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(見出し)

ウクライナ疑惑」SECRETの通話記録を公開した、トランプの鋭い思惑
際立つ直感的判断
歳川 隆雄ジャーナリスト


(私のコメント)
民主主義とは命を懸けた公開の政治的戦いで、戦国時代を一定の空間に取り込み皆が見えるようにしたものだ。
ルールの無いプロレスのようだ。
この記事もプロレスと見たら、なかなか面白い。
別のブログによればトップシークレットをばらしたのはFBIらしい。
FBIとトランプ大統領は昔から犬猿の仲で、現在も暗闘の真っ最中らしい。
FBIはトランプ大統領誕生の選挙中ヒラリーを勝たせるためにトランプ陣営をスパイしたり、選挙後もロシア疑惑をでっち上げたりした。
トランプ大統領は現在法に基づきFBIを捜査中だが、それが大詰めで、このままだとFBI幹部が逮捕されるかもしれない瀬戸際になっている。
もう一つの引用記事では、トランプ大統領の勝ちを予測している。
色々な情報を集めて見ると、案外我々クラスの人間でも深層に迫れることが出来て、有難い世の中になった。

(私のコメント終)


(引用開始)
「SECRET」の電話会談記録
筆者の手元に、いまワシントンの政界関係者の耳目を集めているドナルド・トランプ大統領とウクライナのヴォロディーミル・ゼレンスキー大統領との電話会談記録A4版5枚のコピーがある。

その冒頭には「SECRET//ORCON/NOFORN」、「EYES ONLY DO NOT COPY MEMORANDUM OF TELEPHONE CONVERSATION SUBJECT:Telephone Conversation with President Zelenskyy of Ukraine」と題されている。

そして、その電話会談記録の上に大きく「UNCLASSIFIED」のスタンプが押され、「Declassified by order of the President September 24, 2019」と記されている。

トランプ大統領ホワイトハウスのシチュエーションルームでゼレンスキー大統領と電話会談を行なったのは7月25日午前9時03分から30分間である。

先ずはここで、米政府の機密・極秘資料の分類用語が頻出されているこの電話記録を紐解いてみよう。

極秘資料は機密度の高い順番で言うと、「TOP SECRET」→「SECRET」→「CONFIDENTIAL」である。従って、「SECRET」は公表されれば国家安全保障に多大な影響を及ぼすものということだ。

我が国のインテリジェンス・コミュニティ(情報収集・分析組織を含む各省庁機関)でも「厳秘」→「秘」→「取扱注意」の3段階に分類されている。この「SECRET」は日本の「秘」に相当する。機密保持が厳格化されている。

次に、「ORCON」と「NOFORN」という2つの全く馴染がない用語は、どのような意味なのか。ホワイトハウス国防総省ペンタゴン)、国務省で使用される「隠語」である。

前者はOriginator Controlled disseminationの略語であり資料の作成者(配布者)が配布先を管理・監視(コントロール)することである。後者はNo Foreign disseminationの略語であり、米国民のみに配布を限定するということである。
では、 なぜ極秘電話会談の記録が僅か2か月後に大統領命で解除(Unclassified)されたのかである。
野党は大統領弾劾訴追の構え
日米両国メディアが今、「ウクライナ疑惑」と報道している極秘電話会談の内容は、トランプ大統領が、現時点で民主党の最有力大統領候補であるジョセフ・バイデン前副大統領が在任中の2015年12月にウクライナを訪問した際、バイデン氏の次男が役員を務めている同国のガス会社ブリスマ幹部に対する汚職捜査を止めさせるため、検事総長の解任を求めたという疑惑についての再捜査をゼレンスキー大統領に要請したというものだ。

電話会談記録を精読しても直截的な表現をしていないが、要はトランプ氏がロシアと険悪な関係にあるウクライナ支援をチラつかせ、政敵追い落としのためにバイデン氏の「悪材料」情報を求めた政治圧力だったのではないか、ということだ。
事実、野党・民主党は鬼の首を取ったとばかり、8月12日の米情報機関職員による内部告発を基に多数派の下院で大統領弾劾訴追に持ち込む構えである。

CNNテレビによると、定数435の下院過半数218)を超える219人の民主党議員が、既に弾劾訴追に賛成の意向を表明しているという。
だが、下院での訴追を受け、弾劾裁判を行うのは共和党が多数派の上院である。
有罪にするには上院の3分の2以上(67議員以上)の賛成を必要とする。
「危機」を乗り切れる
ここで先述の「なぜ、記録公開に踏み切ったのか」という疑問に答えたい。トランプ氏は今回の「危機」を乗り切れると判断したからだ。
綱渡り的な判断であったとしても、トランプ氏の岩盤支持層40%前後は、疑惑であれ何が起こっても支持に揺るぎがない。

直近の米メディアの世論調査で初めて、エリザベス・ウォーレン上院議員が僅差ながらもバイデン前副大統領を上回った。
米東部のニューヨーク、そして西部のサンフランシスコなどリベラル色が強い地域では「ウォーレン・ブーム」が凄まじい勢いである。

とはいえ、筆者の知己の米選挙予測・政治分析のプロフェッショナルは、来年11月の大統領選はトランプ氏と戦う相手がバイデン氏であれば52対48、ウォーレン氏であれば60対40でトランプ氏が優勢だと言う。

だからこそ大統領再選を全てに優先するトランプ氏は、“バイデン潰し”が先だとUnclassifiedを決断したと説明する同氏は、トランプ氏の際立った直感的判断を軽視すべきではないと警告する。

(引用終了)
(引用)
http://tameike.net/comments.htm#new
かんべえの不規則発言


<9月26日>(木)

ウクライナの問題が米国政治を揺さぶっている。これまで「大統領弾劾」に消極的だったナンシー・ペローシ下院議長も、とうとう重い腰を上げて弾劾へ向けての調査を命じた。これをもって、「いよいよ来たか!」と高揚する民主党支持者もいるだろうが、トランプ大統領は「ふっふっふ、とうとうワナにかかったな、ペローシめ!」とほくそ笑んでいるのではないかと想像する。

○これまでトランプ氏は、いろんなやり方で民主党左派を挑発してきた。「スクワッド」と呼ばれる民主党のマイノリティ出身の新人女性議員4人(AOCことアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏など)に対し、「国へ帰れ」」といった差別的な言辞を吐いたのもその一環である。これを言えばトランプ支持者に受けるという読みもあったのだろうが、とにかく彼は民主党を怒らせたい、嫌われたいのである。

民主党の左派が怒り狂うと、中道派はそれを抑えなければならない。そうやって両者がいがみ合うようになればしめたもの。そして大統領弾劾プロセスが始まれば、万に一つも成功することはない。おそらく「民主党はそこまでするのか」ということになって、共和党が有利になる。ペローシ議長は、それが分かっているから「弾劾はしない」と言ってきた。彼女の脳裏には、1998年のクリントン大統領弾劾劇が思い浮かんでいることだろう。

○まあ、言ってみればわが国における二階幹事長みたいなものでありますよ。「韓国許すまじ!」と言って怒っている党内の議員を上手に抑え込む。こういうのがベテラン政治家の持ち味というもので、以前から何度も言っている通り、「ペローシさんはアメリカの二階さん」に見えて仕方がない。もっともこういう味わいは、若者層にはたぶんさっぱり理解されないのだと思うけど。

○そのペローシさんも、「アメリカ大統領がウクライナの大統領に圧力をかけて、バイデン元副大統領の息子の疑惑を追及させようとした」という新ネタには逆らえなくなった。というより、これ以上党内を説得できない、と思ったのかもしれない。いずれにせよ、トランプさんの狙い通りの展開である。

○「えっ?今回のことで、トランプ人気は落ちるんじゃないの?」と思った方は少々甘い。彼の場合、もう、どんなスキャンダルが出ても支持は変わりそうもない。その逆に、バイデン元副大統領のイメージは傷つく。「息子さんが以前、ウクライナでよからぬことをやっていたらしい・・・」てな話は、少し政治に詳しい人なら覚えていることだ。しかし普通の人は知らない。それが今度のことで知れわたってしまう。バイデンの支持率はてきめんに下がることになる。

○RCPの民主党大統領候補の支持率調査をご覧あれ。本日とうとう、1番手のバイデンと2番手のウォーレンが逆転したデータが登場した。以前は2倍以上の差をつけていたのだが。こうなると、やっぱり中道穏健派のジョー・バイデン元副大統領ではなく、進歩派のエリザベス・ウォーレン上院議員民主党の大統領候補の座を射止めるのではないか。

○彼女のキャッチフレーズは、”Warren has a plan for that."である。少し意訳すると、「ウォーレンなら、その問題へのプランがあります」となる。つまり彼女は問題解決型。いろんな問題に対し、きっちりプランを作っている。バーニー・サンダース候補が唱えている「国民皆保険制」(Medicare for all)も、彼女が説明する方が上手なんだもの。そこはさすが元ハーバード大教授であります。

○それに比べると、バイデンなんかは「僕が大統領になれば、みんなが大好きだったオバマ時代に戻れるよ」と言ってるようなもので、いわば「癒し系・回顧型お爺さん」。目覚ましい提案は少ないし、失言が多いのが心配だ。上院議員をとっても長い間やっていたので、過去には矛盾に満ちた投票行動もある。

○そういえば先日、アメリカから帰って来たばかりの中山俊宏先生が、「ウォーレンはオクラホマ出身だから、発音に南部なまりがあって、ゆっくり話すところが受けている」と言っていた。ブルーカラー世帯に生まれて、確かウェイトレスをしながらヒューストン大学を出たとか。それが企業法制を専門とするハーバード大教授となり、リーマンショック後は消費者金融庁の設立に貢献した。上院議員になったのはごく最近のことだ。

○それでもトランプさんの立場になってみれば、たぶんバイデンと闘う方が嫌なんじゃないかと思う。中道派よりも進歩派の方が対立がエスカレートするし。それにウォーレンが相手なら、少なくとも経済界は味方に付いてくれそうだ。ウォーレンの政策はアンチ大企業ですからね。当面の株式市場では、「ウォーレンが大統領になったらどうしましょ」みたいなことがテーマになると思いますぞ。

 


(引用終)