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http://www.sankei.com/region/news/160707/rgn1607070007-n1.html
産経ニュース
投票日を前に声にならぬ民意、見下すな
せ・てるひさ 施 光恒


(私のコメント)
この人は九州大助教授だが、イギリスで勉強している。
イギリスで勉強した人は信用が置ける。
ドイツやフランスで勉強した人は絶対に信用してはいけない。
アメリカも良くないし、特に経営学などを専攻した人はダメだ。
これは鉄則で、これを基準にすると、論説を読むとき選別して読めるから時間の無駄がなく都合がいい。
このように読者側も選択して読まないといくら時間があっても間に合わない。
上記の区分の仕方は哲学、つまり基本の考え方がイギリスの方が良いからだ。
なぜ良いか、というと「経験論」と「観念論」の違いなのだが、ここでは長くなるので止めておきます。
いずれ古田博司先生の本を紹介しようと思っているのでその時書けるでしょう。

施先生の今度の英国のEU離脱に関する別のメルマガを要約して紹介しよう。
書いてあることはとても正鵠を得ていると思う。
下記にコピペした新聞記事と重複する部分があるので、そういう部分を除いて簡単に書きます。
1.英国はいくつかの深刻な分断が国民にあって英国の国民統合を脅かしている。
グローバル化で裨益するエリート層とそうでない一般庶民、」
グローバル化で裨益する大都市とそうでない地方都市、」
離脱派イングランド残留派のスコットランド
(他に移民で儲かる人と納屋されている人という分類もあるだろう)
2.国民の連帯意識がないと国はうまく行かない。だが、英国は国民統合を再生できるか。
今のところ大変難しい。残留派のエリート層に対話する気がないので離脱派との和解は難しいだろう。

3.日本は英国に再三再四残留を呼びかけていた。今回の投票結果も批判がおおい。
日本の財界人や政治家は、多くの人たちが「グローバル化は常にハッピーで進歩的で絶対的に正しいものだ」と強く信じている。
EUの統合化の流れは否定しようもなく良いもので、人類の理想だ、逆に国の枠組みにこだわることは遅れた古いことで望ましくない、と考える。

4.だが、「グローバル化は多くの一般庶民の貧困をもたらし、生活基盤を破壊する、」とか、
グローバル化国民主権を奪われ民主主義の観点からも望ましくない、」というようなことに思いを致さない。
(移民によって社会が破壊されるきけんもあるだろう)
英国も大変だが、日本もグローバル化を妄信する政治家や財界人が多数いて我が国の将来もかなり危ない。

(引用終)


(私のコメント終)
(見出し)
投票日を前に声にならぬ民意、見下すな

(引用開始)

  「既存の政党が民意を十分に取り込めていない」。そういう懸念を最近よく耳にします。米大統領選では、共和党でも民主党でも非主流派候補が大躍進しました。EU離脱を巡る英国の国民投票でも、保守党と労働党それぞれに離脱派残留派が存在し、既存政党が世論をまとめ切れていないのが明らかでした。

 なぜ既存政党が民意を取り込めなくなってしまったのか。英国の国民投票後の論評を見てその一因がわかりました。英国内外の評論家やマスコミの論調は、離脱派の選択を頭ごなしに非難するものが大部分でした。「『理性』が『感情』に敗れた」「悪しきポピュリズム大衆迎合主義)の噴出」など、離脱派の選択を非合理なものと見下す論評があふれました。

 離脱派に対するこうした批判は一面的です。離脱派の主張の根幹にあるのは、国民主権の回復という至極まっとうなことです。例えば、「移民をどの程度受け入れるべきか」「どのような人々を受け入れるべきか」など国の形に関わる重要問題の決定権を、EU本部から自分たちの手に取り戻したいという願望は、賛否は分かれるとしても別に非合理ではありません。

 米大統領選のトランプ氏の躍進に関する論評にも同様のことを感じます。トランプ氏の言動は確かに乱暴なものも少なくない。ですが、同氏を支持する人々の背景にあるものを軽視せず、見つめる必要があるでしょう。

 英国の国民投票、米国のトランプ現象の背後にあるのは、過度のグローバル化に伴う経済的格差の拡大です。また、多くの事柄が「グローバル化の時代だから仕方がない」と片付けられてしまう傾向に対して庶民が抱く政治的無力感です。

 そもそも政党の役割、あるいは評論家やジャーナリストなど「知識人」を自認する人々の役割の一つは、いまだ十分に言語化されていない市井の人々の声に耳を傾け、実現可能な世論の一つとしてまとめ上げ、代弁していくことでしょう。にもかかわらず、英国の国民投票や米国のトランプ現象をめぐる論評を見る限り、離脱派やトランプ支持者の声を「感情的な反発」「危険な極右的意見」など「病理的」だと断定するばかりで、この役割が十分に果たされていません。

 政治家や「知識人」の多くは、グローバル化への流れを自明視し、それに反対する声を「非合理」「危険」と決めつける傾向が強いからでしょう。この決めつけこそが、既存政党が民意を十分に取り込めない現象の背後にあるのではないでしょうか。

 この現象は、残念ながら日本でも生じつつあります。参院選がいまひとつ盛り上がらないのはそのためではないでしょうか。実際、東日本の一部の県では、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に関する与党の対応への不満のためJAなど農政団体が自主投票に回り、事実上の保守分裂選挙となっています。

 また、民泊解禁や外国人単純労働者の受け入れ検討の開始などグローバル化路線一辺倒の安倍政権の成長戦略に、保守層の中に違和感を覚える人々は少なからずいます。しかし、彼らの不満には受け皿がありません。

 政治家や「知識人」は、一般の人々の違和感や不満に真摯(しんし)に耳を傾け、グローバル化路線を自明視せず、これを批判的に見ていく必要があります。そうしなければわが国でも、英国や米国と同様、近い将来、取りこぼされる国民の声が大きくなり、政治的混乱を招いたり、国民統合が揺らぐ事態が生じたりするのではないでしょうか。

 

 


(引用終了)