望を動画で解説いたします。

(私のコメント)

(要約)
1.本日、日経平均は2015年のアベノミックス最高値を抜いて新高値に進んだ。
世界的株高で、日本株は出遅れていたが、追いついた。
更にこの株高は1996年以来21年ぶりの新値ということになる。
2.先日のノーベル経済学賞行動経済学者に与えられたが、行動経済学者にダニエルカーネマンという人がいる。
この人の「行動ファイナンス理論」に「現状維持バイアス」というのがある。
現状維持バイアスとは、「人間はなるべく現状を維持したい、現状にこだわる」という心理的傾向がある、という。
3.更に人間は損失を回避したい、という強い願望がある。
損することは得するより2.5倍重く感じる。
例えば、千円貰うのと千円失うのと二つの得失は千円で同じだが、受け止め方は全然違い、失う方が3倍強く感じる。
4.上記の二つの理論を合わせると、現状を変えようとするとき、3倍以上良くなる見込みがないとその気にならない。
5.更に人は「後悔」を嫌う。特に行動して失敗することを恐れる。
行動しないで失敗の場合は、後悔が少ないから普通は何もしない方がよいと考える。
この理論は終末患者を扱う医者の話によって証明できる。
死ぬ直前の人は「やればよかった」と後悔する。つまりチャンスをつかめなかったことを悔やむ。
二番目は家族友人をもっと大切にすればよかった、三番目はもっと勉強すればよかった、この三つだそうだ。
生きている間はこの逆をやっているわけだ。
6.まとめると、人間は失敗することを嫌がり、行動せず、現状維持バイアスがかかる、というわけだ。
7.今日本の経済はそんなに悪くない。賃金は少しだが上昇し、失業率も下がっている。
日本だけでなく世界的に好景気だ。
また、景気が過熱せず非常にスローペースで息の長いゆっくりした上昇を示している。
(要約終)

上記のファイナンス理論で「人間は失うことに3倍の苦痛を感じる」とあるが、これは遺伝心理学でも立証されている。
遺伝子レベルでは、昔の食べ物がない時代の遺伝子のままだから、一旦得た食べ物を失う事はそのまま死ぬことにつながる。
最初から無かったら仕方がないが、一旦手にして食べる前に失うなうような失敗は許せないのだ。
この心理があるので大部分の人は株式投資を敬遠する。
株式投資は必ず損するからそれが耐えられないのだ。
その損をうまく管理して利益を確保していかないといけないのだが、利益より損の方が心理的に負担が大きいので我慢が出来ない。
更に後悔を嫌うから少し損すると株から離れてゆく。
株価の動きは人知の外なのだが、それを自分の責任のように感じて後悔してしまう。
こういう心理的な壁があって株式投資をみなやらないのだ。

前回若者が自民党びいきで今回の選挙も自民党が勝つだろう、という予測があったが、これも現状維持の心理からするとうなずける。
お花畑左翼も現状維持で頑張りたいのだろう。
野党はこれから世の中が3倍良くなる、というようなバラ色の夢物語を創作しないといけないから大変だ。
サヨクは革命をおこすためにまず社会を悪くして、ベースを低くして三倍のハードルを下げようとする。
今のように徐々に景気が回復して来ていると、それも難しいだろう。

(私のコメント終)

 


(引用開始)

(見出し)
https://www.houdoukyoku.jp/posts/19659
ホウドウキョク
ノーベル経済学賞現状維持バイアス」で衆院選が予想できる?
株価はアベノミクス開始以来の高値更新 マネックス証券広木隆チーフストラテジストの分析
Oct 11, 2017
3 Lines Summary

ノーベル賞受賞の行動ファイナンスでは「現状維持バイアス」が特徴的
・現状維持の有利性は「代替案の数が増えるにつれて増大する」
・市場ではアベノミクスが継続することを期待している流れが見える
ノーベル賞受賞の行動ファイナンスで人はどういう行動を取る?
今年のノーベル経済学賞に決まったシカゴ大のリチャード・セイラー教授の専門は行動ファイナンス。人間の非合理的な心理を経済学に応用する学問だ。

行動ファイナンスで特徴的なもののひとつが「現状維持バイアス」だ。ひとはそれぞれ現状のままでいたいという願望があり、それは現状を変える不利益のほうが、変えたら得られるかもしれない利益よりも大きいと思えるからである。

これは、2002年に同じくノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキー(トベルスキーは早逝したため受賞していない)が提唱した「プロスペクト理論」が明示する「損失回避」の非対称性が表出したものであるとセイラー教授は述べている(R・セイラー『市場と感情の経済学』)。

現状維持バイアス」という言葉は、サミュエルソン=ゼックハウザーによって名づけられたものである。

彼らは人間の「現状維持バイアス」について、様々な実証検証をおこなっているが、その結果で非常に興味深いものがある。それは、現状維持の有利性は、「代替案の数が増えるにつれて増大する」というものである。

この点からしても、もしも本気で与党を倒すには、一部の野党が言う通り、野党が一致団結して二大政党制を目指す必要があるのは明らかである。
政権選択を国民に迫るなら、代替案(選択肢)を多くすると「現状維持バイアス」に負けるのである。

アベノミクス開始以来の最高値を更新
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ましてやいま、経済や社会の状況は「それほど悪くない」と感じている人が多いだろう。
本日、株式市場は、日経平均アベノミクス開始以来の高値(2015年6月)を抜いた。
実に1996年以来、約21年ぶりの高値である。
現状が「悪くない」だけに、変えようという気持ちを起こすのは難しい。

いざなぎ景気」を超える戦後2番目に長い景気拡大。2期連続の最高益更新が見込まれる企業業績。先日発表された日銀短観では、大企業だけでなく中小企業・全産業の業況判断DIは26年ぶりの高さ。パート・アルバイトの賃金は目に見えて上がり、それに比べれば鈍いものの正社員の所定内給与もじりじりと上昇している。

そんな現状をあえて変えようとするのは少数派であろう。無論、こうした状況はアベノミクスが奏功したというより、景気循環による自律的な回復局面が偶々、安倍政権の時期に重なっただけとも言える。なんだかんだ言っても、現状が「そんなに悪くない」のは確かで、北朝鮮の脅威があるのも確かだ。

であるならば、無党派も含めてだが、「現状維持」を選択する層が相対的に多いと考えるのが自然で、選挙という多数決で決めるシステムは「相対的に」多くの票を獲得したものが勝つ。

「今の3倍は良くなる」くらいの絵が描けなければ…
読売新聞社が7~8日に行った全国世論調査によると、衆院比例選の投票先は、自民党の32%がトップで、衆院解散直後調査(9月28~29日)の34%からほぼ横ばい。希望の党は前回の19%から13%に下がった。

興味深いのは「若者層は保守的」という世論調査の結果だ。毎日新聞が9月に2度実施した世論調査で、20代以下(10代を含む)と30代は、40代以上の高齢層に比べて内閣支持率自民党支持率も高い傾向を示したという。興味深いのは「若者層は保守的」という世論調査の結果だ。

毎日新聞が若者の声を載せている。
北海道の男子大学生(19)「自分たちは子供のころから雇用難。安倍政権で景気や雇用が改善し、わざわざ交代させる必要もないと考えているのでは」

大阪市の予備校生(18)「私の祖父母は野党側の考えに近いが、若い世代は安保闘争のような大きな政治運動の経験がない。野党の政策はどこか理想主義的で、現実的な対応をしてくれそうな自民がよく見える」

こうした声を受けて、有権者の政治意識や投票行動を研究する松本正生・埼玉大社会調査研究センター長は「大企業や正社員を中心とする雇用の売り手市場や株高の現状が続いてほしいという願望が、若い世代で強いのだろう」と話す。


「もし変えたら今の3倍は良くなる」というくらいの絵が描けなければ現状を変えようとは思わないだろう。ひとはそれぞれ現状のままでいたいという願望があり、現状を変える不利益のほうが、変えたら得られるかもしれない利益よりも大きいと感じる。人間の感覚は損益に対して非対称なのである。

ノーベル経済学賞を受賞した行動ファイナンスの観点から見れば、今回の衆院選は与党の優勢ではないだろうか。アベノミクス継続で株高シナリオも不変である。

まあ、そんなことは僕が言わなくても、相場は徐々に織り込みにきている。

日本株全体」あるいは、「東証1部の株価」は、まさにアベノミクス相場開始以来の高値にある。
これこそが、これまでのアベノミクスが(少なくとも株価の面においては)プラス材料であり、この先も継続することを市場が期待していることの表れであろう。

 

(引用終了)