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新世紀のビッグブラザー三橋貴明ブログ
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(見出し)
稼ぐ力
(引用開始)

(前略)
安倍政権が「骨太の方針」と「新成長戦略」を閣議決定しました。

 ***(中略)


本ブログで批判していた構造改革新自由主義的な政策が、全て詰め込まれた形になっています。各政策について整理してみました。
 

 

日経平均を直接上昇させる見込みがある政策】
 ・GPIFのポートフォリオの見直し:世界最大のファンドであるGPIFの株式への投資配分を増やす
 ・法人税の実効税率引き下げ
 

 

実質賃金を切り下げ、企業の利益を増やす政策】
 ・外国人技能実習制度の延長
 ・家事支援外国人労働者の受け入れ(国家戦略特区にて)
 ・年収1000万以上労働者の労働時間規制緩和(いわゆるホワイトカラーエグゼンプション
 ・介護分野における外国人留学生の活躍

 


【既存の市場への新規参入を容易に】
 ・混合診療の大幅拡大
 ・農業委員会・農業生産法人農業協同組合の一体的改革
・PPP/PFIを活用したインフラ運営の実現

 


財政均衡主義】
 ・プライマリーバランスの2020年度までの黒字化
 ・PPP/PFIを活用したインフラ運営の実現
 

 

 今回の「新成長戦略」では、やたら「稼ぐ力」が強調されています。
この「稼ぐ力」という言葉が大好きなのが、ご存知、竹中平蔵氏になります。


 ***(中略)


政府の文書からは、「需要」が常にあり、日本企業の生産性向上の努力が足りない、
新陳代謝が進まず、生産性が低い企業が残っていることが問題、という「思想」が読み取れます。
 

 需要が足りない状況において、新陳代謝も生産性向上もあったものではないですが、
少なくとも政府の文書を読む限り、「需要が十分にある」という立場で書かれています。
すなわち、セイの法則を前提にしているのです。

 ***(中略)

もっとも、個別の企業にとって生産性の向上は常に善です。
何しろ、企業の目的は利益なのです。生産性を向上すると、利益が増えます。
 

 とはいえ、政府の目的は利益ではありません。政府の目的は「経世済民」であり、
国民の豊かさを追求することです。経世済民を推進する場合、
特定企業の利害と衝突するケースもあります。
それでも、国民全体のためにやらなければならない、
あるいはやるべきではないことをやらないのが「政治」だと思います。今回の新成長戦略には、
「企業の利益」は見えても、経世済民の精神は全く感じ取ることができません。
 

 しかも、安倍政権成長戦略が特に問題だと思うのは、「成長する分野」を
政府が勝手に決めつけている点です。
わたくしが「生産性の向上」という言葉を使うとき、
特定の産業分野での投資拡大等を意味していません。
何しろ、どの分野が成長するかなど、事前に人間に分かるはずがないのです。
 

 生産年齢人口減少が続いたとして、特定の分野でインフレギャップが拡大し、
その分野における投資が「儲かる」と民間の経営者たちが判断したとき、
設備投資や人材投資が進み、生産性は向上するでしょう。
すなわち、成長分野を決定するのは「市場」なのです。
 

 構造改革主義者の皆様は、やたら「市場」という言葉を使う割に、
「成長分野」を政府に勝手に決めさせます。
申し訳ないですが、成長分野とは「需要>供給能力」になっている分野です。
例えば、現在の「農業」がインフレギャップ状態ですか? 
農産物や酪農品の供給能力が不足し、価格がひたすら上昇し、国民が苦しめられていますか?
 決して、そうではないはずです。
 

 需要と供給能力のバランスを無視し、政府が特定の分野を「成長分野」を決めつけ、
規制を緩和し、「新規参入」を促進する以上、
 「日本国民ではなく、特定の企業の利益ための政策なのでは?」
  という、疑惑が沸き起こらざる得ないわけでございます。

***(後略)

(引用終了)

 

(私のコメント)

>やたら「稼ぐ力」が強調されています…

どっかで聞いたセリフだ、と思ったら昔現役だった頃天下りの重役が同じことを言っていた。
我々はそれを聞いて「何言ってやんでー、いい気なもんだ」と酒飲んで悪口を言っていた。
稼ぐにはお客さんが居るし、稼ぐのは従業員で重役でない、というのが酒の肴だった。
要するに格好はいいが実質がないセリフで、それを人は敏感に見抜いてしまう。
だから、こういうことを言う重役に人はついてこないで浮いた存在になっていく。
皮肉にも民間企業で、こんな重役が居たら直ぐ排除しないとそれこそ「稼げない」のだ。
「稼ぐ」とは大阪の「儲かりまっか」と同じで、挨拶程度なら御愛嬌だ。
彼らは水面下の涙ぐましい血の出るような苦労を笑い飛ばしているのだから。
大阪の人に「さあ儲ける力をつけよう」なんて言ったら恐らく「しばいたろか」と喧嘩になるね。

しかし、去年は「ネットで薬を売る」が成長戦略で今年は…何これ、あきれたね。

・消費税を上げて法人税を下げる、
・外国人を入れる、
・農業医療に構造改革と称して新しい利権構造をつくる、
・諸悪の根源である財政再建の強化。

政府は三橋さんがおっしゃるように国民を豊かにしないといけない存在だ。
その政府の成長戦略と言うからには国民が将来に希望を持って明日は今日よりも良くなるぞ、
子供たちは自分たちより幸せになれるぞ、と思わせるものでないといけない。
それなのに何だよ、これ…バカバカしさでは、去年と同じではないか。
いっそ、全部逆にしたほうがよほどいいんじゃないか。
消費税下げて、外人やめて、財政再建止めてみろよ、よほど成長するよ。
「戦略」と言うからには例えばエネルギーはどうするのか、インフラはどうするのか、
すこしは考えてくれよ、と…怒りを通り越して泣けてくるよ。


(私のコメント終)