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日比野庵

(見出し)
変化したアメリカの対中政策
<< 作成日時 : 2018/10/08 10:00 >>


(私のコメント)
アメリカのペンス副大統領は、中国非難の演説を行った、という記事だが、これは歴史的に見て非常に大きなことです。
アメリカはかなり早い段階から麻薬などの対中貿易を行って大きな利益を上げてきた。
また、1869年に完成したアメリカ大陸横断鉄道は、シナ人の労働者である「苦力」(クーリー)が多大な犠牲者を出しながら完成した。
特にロッキー山脈を超える鉄道敷設は難工事で、沢山のシナ人が動員された。
こういうシナ人は出稼ぎで、原則シナに帰ったのだが、かなりの人々がカリフォルニア州などに残り、農業で成功した。
その後、当時アメリカでは、東海岸では工業が勃興していたが、それに伴い労働争議も頻発していた。
その争議では、労働者のストライキに対抗して工場をロックアウトしてシナ人労働者を呼んで働かせた。
シナ人は文句を言わず劣悪な環境でも働くから重宝がられて、東海岸にも移り住んだ。
この様に早くから中国とアメリカは交流しており、関係が深い。
特にキリスト教の宣教師達が非常に多く中国大陸に派遣され、アメリカの中国に対する世論を形成した。
その世論とは、シナ人はしいたげられた可哀想な人々で、進んだ文明人であるアメリカ人は彼らを助ける義務がある、というものだ。
宣教師達はアメリカの熱心なキリスト教信者の寄付で中国に居るのだから、そういう宣伝をしないと寄付が集まらない。
また、シナ人は善良でキリスト教に次々に帰依している、というようなシナ人善良説を流布した。
シナ人はキリスト教に帰依するから善良で優秀進んだ民族で、日本人はそうしないから野蛮人だ、というような認識が広まった。
フランクリンルーズベルト大統領の祖先はシナにおける麻薬取引で財を成し、その妻のエレノアの祖先は宣教師だった。
フランクリンルーズベルト大統領によって日本は戦争に追い込まれたのだから、そういう日本蔑視の思想は影響が大きかったのだろう。
パールバックの小説「大地」はシナ大陸の農民を描いたものだが、広く読まれており、アメリカのインテリもまたシナびいきだった。
シナびいきに反比例して人種差別的な日本たたきがあり、それを日本人は不当だと思って憤激した。
第二次世界大戦はこうして起きたが、中国人は戦争は弱かったからアメリカを宣伝で操り、日本と戦わせた。
中国人の兵法では、「山の上から二匹のトラの戦いを見る」というのが最善とされている。
日本は中国人やソビエトロシアのスターリンなどの工作で二匹のトラの片方にさせられた。
こういう経緯(いきさつ)からアメリカはつい最近まで中国人は仲間か助けるべき隣人と見ていた。
それが、この演説でひっくり返ったのだ。
これは歴史的に見ても大転換だ。

 

(私のコメント終)

(引用開始)
10月4日、アメリカのペンス副大統領はシンクタンクのハドソン研究所にて講演を行い、厳しい中国非難を行いました。

全文はこちらにありますけれども、中国共産党が、長年アメリカで工作を行ってきたとし、社会に様々な問題と脅威をもたらしたと指摘しました。

講演内容について、大紀元コメンテーターの唐浩氏は次の7つのポイントを挙げています。
1.中国と中国共産党を区別する
2.米国中間選挙に介入、米政府の転覆を図る
3.中国当局による浸透工作の全貌を暴く
4.貿易戦で中国共産党への包囲網を強める
5.中国当局による軍事挑発に備える
6.米国民の結束を高める
7.中国共産党の邪悪本質を暴く
ペンス副大統領は講演の最後に「中国との関係が公平、相互主義、主権尊重に根ざすまで、我々は寛容にはならない」と述べていますけれども、ペンス副大統領の講演は、一言でいえば、過去40年に渡る対中政策の見直しと、中国共産党政権に対する「宣戦布告」ともいえる厳しいものです。

アメリカの中国に対する見方は急速に変化しています。

アメリカのオバマ政権で国務次官補を務めたカート・キャンベル氏と、新アメリカ安全保障センター・シニアフェローのイーライ・ラトナー氏は『フォーリン・アフェアーズ・レポート』2018年4月号への寄稿文「対中幻想に決別した新アプローチを」の中で、「あらゆる立場からの政策論争が間違っていた。中国が段階的に開放へと向かっていくことを必然とみなした自由貿易論者や金融家、国際コミュニティへのさらなる統合によって北京の野望も穏健化すると主張した統合論者、そしてアメリカの揺るぎない優位によって中国のパワーも相対的に弱体化すると信じたタカ派など、 あらゆる立場からのすべての主張が間違っていた」と述べています。

キャンベル氏とラトナー氏は民主党オバマ政権でアジア外交を担った高官でしたけれども、その彼らが、中国を外から変化させることはできないどころか、独自の秩序構想を世界に輸出しようとしていると認めた意味は大きい。いわゆる"中華思想"をようやくアメリカも公式に理解して表明し始めたと事を意味するからです。

そしてトランプ政権になってから、特に今年に入ってから、アメリカの対中アプローチの変化が顕著になってきています。

8月に議会を通過した2019年度国防授権法は、中国に関して多くの注文を政府に迫る内容になっています。

国防権限法とは、アメリカ政府が国防総省に対して予算権限を与える法律です。当該会計年度より5年間にわたり特定の事業計画に対する支出について権限が与えられるもので、年度ごとに制定されます。

2019年度の国防授権法については、こちらのブログで取り上げられていますけれども、中国についての項では、「国家防衛戦略によると、中国は『全国家的長期的戦略』を使い、軍の近代化と影響操作と、インド太平洋地域に彼らの利益を再配置するため隣国を強制するための略奪的経済のてこ入れを行っている。米国と同盟国の安全保障を脅かす攪乱工作を通して彼らの権威主義的モデルを形成することを目指す中国を戦略的な競争者として分類する」と規定しています。

そして、中国を"戦略的な競争者"と見做した上で、それに対抗する様々な条文を定めています。

こちらにそれら条文が紹介されていますけれども、以下などはトランプ政権の動きと連動した条文に見えます。
889条 :中国の情報通信設備等を政府調達から排除
1091条:孔子学院関連の中国語教育施設への助成禁止
1257条:台湾軍事力の強化
1258条:台湾に関する議会の意向
1259条:リムパック(環太平洋合同演習)に中国を参加させない
1261条:アメリカの対中国戦略策定を大統領に義務付け
1701条:対米外国投資委員会(CFIUS)の権限強化
特に1261条は、対中戦略を作るよう大統領に義務付けるものですからね。他の条文と合わせれば、中国締め付けの政策になることはほぼ確実です。

これらを見る限り、アメリカの対中政策は今対立している貿易だけで収まるとは思えません。今後、ありとあらゆる局面で米中対立が起こりうると見るべきではないかと思いますね。
 


(引用終了)