1904-2-1470-4/3メルマガブログ転送トランプ大統領演説2

(優秀メルマガブログ紹介)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63842
海野 素央明治大学

(見出し)
トランプ「勝利宣言」の会場で私が見た、アメリカの恐るべき現実
「すべてQの予測通りになったわ」

(私のコメント)

1903-10-1462-3/19メルマガブログ転送トランプ大統領誕生裏話
https://twitter.com/David_R_Stanton/status/1106837660801236992
Ricky_Elwood

1903-16-1468-3/30メルマガブログ転送トランプ大統領落語演説
グランドラピッズでのトランプ・ラリー

上記記事の続きで、詳しい説明です。

(私のコメント終)

 

(引用開始)
徹夜で並ぶ支持者たち
ドナルド・トランプ米大統領は3月28日、米中西部ミシガン州グランドラピッズで支持者を集めた集会を開催しました。筆者は今回、この集会に足を運び現地の人々に話を聞きましたので、その内容をお伝えしましょう。

ウィリアム・バー米司法長官は「ロシアゲート」に関するモラー報告書の概要を書簡にまとめ、3月22日、米議会に提出しました。その中で、バー長官は「トランプ陣営とロシア政府の共謀及びトランプ大統領司法妨害は認定できなかった」と結論づけています。

約22カ月に及ぶ捜査の結果、「完全な潔白が証明された」と主張するトランプ大統領は、バー長官の書簡提出後に行う初めての集会の場所に、ミシガン州グランドラピッズを選びました。

なぜトランプ大統領は、この場所を選択したのでしょうか。少なくとも2つの理由が存在します。

1つは、同地が2016年の米大統領選挙において、トランプ大統領に勝利をもたらした一因となった演説を行った場所だからです。

大統領戦の投票日当日をまわった同年11月8日午前1時、トランプ大統領ミシガン州グランドラピッズに入り、4000人の支持者を前に最後の演説を行いました。この演説を契機に、トランプ大統領ミシガン州の選挙人16を獲得できたといわれています。

今回、ロシアゲートの捜査結果に対する「勝利宣言」をするうえで、グランドラピッズは象徴的な場所であったと言えるでしょう。

もう1つは、再選がかかった2020年の大統領選においても、ミシガン州は最重点州になるとみられるからです。

トランプ大統領ミシガン州で再び勝利を収めるためには、保守派の有権者が多く在住する同州西部に位置し、デトロイトに次いで2番目の最大都市であるグランドラピッズでの勝利が必須になります。トランプ大統領は来年を見据えて、この場所を選択したともいえます。

集会は19時開始でしたが、開始11時間半前の朝7時半に筆者が会場に到着すると、70~80名の支持者がすでに列を作っていました。 その中にはテントを張っている支持者もいました。おそらく徹夜で並んだのでしょう。
結局、1万2000人収容のアリーナに1万5000人が集まりましたが、会場に入れなかった多くの支持者は、外に設置された大型スクリーンでトランプ大統領のスピーチを聞くことになりました。

会場に集まった人々にヒアリング調査を実施したので、まずトランプ支持者の声から紹介しましょう。
「Qの投稿を見ていたので、驚かなかった」
白人男性のジョーさん(65)は、筆者が「この集会に参加するために渡米した」と語ると、一瞬驚きの表情を浮かべました。熱狂的トランプ支持者でもあるジョーさんは快く、筆者の質問に回答してくれました。

「私はバー司法長官が書いたモラー報告書の概要に満足しています。バーにはブッシュ(父)政権で司法長官の職に就いた経験があります。私は、バーとトランプは正直な人間だと思っています」

そしてジョーさんは、ロシア疑惑の捜査結果についてこう語りました。

「米国人は2年に及ぶロシア疑惑の捜査に飽き飽きしています。捜査の過程で、多額の税金が使われました」

実際、モラー特別検察官の捜査には2500万ドル(約25億5000万円)の予算が投入されています。

「米国社会の分断はかなり深刻になっています。たとえば、国境の壁建設や人工妊娠中絶の問題で、意見は真っ二つに分かれています。

人工妊娠中絶は殺人だと私は信じています。トランプ大統領にも、米国社会は統一できないでしょう。しかし私は、極左に妥協する気持ちはまったくありません」

ジョーさんは、米国社会における分断は深刻な問題だと認識しており、悲観的でした。

トランプ支持者のベネズエラ系米国人で元エンジニアのアルさん(64)は、カトリック教徒で、9人の子供と14人の孫がいるといいます。

「トランプは私たちを代表しています。ワシントンの政治家は私たちを代表していません」

アルさんは、トランプ大統領を支持する理由をこう述べました。

周知の通り、現在ベネズエラは政治情勢がきわめて不安定で、ハイパーインフレーションに直面しています。トランプ大統領は「民主党が政権を奪還したら、米国はベネズエラのようになってしまう」と訴えていますが、反社会主義の信条をもつアルさんには、トランプ大統領のこのメッセージが浸透していました。

アルさんと一緒に訪れていた妻のデブラさん(62)は、メキシコ系米国人です。筆者が以前紹介した、ネットでトランプ大統領擁護の投稿を匿名で続けている謎の人物「Qアノン」の熱心なフォロワーでした。

「Qアノンの正体は米軍の情報機関のインサイダーで、投稿している人物は複数います」

デブラさんはQアノンについてこう説明すると、バー司法長官が提出したモラー報告書の概要について、次のように語りました。

「Qアノンは、バー司法長官がモラー報告書の概要を米議会に提出する前に、『共謀と司法妨害はなかったとの報告があるだろう』と投稿していました。ですから、私はバー長官の報告概要についても驚きませんでした」

デブラさんは、すべてQアノンの予測通りになったと言うのです。このとき、集会の開場までまだ8時間以上ありましたが、デブラさんはその間、Qアノンのメッセージをスマホで幾度となくチェックしていました。

会場に入る直前、デブラさんが突然筆者に話しかけてきました。

「Qアノンがたった今、『トランプ大統領が本気になる』と投稿しました。今夜の集会を境に、トランプ大統領民主党とメディアに対して反撃に出るのです」

そう言うとデブラさんは、Qアノンの投稿を筆者に見せてくれました。そしてQアノンが予告した通り、トランプ大統領は集会で、議会民主党とメディアを容赦なく批判しました。
ロシア疑惑はついに死んだ」
カントリーの有名曲「God bless the USA」が流れる中、演壇に悠然と現れたトランプ大統領は、まず演説の冒頭で、「3年にわたる嘘と中傷と悪口の日々ののちに、捏造のロシア疑惑(the Russia hoax)はついに死んだ」と述べ、喝采を浴びました。

これまでもトランプ大統領は、「トランプ陣営とロシア政府との共謀はない」と繰り返し主張し、ロシアゲートを「民主党とメディアの幻想」とレッテルを貼ってきました。

今回も、「念入りに作られたでっち上げだ」「民主党、メディアと腐敗した情報機関が、2016年の選挙結果をひっくり返そうと試みたのだ」と語気を強めて語り、何度もゆっくりと会場を見回して、会場の歓呼を集めていました。

このグランドラピッズの演説で、トランプ大統領は「議会民主党、メディアと情報機関の悪意によって、私と支持者は不当な容疑をかけられ、犠牲者になることを強いられた」というメッセージを、高い声のトーンとエネルギッシュな話し方で、効果的に発信したと言えるでしょう。

筆者はこのとき、トランプ大統領の演台から数えて3列目の真正面で聞いていましたが、大統領のメッセージが周りの支持者からかなりの共感を得ていることが伝わってきました。

こうなると、大統領の民主党批判は止まりません。

ロシアゲートに関して、今後も追及する姿勢を崩していない下院特別情報委員会のアダム・シフ委員長(民主党カリフォルニア州28選挙区選出)については、「彼の首は私が今まで見た中で一番細い(細い首=”pencil-neck”は、米俗語で「ひ弱な」という含意がある)。彼は今日こう言っていたよ、『よくわからないが、それでもロシアとの共謀はあったんだ』。病気、病気、彼らは病気だよ」と一蹴し、会場の笑いを誘っていました。


議会民主党への攻撃も忘れません。

「ロバート・モラーは(トランプ陣営とロシア政府との)共謀がなかったと言うまで、民主党にとって神様のような存在だった。だが、彼らはいまモラーを大嫌いになっている」

メディアについても、保守系のFOXニュースの司会者を褒め、ロシア政府との共謀や司法妨害の可能性について報じ続けてきた米CNNやMSNBCは「急速に視聴率が低下している」「二度と信頼を得ることはできないだろう」と支持者に訴えました。

トランプ大統領はこの集会で、ロシアゲートに関する「政治的勝利宣言」を行うとともに、支持者とそれを祝ったのです。

トランプ大統領は、このままロシアゲートの幕引きを図ろうとしています。その一方で、2020年の米大統領選挙では、今回の報告書を民主党に対する「攻撃材料」に利用することは間違いありません。同年に行われる上院・下院選を戦う共和党候補も、バー長官の報告書を民主党候補に対する「武器」として活用するでしょう。

一方、議会民主党は「国境の壁」建設やオバマケアの維持などの争点に時間とエネルギーを割くのか、それともロシアゲートにおける共謀や司法妨害の疑惑を引き続き追及していくのかで、対応が分かれています。次回の大統領選挙でトランプ大統領を破るには、民主党には統一した選挙戦略が不可欠になるでしょう。

 

 

 


(引用終