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2018/10/01 No.3820
10秒で読む日経!
(見出し)
 今日のNews
(私のコメント)
下記の記事の通り、未来を切り開くのは金融だ、ということを皆あまり認識していない。
未来というのは、頭が良かろうとわるかろうと、誰も分からないから常に博打の要素がある。
研究が成功するかどうか分からないのに、多額のカネを出す投資家が居ないとノーベル賞はもらえない。
投資家にとってみれば、それだけのリスクを取るのは勇気がいる。
これは、コロンブスに投資したスペインのイザベラ女王も前回の話に出てくるロスチャイルド家も同じだ。
資本主義というのは、欠点もあるが、こういう未来に賭ける金融が組み込まれているところが、社会主義計画経済よりよい制度なのだ。
社会主義にかぶれる頭の良い人は、こういうリスクに耐えられない。
投資家は無数の失敗に死屍累々で、成功の方が少ないのだが、そういう無駄が社会主義や官僚は許せない。
資本主義は無数の無名の人が、未来に向かって海図のない航海に出ることで成り立つ。
そういう良い面のある資本主義は、それに組み込まれた私有財産制度と経済的自由というもので成り立っている。
この二つはとても重要で、共産党はそれらを排除したが大虐殺して滅びた。
中国共産党も資本主義を導入して生き残っているが、矛盾が隠せない。
但し、私有と自由が大切だ、といってもそれらには社会的ルールが必要なのは当然で、そのルールを決めるのが民主主義(民主制度)だ。
よもぎネコさんが言うように「民主主義は愛国が前提だ」というのは正しい見解で、従って国民国家の中に資本主義はあるべきなのだ。
今のトランプ大統領に代表される、アンチグローバリズムの流れは金融を国家の下に置く戦いでもある。

 

(私のコメント終)

(引用開始)
スウェーデンカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル生理学・医学賞を、
京都大学の本庶佑特別教授(76)と米テキサス大学のジェームズ・アリソン教授(70)に授与すると発表した。
本庶氏らは人の体を守る免疫の新しい仕組みを突き止め、免疫療法の発展に貢献した。
研究成果を応用して、肺や腎臓など様々ながんに効く新しい抗がん剤が続々と登場している。
日本経済新聞 2018年10月2日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★本庶先生、おめでとうございます。

さて、質問です。
ノーベル生理学・医学賞を受賞された、山中伸弥さん、大村智さん、本庶佑さんに共通する特徴があります。
一体なんでしょうか。

御三方とも、極めて秀でた研究実績を残されたという面では、共通しています。
これは、同じくノーベル生理学・医学賞を受賞された利根川進さん、大隅良典さんも同じです。

御三方のもう一つの共通点は、マーケティング力です。

基礎研究は文部科学省に認められなければ研究費が貰えません。
そして多くは東京の一部の学校や準公的機関に振り分けられます。

御三方が研究を続け、実りある成果を出すためには、自分の研究を多くの人や会社に知らしめ、
研究に対して資金的支援を出させることが必要です。

山中伸弥さんは、研究資金寄付を集めるためにマラソンを走るという涙ぐましい努力をされています。

大村智さんは、日本はもとより米国でも産学連携が進んでいない時に、研究費の見返りに特許を与え、
研究者に特許ロイヤリティも支払わせるという方式を編み出して、250億円の研究費を得ました。

本庶佑さんは、発見したPD1を応用研究する時、国内製薬会社全てに産学連携を断られました。
「免疫療法は詐欺」というのが当時の常識だったからです。

しかし、本庶佑さんは米国のバイオベンチャーのメダレックスにマーケティングをして、
共同研究するまでしたのです。これで小野薬も船に乗る事が出来たのです。

御三方の経験を見ると、いくら凄いものであっても、研究だけではダメだという事です。
金が尽きて、実を結ぶことが出来ないからです。

研究者にとってもう1つ大事なのは、自分の研究を人に広め、果実を共に分け合おうという
研究資金提供者を自らの力で見つける事です。

研究力とマーケティング力。この2つとも持つことが成功の鍵のようです。

(引用終了)