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万国時事周覧


(見出し)
アメリカ大統領選挙が問うマジョリティーとマイノリティーの問題

(私のコメント)
アメリカはマジョリティーとマイノリティー、1%の富裕層と99%の一般貧困層という風に国が分裂してバラバラになってきた。
今まで、アメリカという国を築いてきた白人層が貧困に落ち込んでいるというのがポイントだ。
アメリカ史を読めばわかるが、白人は自分たちが他の民族に優越しているのは「勇敢であること」「フェア(公正)を尊ぶ」
等の道徳律を持っているからだと考えている。
典型的な人が、セオドアルーズベルトだ。
アメリカが行った戦争は全て白人が先頭に立って勝ち抜いてきた。
彼らはアメリカを血と命に代えて繫栄させて来たのだから不満は大きいだろう。
白人層が貧困化する、ということは、いくら1%の富裕層が白人であっても国家の変質は明らかだ。
世論調査のデータから見て、クリントンが当選するようだが、当選した後が大変だろう。
アメリカは議会の方が大統領より優位にあるから、同時に行われる上院の選挙の方が注目だ。
もし、上院が共和党多数なら相当混乱が続くだろう。
日本にも影響が大きい。


(私のコメント終)

 

(引用開始)
アメリカ大統領選挙が問うマジョリティーとマイノリティーの問題

2016-11-08 14:26:15 | アメリカ
【米大統領選】両候補が「最後のお願い」 重要州を遊説 クリントン氏3州、トランプ氏5州
 今般のアメリカの大統領選挙の対立軸は、”民主的な政治”に対する認識の違いによっても描けるように思えます。何故ならば、これまでのアメリカ政治は、共和党でさえ、どちらかと言えばマイノリティーの保護を以って”民主的な政治”と見なしてきた嫌いがあるからです。

 ところが、今回の大統領選挙では、共和党の候補者としてトランプ氏が登場したことにより、この流れは大きく変わることとなりました。トランプ候補の主たる支持層は白人労働者層とされていますが、この層は、決してマイノリティーではありません。アメリカ市民の中核をなすマジョリティーであり、過去のアメリカ史を振り返りますと、超大国アメリカへの階段を共に歩み、その繁栄を支えてきた一般市民でもあります。そして今や、この層は、急速に進展したグローバリズムの煽りを受け、”お荷物”扱いされかねない苦境にあるのです。トランプ候補は、没落の危機を意識したマジョリティーに対して政治的覚醒を促したとも言えるかもしれません。民主的政治とは、多数者の幸せを目指すはずなのに、何故、既存の政治はマジョリティーを見捨てるのか、と…。

 その一方で、民主党は、労働者層を支持基盤としながら、リベラルな思想に基づくマイノリティー保護を政治信条としていますので、マジョリティーには比較的冷淡です。この信条は、マスコミとも共有しており、昨今のトランスジェンダーの世界大での政治アジェンダ化がどこか奇異な印象を受けるのも、マイノリティー保護への執着によって説明することができます。また、今日のグローバリズムでは多国籍企業は常識であり、これらの企業の株主やCEOも外国人が占めていますので、マイノリティー保護には資金面でも強い味方が付いています。弱者の味方であったはずの民主党は、”1%の富裕層”の支持をも受けたことで、一般白人労働者を中心とした大衆政党としての性格が薄れているのです。

 本日、11月8日の投票によってどちらの候補者が当選しようとも、マジョリティーとマイノリティーの間に横たわる問題がこれで幕を閉じるわけではなく、今後も、アメリカ政治を舞台に鋭く対峙してゆくことでしょう。大統領選挙は”終わり”ではなく、民主的な政治のあり方を問う”始まり”となる予感がするのです。


(引用終了)

 

(引用開始)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
新世紀のビッグブラザー
三橋貴明
アメリカ大統領選挙~両親の所得と資産~

 

 アメリカでは、所得上位1%が全体の所得の22.5%を得ています。所得上位10%になると、約50%です。

 現在のアメリカの所得格差は、前回のグローバリズムの終着点であった1929年と同じ水準です。

 資産の方は、所得以上に格差が拡大しています。

 2014年、アメリカの資産上位1%の超富裕層が所有する資産合計が、資産下位90%の国民が所有する資産合計よりも多いことが公表され、世界に衝撃を与えました。

 世界最大の小売サービスであるウォールマートの創業者、故サム=ウォルトンの一族が所有する資産額は、何と1486億ドル(約15兆円)。「一族」とはサムの子供たち六名になりますので、平均すると一人当たり3兆円弱でございますね。

 なぜ、資産の方が所得よりも格差が拡大しがちかといえば、当然ながら資産は「相続」されるためです。

 サム=ウォルトンの子供たちは、別にウォルマートを創業したわけではありません。偶々、サム=ウォルトンの子供として生まれた結果、兆円単位の資産を相続したのです。

 わたくしが「グローバリズム」「自由競争」「自己責任」といった論調に疑問を感じるのは、そもそもスタートラインが同じではないためです。

 自由な市場で各人が努力し、フェアに競争し、勝ち組と負け組に分かれ、結果は自己責任。

 何しろ「フェア」に競走した結果なのだから、仕方がないではないか。
 と言われても、例えばサム=ウォルトンの子供たちと一般庶民では、
「そもそも、スタートラインが違うだろ!」
 と、反論したくなってしまうのです。

 当たり前ですが、同じ「資本利益」を稼ぐというゴールがあったとして、兆円単位の資産家と、特に資産を持っていない人では、端から勝負になりません。さらに、トマ・ピケティが指摘した通り、資産利益は所得を上回りがちです。

 r > g なのです。

 すなわち、資産家の子供たちと、一般庶民の子供たちとでは、所得(※資産利益含む)についても差が生じざるを得ないのです。この「差」は、ほとんど覆すことが不可能です。

 さらに、アメリカは(最近では日本でも)教育費が高騰しています。

 所得下位層の子供たちであっても、高等教育を受け、中間層、所得上位層に上るという道までもが、塞がれてしまっています。両親の所得という、本人にはどうにもならない事情で教育に「差」が付き、スタートラインが変わってしまうわけでございます。

 無論、奨学金という手段がないことはないのですが、アメリカでは奨学金も「ビジネス」です。巨額な有利子奨学金という「負債」を背負わなければ、大学を卒業できないのでは、やはりスタートラインが違います。(最近では日本でも有利奨学金が問題になりつつありますが)

 民主党の予備選で、バーニー・サンダースがあれ程までに若者の支持を得たのは、
公立大学の学費無料化」
奨学金ローン対策」
 といった政策を訴えたためなのです。

 さて、結論ですが、現実にはスタートラインが異なるにも関わらず、あたかも「フェアな競争」が繰り広げられているかの如く装うグローバリズムは、大きな欺瞞を抱えているという話です。人間は、平等ではありません。本人の能力や努力はともかく、「両親の所得と資産」はどうにもならないのです。

 この手の「どうにもならない格差」を解消することに成功したのが、戦後からサッチャー登場までの西側諸国だったわけです。サッチャリズムレーガノミクス以降、世界を欺瞞に満ちたグローバリズムが席巻し、
「スタートラインが同じなのだから、結果は自己責任」
 という嘘が、まことしやかに語られていたわけですが、この「嘘」が暴かれつつあるのが、現在のイギリスであり、アメリカなのです。

 さて、アメリカ国民はいかなる結果を出すのでしょうか。

 

(引用終了)