1903-14-1466-3/24メルマガブログ転送ハノイシンガポール

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●かんべえの不規則発言

(見出し)

(私のコメント)

簡単なベトナムシンガポール旅行記だ。
日本が進出して高級品としてブランドを確立しているようだ。
これから日本が活躍できるのは、中国でなく東南アジアだろう。

(私のコメント終)

 

(引用開始)

ベトナムハノイに来ております。たぶん20年ぶりのことではないかと思います。初めてきたのは1999年11月で、ちょうどこの溜池通信を始めたばかりの頃でした。

○その時は社会主義国を訪れるのが初めてだったので、イミグレで軍人のような係員が威張っていることにびっくりしたものです。それが今ではすっかり様変わり。何しろこの国は、今では入国カードもなければ、イミグレで写真を撮られることさえありません。

○そして、街は夜になると真っ暗になり、まことに寂しく見えたものですが、今ではこうこうと明かりがついている。何しろ今、これを書いているのが地上55階なのですから、推して知るべしであります。

○ひとつ発見したことは、この街の中心部は大統領府があって、大きな広場があって、ホーチミン廟がある。この作りはモスクワと全く一緒ですな。すなわち赤の広場の隣にレーニン廟とクレムリンがある。その昔、社会主義国は揃ってモスクワをまねようとしたのでありましょう。

○おそらくは北朝鮮もそういう国のひとつであって、先の米朝首脳会談にこのハノイが選ばれたことは、そういう意図があったのかと納得します。逆にアメリカから見ると、ベトナムは戦争を戦った後に仲良くなった国であって、最恵国待遇を与える過程では、POW・MIA問題などで随分やりあった相手でもある。でも、「アメリカと仲良くなると、こういういいことがある」と教えてくれる実例でもあったわけです。

○旧市街を訪れると、ここは昔ながらの様子が残っている。でも、やや観光客モードになっているのは、浅草みたいなものですかな。街中を走るクルマの量が増えましたが、オートバイも相変わらず元気に走っています。これぞベトナム。経済成長率7%は伊達じゃありません。いや、それにしても20年間には大きな変化があったものだと感心しております。アッパレなり、ハノイ


<3月22日>(金)

○暑い、あつい、アヅイ。昨日、今日のハノイはとっても暑いのだ。今週末になると雨が降って寒くなるという噂もあるのだが、気温が30度超えたらもう夏到来だよね。空気はあまりキレイではないのだけれども、市内にあるホアンキエム湖のそばを歩いていて、ほんのり風が吹いたときなどはホッとする瞬間である。

○出発の前夜に慌てて夏物のブレザーを取り出したのだが、これだって着ちゃいられない。半袖シャツで歩いていると、道端で何かを売っている人が居たり、何をするでもなくお茶を飲んでいる人たちが居たり、所在無げにスマホを見ている人が居たり、そうかと思えば縁台将棋(というか、中国式の将棋らしい。いくら目を凝らしても、どれが王様なのかが分からない)をやっている人たちが居る。この人たちはいったい何をしているのだろう。

○市内を歩いていて、ちょっと感動したのがホアロー収容所である。フランス植民地時代のもので、それはそれは残酷なつくりになっている。フランス人はひどいことしますなあ。場所は違うけど、スティーブ・マックイーン主演の『パピヨン』という映画を思い出す。ホアロー収容所は後にベトナム戦争時に、アメリカ人捕虜を収容する施設に転じた。いわゆる「ハノイヒルトン」である。その中には若き日のジョン・マッケイン三世もいたのであった。

○そうかと思えば、ベトナム軍事歴史博物館(本日は休館)には、中国人観光客が何十台ものバスを連ねてやってきている。察するに陸路をたどってここまで来ているのであろう。ミグ21なんぞが飾ってあるが、およそオモチャのような戦闘機であって、こんなものでよく戦争したわなあ、と感心してしまう。2015年に「国宝」に指定されたそうですが。

○こんな中で、昔と変わらぬ仕事を続けているのが商社駐在員の皆様方である。世の中が移り変わるにつれて、欧米ではどんどん事務所を縮小しているのだが、それでも東南アジアでは今も変わらず商社らしいフィールドが残っている。おそらく世界経済に占める日本のシェアは、これからもどんどん低下が続くのだろうが、「ここで負けたらアキマセン」というのが東南アジアであろう。

○ここハノイは「米中貿易戦争」の論理的帰結として、今は中国に代わる製造業の拠点として脚光を浴び、どんどん外から投資がやってきている。果たしてこの繁忙、どこまで続くのか。とにかく若くて、暑くて、元気な国なのである。ベトナムは。


<3月23日>(土)

ハノイの空港では、ベトナムエアーのゲートは超満員なのである。大きな荷物を抱えた善男善女が並んでいる中で、思わず溺れてしまいそうになるのですが、ともあれ何とか便には間に合う。そこから3時間余りで到着するのがシンガポールである。

○どうしてハノイシンガポールになるのかというと、別段、トランプ=金正恩会談の後を追っているわけではなくて、たまたまそういうことになっただけである。ともあれ、元気のいいASEAN新興国から、元気のいいASEANお金持ち国へ。チャンギ空港に機体が着陸して、ホテルの部屋に入るまでは1時間以内。何なんだ、この手際の良さは。

○現地では佐藤夫妻にご案内いただく。それにしても、当地における「ドンキ」の盛況ぶりにはあっけにとられました。繁華街のど真ん中のビルが、ユニクロ東急ハンズZoffなどの日本資本に占領されていて、地下街はドンキなのである(ドンキホーテ、という名前は既にスペイン資本によって登録済みであったとのこと)。

○すごいんですよ。ワンパック1500円もする「あまおう」が売れています。鮮魚コーナーでは、Buri Kirimiとか、GINDARAとかを売ってます。北海道産干しアワビ、干しなまこ(バカ高い)を見た時には頭がくらくらしましたな。もちろん和牛も人気です。日本のコメも十種類以上売ってます。

○さらに当地では、"Hokkaido"が絶大なブランド価値を有している。北海道の海産物はもとより、ラーメンから豚丼、さらには余市などのウイスキーまで売ってます。「毎年、北海道に通っている」人もいるのだそうで、なるほどインバウンドのブームというのは、相当に腰の入ったもののようです。

○いかにもドンキらしい点としては、ガチャポンを置いていて、そこにはガンダムやキティちゃん、ピカチュウなど、一通りの日本製アイテムが揃っています。しかもコインは40SDとか30SDとかですから、気分的には500円玉ですね。現地の小学校では「ベイブレード」も人気になっていて、なんとNetflixが英訳して放送しているんだとか。

○日本の感覚から行くと、何より道行く人の若さが感動的です。しかも暑いものだから、皆さん薄着なんですね。さすがは常夏の島。こんな風に若い人が元気な一方で、お店のお掃除をしているのは高齢者だったりする。世界経済の最先端を行く当地の経済は、繁栄もあるけれども矛盾もありそうだ。

○どれ、ちょっと酔い覚ましにカジノにでも行ってくるとするか。今日は土曜日。夜は長いのである。

 


(引用終)