1712-2-1145-12/2メルマガブログ転送北朝鮮暴力は暴力で対応

面白い備忘メルマガブログ紹介
 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2017/11/29


(見出し)
「「米国に逆らうと日本のようになるぞ!」」
From 佐藤健志

(私のコメント)
人間が作る社会というのは、暴力が裏打ちしている、ということを何時も知っていないといけない。
早い話、女が夜外を一人で歩けるのも警察という暴力組織があるからだ。
学校でいじめが無くならないのは、先生が「暴力」を封じられているからだ。
歴史を見ても暴力の変遷がそのダイナミックな動きの大半を説明している。
勿論国際社会もそのルールが適用される。
アメリカはそれを良く知っているから、北朝鮮に対してもその方向で解決しようとするだろう。
ただ、暴力をふるうには「正義」という口実が絶対に必要で、その点「真珠湾攻撃」はアメリカにとって素晴らしいことだった。
これを主導した山本五十六は、ルーズベルト大統領のスパイだとすると、全くぴったりするのだ。
スパイとして命令通り動いてルーズベルト大統領の希望通り奇襲攻撃して、正義の口実を与え、日本を滅亡に導いた。
山本五十六だけでなく海軍はその後も馬鹿げた作戦でアメリカを助けたのだから、彼一人の責任でないかも知れない。
お陰で東京裁判でも海軍はおとがめなしで、大日本帝国の組織としては唯一生き残った。
長くなるから、これだけにするが、アメリカは今北朝鮮を締め上げて暴発を待っているのだ。
北朝鮮もそれを知っているから、今回のICBMロフテッド軌道で打ち上げたのだ。
暴力にはより強い暴力しか効果がない、これは暴力ルールの基本の基本だ。
そして、暴力には正義(主観的でも嘘でもよい)口実が必要というのもルールの内だ。

この記事では北に対して日本のようになるぞ、と脅かす、とあるが、それが日本に対するアメリカの本音だろう。
絶滅したアメリカインディアンの延長線上に日本はあるのだ。
日本人は忘れているが、大東亜戦争敗戦の歴史の中に生きているという事実は暴力世界では当たり前ことだ。
こういう現実から日本人は考えないといけない時期に来ているようだ。

(私のコメント終)

(引用開始)
アメリカで人気の高い深夜トーク・バラエティ番組に、『ザ・レイト・ショー』があります。

20年以上にわたってデイヴィッド・レターマンが司会をやってきたものの、2015年、コメディアンのスティーブン・コルベアが引き継ぐことに。
現在は
『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーブン・コルベア』
が正式名称。

で、コルベアが毎回披露する時事風刺のトークが、YouTubeでも配信されているのですが・・・

11月7日に配信されたトークはこちら。
TRUMP CALLS JAPAN ‘A COUNTRY OF SAMURAI WARRIORS
(トランプ、日本を「サムライの国」と呼ぶ)

題名からも分かるとおり、大統領の訪日がネタ。
ところがここに、なかなか痛烈なギャグが盛り込まれていました。
コルベアいわく。

(ハワイを出たトランプは)東京の近くにある米空軍基地に到着、アメリカの敵どもに断固たるメッセージを送った。

あくまで「米空軍基地に到着」であって、「日本に到着」ではないのがミソですね。
画面は横田基地でのトランプ演説(本物)に切り替わり、発言が紹介されます。
いわく。

ハッキリさせようじゃないか。
いかなる独裁者も、いかなる政治権力も、いかなる国家も、アメリカの意志を見くびるような真似をすべきじゃない。
歴史を振り返れば、そういう連中が時々出てきたこともある。
だが、結果は無残だったよな。
無残なものだったぜ。
(会場の一部から歓声)

なんか大統領というより、マフィアの親分に近い感じですが、ここでコルベアが再登場、トランプの口調を真似てこう言うのです。

オレたちに喧嘩を売ってくるような奴らは、痛い目にあうってことよ。
日本がいい例だろうが。
え? 何?
オレって今、どこにいるんだっけ?
あちゃ、やっちまった。ゴメンな。
https://www.youtube.com/watch?v=oFMQ-5s0f30&index=2&list=PLiZxWe0ejyv8DxlX0JnK11hmWXJ-BXGDL

・・・そうです。
トランプの論理にしたがえば、
〈日本はアメリカに逆らわないかぎりにおいて価値がある国にすぎない〉
のであります。
これぞアメリカ・ファースト

わが国には昨今、アメリカが北朝鮮をつぶすことを期待し、「金正恩、ザマみれ」などと思っている方々がおられる模様。

しかしトランプがこのような発想でいる以上、それらの人々は
原爆投下も、
東京大空襲も、
降伏後の占領政策も、
すべて肯定しなければなりません。
アメリカを見くびった国が、痛い目にあうのは当然の報いなんですから。

だ・か・ら、
「右の売国、左の亡国」と言うのですよ!!

『右の売国、左の亡国 2020年、日本は世界の中心で消滅する』(アスペクト
https://www.amazon.co.jp/dp/475722463X(紙版)
https://www.amazon.co.jp/dp/B06WLQ9JPX(電子版)

実際、太平洋戦争で日本は(主として)どの国と戦ったか、キレイさっぱり忘れているというのでもないかぎり、
金正恩、ザマみれ」系の人々は、こう主張しているにひとしい。

アメリカは、かつて日本を叩きつぶしたように、北朝鮮のことも叩きつぶしてくれるだろう。
やった、万歳! トランプさまさま! 日米同盟をもっと強化しよう!

もはや「自滅史観」としか呼びようがない。
いわゆる「自虐史観」など、これに比べればカワイイもの。
ついでにこの発想、『対論「炎上」日本のメカニズム』(文春新書)で指摘した「知性のめまい」の見本のごとき例です。

だ・か・ら、日本は炎上すると言うのですよ!!
http://amzn.asia/7iF51Hv(紙版)
http://amzn.asia/cOR5QgA(電子版)

総理との共同記者会見でも、トランプは見事にやってくれました。
ブルームバーグの記事をどうぞ。

トランプ米大統領は6日、都内で共同記者会見に臨んだ安倍晋三首相に、
日本経済は米経済ほど強くはないと述べた。

トランプ大統領は日本経済の好調をたたえた後、
「米経済ほど良い状態かどうかは分からない。違うと思う。この状態を維持するつもりだ。日本は2番目だ」
と安倍首相に語り掛けた。
安倍首相はややほほ笑んだが、両首脳が互いの友好と両国の強い同盟関係を強調した後だけに、やや気まずい空気となった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-06/OYZIWR6JIJUR01

ただしこの記事では、発言のニュアンスが十分に出ていない。
英語版に基づいて忠実に訳せばこうなります。

こっちの経済ほど状態が良いかどうかは知らないね。そんなことはないだろう。
違うか?
で、オレたちは今後も、アメリカがトップの状態を維持してゆこうと決めたのさ。
あんたらは2番にしてやるよ。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-11-06/trump-boasts-about-u-s-economy-tells-abe-japan-can-be-no-2

「オレたち」にご注目。
アメリカ経済が世界最強の状態を維持することに、安倍総理も協力するはずだと、トランプは決めてかかっているのです!
続く記述も、忠実に訳せばこう。

安倍総理はかすかに微笑んだが、それは気まずい瞬間だった。
今回の訪日の間、安倍とトランプは、ことさら相手を友人と呼び合い、日米同盟の絆を強調していたのだ。
絆の強さはかつてないものだと、二人はそろって言明した。
その後に「日本は2番」発言が飛び出したのである。

いやあ、日米の絆は揺るぎないものだなあ!!

ちなみにこの発言、アドリブの可能性が高いとのこと。
トランプは土壇場になって、安倍総理、ないし日本を見下さずにはいられなくなったようです。

のみならず。
記者会見でトランプは、「日本はさまざまな兵器をアメリカから買うことになるだろう」という旨を発言、総理もこれを肯定しました。
ところが同発言、ニューヨーク・タイムズの記者が、安倍総理に行った質問にたいして、返事を横取りする形でなされたものらしいのです!
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171122-00000005-withnews-n_ame

「彼らの受けたパシリ扱いは、かつて誰も受けたことがないものと言わざるをえない」
──エドマンド・バーク

『新訳 フランス革命省察 「保守主義の父」かく語りき』(PHP研究所)
http://amzn.to/1jLBOcj (紙版)
http://amzn.to/19bYio8 (電子版)
(※)引用した語句は242ページに登場します。

話を『ザ・レイト・ショー』に戻せば、
安倍総理がトランプへのお世辞を並べ立てたことについて、コルベアはこうコメント。

All right Shinzo, leave a few of the strokes on the golf course.

直訳すれば
分かった分かった、だがゴルフコースでも少しはストロークを決めてくれ。

英語の「stroke」には「(相手を)くすぐる、おだてる、なだめる、あやす」という意味があるので、
それをゴルフのストローク(=ボールを正しく打とうとしてクラブを振ること)とかけているのですが、
日本語にすると洒落が成立しなくなる。
正しく訳せばこうでしょうね。

失礼ながら、イバンカとバンカーの区別をつける方が先では?

ではでは♪


(引用終了)