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マネーボイス
消費税は廃止しかない。財務省データで暴く財務官僚「亡国の過ち」=矢口新

2016年7月5日

(私のコメント)

少し古い記事になるが、消費税について大変面白い良い論考なので紹介します。

(要約)
1.「消費税ゼロ」こそ財政再建の道なのだが、財務省は逆の政策である増税を行って財政再建をしようとしている。
そういう失敗、間違いの政策を続け、日本を苦しめ外国に有利に亡国へと向かわせているのはなぜか。
少なくとも直ちに消費税を廃止する必要がある。
取りっぱぐれがないので、財政再建には欠かせないと、財務省与野党の有力者たち、多くの学者たち、経営者たちが主張している。
取りっパグレがないという、そのこと自体は正しいが、全体でみると間違っているのだ。
「景気後退時でも消費税収なら安定している」とは、すなわち、飢饉の時にでも年貢が取れるという意味だ。
植民地国家における最悪の非人間的な税金と言われる「人頭税」と同じものだ。
そのしわ寄せは、間違いなく教育や先行投資といった、未来にかける資金の減少につながる。
若者が未来を犠牲にして稼いだ1円を、財政再建と称して国が持っていく。

2.日本の税収は消費税が平成元年(1989年)4月に導入された翌年60.1兆円のピークをつけて以降、現在まで27年前に遠く及ばない。
歳出と税収の差額である赤字幅は拡大しており、国債で埋め合わせするから、いわゆる国の借金は(これは嘘で正しくは政府の借金)一千兆円をこえた。
消費税導入で国債発行は増える効果がある。
3.税収の内訳をみると、法人税は消費税を導入した平成元年にピークをつけて現在は半分以下になっている。
所得税も右肩さがりだ。
日本の税収低迷の原因は消費税導入後に法人税所得税が急減したことにある。
4.景気後退期は法人税所得税ともに減少するが、消費税は着実に推移する。
消費税は景気に関係なくほぼ横ばいに推移する。今後消費税を増税すると、法人税所得税はさらに減少する。
2015年の実績では所得税と消費税の税収はほぼ同額だった。これが今後消費税の方が多くなる。
つまり、景気が後退しても拡大しても税収は増えない構造になる。
そうすると、更に消費税を上げないと歳出を賄えなくなり、更なる消費税増税の悪循環に陥る。
5.なぜ消費税増税後に法人税所得税が急減したのか。
法人税所得税の課税ベースは日本の「名目経済成長率」GDPだ。
このGDPの6割は「個人消費」だから、ここに課税すると、日本経済は縮小に向かう。
日本経済の縮小は少子高齢化労働人口高齢化、円高などの要因も言われているが、個人消費に税をかけたのが最大の原因だ。
6.消費税で取り上げたカネを政府がうまく使えば、消費が行われることに変わりがないので、経済成長には変わりはないはずだ。
だが、それは無駄に使われ、日本経済を縮小させることになった。
増税後は成長が止まり、税収は減り、歳出は増え、政府の借金は増え続けている。
政府は失敗の連続だ。経済成長させたいなら直ちに消費税をなしにすべきだ。
7.法人税収の減少には消費税の他に別の要因がある。
法人税は消費税を導入した平成元年度(1989年度)から減税された。
従って景気が回復し、企業収益が回復しても税収は増えない構造となった。
法人税減税と消費税増税はアメリカの日本潰しの要求との勘ぐられても仕方がない。
法人税減税は企業の競争力を高める為に行われたが、結果は企業の競争力は落ち、法人税収も落ちた。
8.法人税収の減少にはもう一つの要因があって、欠損法人が7割を超えていることだ。
欠損法人が生き続けるのは、市場経済ではあり得ないが、それが生き続けるのは、それを存続させる国の政策が行われている、ということになる。
消費税導入と法人税の引き下げは政府を仲介して個人から企業に所得移転を行っているに等しい。
正規雇用から非正規雇用への転換も個人から企業へに所得移転を意味する。
しかし、この法人税減税と消費税増税の税制改革で得したのは個人でもなく法人でもなく国でもない。日本全体が貧しくなった。
このような状態でも政府、財務省与野党の有力者たちは、同じ亡国の政策を推し進めている。狂気の沙汰だ。
9.国外でも欧州など間違った経済政策で国が疲弊している。
日本の状態も同じで、何か悪意が感じられる。
景気後退時でも消費税収が安定していることの恐ろしさを真剣に考えてみるべきだ。
また、景気拡大期に税収の伸びがないのでは、どうやって借金を返すつもりか?
消費税を破棄して、経済成長による所得税収増に賭ける忍耐が必要だ。

(私のコメント終)

 

(引用開始)

(見出し)
現在の消費税率は8%だ。安倍首相が2017年4月に予定されていた10%への引き上げを、2019年10月へと、2年半延期すると決めたことで、
財政再建はどうするんだ?」「社会保障の財源はどうするんだ?」との懸念が起きている。

安倍首相は財政再建を諦めたのだろうか?増え続ける社会保障費の財源はどうなるのだろうか?
そういった点を、財務省がWebサイトで提供しているデータをもとに、共に考えてみたい。(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』矢口新)

プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。
アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。

※本記事は『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』(2016年7月4日号)の抜粋です。
興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です!

「消費税ゼロ」こそ財政再建の道、答えは財務省サイトにあった

今の税収は27年前の約9割

以下の資料は、2016年6月時点に財務省のWebサイトにあるもので、データとしては少し古く思えるが、
私の「そもそも論」には十分に活用できる本質的な問題が示されているので、そのまま引用する。

消費税率3%が導入されたのは平成元年(1989年)4月だ。
日本の税収はその翌年度に60.1兆円のピークをつけ、以降の税収は現在に至るも27年前に遠く及ばない。

そして、平成9年(1997年)4月に消費税率が3%から5%に引き上げられ、その年度に税収の次のピーク53.9兆円をつけてから以降は、
グラフにはないが2015年度の56.3兆円まで、18年間更新できないできた。

【関連】いつまで安全?「リスク回避の円買い」に走る外国人のナニワ金融道=東条雅彦

つまり、前2回の消費税率引き上げでは、直後に税収がピークをつけたが、今回の5%から8%への引き上げでは、
何とか、前回のピークは超えることができた。とはいえ、税収はこの27年間で約1割減っている。
一方で、歳出は基本的に増え続けてきたので、累積赤字が膨らむことになった。

歳出と税収の差額である赤字幅は拡大中で、公債(国債)を発行することで穴埋めしてきた。
そして、いわゆる「国の借金」残高は、2015年度末時点で1049兆3661億円になったと発表されている。

日本の財政と公債発行額
日本の財政と公債発行額
景気拡大期でも法人税収の伸びは弱く、所得税収は横ばいか減少

ここで税収の内訳をみると、最大の財源は赤色線で描かれた所得税となっている。
黄色線の法人税とは、法人の所得金額などを課税標準として課される税金で、広義の所得税の一種だ。
これが、消費税を導入した平成元年にピークをつけ、現在はその半分もない。

企業経営者の団体が概ね消費増税に賛成なのは、法人税を払いたくないからなのかと疑いたくなるくらいだ。

所得税の方も、導入2年後にピークをつけた後は、右肩下がりの展開となっている。
これで見ると、日本の税収低迷の原因は、消費税導入後に広義の所得税が急減したことにあることが分かる。

税収の内訳
税収の内訳
グラフの青色部分は景気後退期だ。景気後退期には、所得税法人税も減少する。
これは企業収益の悪化、給与所得の低迷などを勘案すると、十分に納得がいく。
しかし、消費税導入後は、景気拡大期でも法人税収の伸びが弱く、所得税収に至っては、横ばいか減少する。

一方で、税率を引き上げた消費税収は着実に増えている。これが、増税派が財政再建に役立つとする論拠だ。

とはいえ、消費税収の伸びは景気拡大期、後退期に関わらず、ほぼ横ばいに推移する。
このことは、8%から10%への増税では、消費税収は3兆円ほど増えることが予想できるが、それ以上でもそれ以下でもないことを意味する。
一方で、所得税収や法人税収は、これまでの例では、更に減少することが見込まれる。
2015年度の実績では、所得税収と消費税収はほぼ同額だった。

このトレンドが続けば、日本の税収の最大の財源は消費税収となるが、それは税率を10%に引き上げても20兆円がいいところだ。

税収のボトムは平成21年度(2009年度)の38.7兆円だが、消費増税後は所得税収の減少により、景気後退期に落ち込むことはもとより、
景気拡大期でも、税収がそれ程増えないような構造になってしまう恐れが生じる。

つまり、歳出が100兆円もあるのに、税収の上限が50兆円を切るようなことも想定され、
財政再建はどうするんだ?」「社会保障の財源はどうするんだ?」との懸念どころではない、恐ろしい事態が出現しかねないのだ。

なぜ消費税導入後に広義の所得税が急減したのか?

では、なぜ消費税導入後に広義の所得税が急減したのだろうか?ここで課税のベースとなる日本の名目経済成長率を見てみよう。

日本の名目GDP
日本の名目GDP
日本経済の規模は平成9年(1997年)にピークをつけた。
この年の4月に消費税率が3%から5%に引き上げられているが、そのことが日本経済の成長を止めたようなことがあり得るのだろうか?

私は消費増税が日本経済低迷の主要因である可能性は、十分に考えられると見ている。
上記のグラフの緑色の縦棒は個人消費だ。ご覧頂けるように日本経済の約6割を占める最大のエンジンだ。

消費税は基本的にここに課税する。
取りっぱぐれがないので、財政再建には欠かせないと、財務省与野党の有力者たち、多くの学者たち、経営者たちが主張しているところだ。

例えば、個人消費を分かりやすく100兆円で推移していたとしよう。
これは企業の売上となるので、ここから企業は給与を払い、負債があれば利息を払い、法人税を払い、設備投資や、研究開発費などをねん出する。
これが平成元年からは3兆円天引きされ97兆円に減ったことになる。

実際の経済成長はその後も続いたが、法人税収はその年にピークをつける。
個人が支払う所得税収も2年後にはピークをつける。
これは、すべての原資となる売上が97兆円(100%-消費税3%=97%)に減少したためではないのか?

そして、消費税率が3%から5%に引き上げられた平成9年(1997年)からは、企業の売上は5兆円天引きされ95兆円に減少した。
日本経済そのものが縮小に向かうことになったのだ。

「官は公正で資金の使い方がうまい」という自惚れ

日本経済の規模が約20年前から縮小していること自体には、いくつかの要因が考えられる。
少子高齢化労働人口高齢化、そして円高による競争力低下などだ。
しかし、日本経済の最大のエンジンである個人消費にブレーキをかけたことが、縮小に追い打ちをかけた可能性が高い。

では、天引きされた5兆円(現在は8兆円)はどこにいったのか?
いったん国庫に入り、政府や官庁による公共投資社会保障費を含む支出(歳出)となった。

もし、これがうまく使われていたのなら、グロスの売上そのものは同じなのだから、経済成長が止まることはないはずだ。
インフラ整備などの拡充でビジネスが効率的になり、社会保障が新たな労働や労働人口を作り出すことも可能だからだ。

しかし、国や地方自治体の資金の使い方を見ていると、政治家や官僚が正しい資金の使い方を知っているとは思えない。
いちいち事例を挙げるのが嫌になるほど無駄に使われ、日本経済を縮小させることになった。

増税は、「民間よりも、官の方が公正で資金の使い方がうまい」という自信がなければ、日本経済にマイナスとなり、成長も社会保障もダメになる。

仮にこれまでの増税が、そういった自信の表れからだったとしても、20年近くも悪化させた事実には変わりがないので、
今後も同じことを継続されては堪らない。
増税後は成長が止まっただけでなく、税収すら減ったのだ。その間、歳出は増え続けたので、政府の借金は増え続けている。財政は悪化の一途だ。

それでも私は、政治家や官僚が、私利私欲や個人的野心だけで「政治生命をかけて」増税し、無駄遣いし、
日本経済を駄目にしてきたとは、思いたくない。

一貫した個人から企業への所得移転

平成元年に始まった消費税の導入と、それに伴った法人税率の引き下げは、政府を仲介に、個人から企業への所得移転を意味する。

ほぼゼロ金利政策やマイナス利回りで、貯蓄や年金、保険資産を侵食し、ゾンビ企業を存続させることも、個人から企業への所得移転を意味する。

正規雇用から非正規雇用への転換も、個人から企業への所得移転を意味する。

その意味では、昭和末期以降の日本の経済政策は、一貫して個人から企業への所得移転を意味している。

個人と企業、どちらを優遇すべきかについては、あえて触れないでおこう。
インフレ政策が狙っているように、企業を優先することで国が栄え、結果的に個人が恩恵を受けるのなら、意見の相違があっても、
議論の余地があるからだ。

問題は、個人から企業への所得移転を進めたことで、個人資産が侵食されたことはもとより、
日本経済そのものが縮小し始め、税収が急減し、国の財政が破綻状態となったことだ。
優遇されたはずの企業も以前のような輝きがない。

つまり、この税制改革で得したのは、個人でも企業でも、国でもない。一部で富の独占があるのだろうが、少なくとも日本国内の大半が貧しくなった。

にもかかわらず、政府、財務省与野党の有力者たちは、インフレ政策を採り、財政再建を建前に消費税率の更なる引き上げを画策し、
マイナス金利政策でゾンビ企業の更なる延命を図っている。

つまり、個人から企業への所得移転を更に押し進めようとしている。
これだけの資料を用意している財務省が、これで財政再建ができると信じているとは思えないのだが。

飢饉の時でも年貢は取れる」の恐ろしさ

国外に目を向けると、サブプライムショック後のユーロ圏諸国では、住宅バブル崩壊後の景気後退時に利上げされ、傷口が大きく広がった。
また、リーマンショック後に財政出動を試みた国々の首長は例外なく全員解任され、後任の首長が緊縮財政を受け入れた。

経済危機時に利上げしたり、緊縮財政を行うことは、教科書的にも破壊的な行為なのだが、現実にそれが行われ、
それらの国々の経済は文字通りの破壊的な打撃を受けた。

その後、ECBがマイナス金利政策、量的緩和政策を採ってからは、それなりに回復してきているが、今も多くの国の失業率は2ケタ台から下がらない。

経済危機時の利上げや緊縮財政とは、例えれば、震災などで税収が落ちたところに復興予算を組む代わりに、
財政再建と称して予算を削り、支払い金利を引き上げ、公務員を解雇するようなことだ。これは実際にギリシャなどで行われた。

そして債務返済のために民営化された港湾をはじめとしたインフラ設備を買ったのは、主にドイツと中国だった。
これは、はっきりとした「悪意」なのだが、ユーロ圏の取り決めということで押し切られた。

そういう事実を目の当たりにしていると、社会保障費の財源確保のために消費税率を引き上げたということにも、
「悪意」がないかを検証する必要があるかもしれない。

これまで述べてきたように、消費税導入と法人税率の引き下げ以降、日本経済は縮小を続け、税収が減り、国の財政が破綻状態となった。
そして、日本全体が貧しくなった。ここでの更なる消費税率の引き上げで財政再建が成ると言うのは、詭弁でしかない。

百歩譲って、それでも所得税収は景気に左右されるが、消費税収は安定している点は認めよう。
とはいえ、「景気後退時でも消費税収なら安定している」とは、すなわち、飢饉の時にでも年貢が取れるという意味だ。
そのしわ寄せは、間違いなく教育や先行投資といった、未来にかける資金の減少につながる。

夢など追っていないで、カネにならない勉強などしないで、働いて1円でも稼げという考え方だ。
そして、若者が未来を犠牲にして稼いだ1円を、財政再建と称して国が持っていく。

スペインでは財政再建のために、多くの雇用が犠牲になった。20歳代の若者の約半数が5年ほども仕事につけないでいる。
私は、半数の若者が長期間、労働力とならないで、その多くが社会保障費を受け取って、それで財政再建がなるという考え方が理解できない。

この考え方は、スペイン人の考え方というよりは、EU政府や国際機関の考え方だ。
私は、スペインは、その未来も幾分かは侵食されたのではないかと思う。

政府が財政の健全化を願うならば、消費税を0%に

雇用市場に関する限り、アベノミクスは大きな成果を上げたが、日本の未来を考えるのなら、
景気後退時でも消費税収が安定していることの恐ろしさを真剣に考えてみるべきだ。
また、景気拡大期に税収の伸びがないのでは、どうやって借金を返すつもりか?

政府が財政の健全化を願うならば、財務省が用意している資料を正しく分析し、消費税を破棄して、
経済成長による所得税収増に賭ける忍耐が必要だ。

仮に経済が成長し、利益が上がっているのに税収が増えないのなら、税率を上げるべきは法人税所得税だ。

種まきや若木の時期に刈り取ってはいけない。収穫は、豊かな果実ができるのを待ってからにするべきなのだ。

 

 


(引用終了)